2026年9月11日
2026年9月11日
ドメインのリデンプション手順を解説|申請の段取り・必要なもの・復旧後のWordPress点検
リデンプション(Redemption Grace Period)は、期限切れで削除待ちになった gTLD ドメインを、元の登録者が取り戻せる最後の期間で、一般に30日間です。手続きは今のレジストラにしか頼めず、通常の更新料金に加えて復旧手数料がかかります。この記事では、申請前の準備、レジストラへの申請からレジストリでの処理までの流れ、復旧後に WordPress サイトで点検することを順に説明します。期間の長さや料金はレジストラとTLDによって違うため、手続きの細部は契約先の案内で確認してください(2026年10月現在)。
ライフサイクルの中のリデンプション
gTLD(.com、.net など)の期限切れ後は、おおむね次の順で進みます。
- 有効期限:期限日を過ぎると、レジストラの方針でサイトやメールが止まることがあります。
- 期限切れ後の猶予期間:通常に近い条件で更新できる期間です。長さはレジストラが決め、0〜45日の範囲で設定されます。
- リデンプション:一般に30日間。復旧手数料を払えば元の登録者が取り戻せます。
- 削除保留(pendingDelete):一般に5日間。この段階では原則として復旧できません。
- 削除・開放:誰でも新規に取得できる状態になります。
.jp などの ccTLD は、レジストリ独自のルールで扱われます。リデンプションに当たる期間がなかったり、手続きや期間が違ったりするため、ccTLD の場合はレジストラに直接確認してください。
申請前に確認すること
今どの段階にあるか
RDAP で状態を確認します。
curl -sL https://rdap.org/domain/example.com | jq '{status, events: [.events[] | {eventAction, eventDate}]}'
redemption period が含まれていればリデンプション中で、申請できます。pending delete になっていれば、原則として復旧はできません。pending restore は、復旧の申請がすでに処理中であることを示します。
申請先のレジストラと、申請できる人
RDAP の結果に含まれる registrar の情報で、今の管理レジストラを確認します。リデンプション中は他社への移管ができないため、申請先はこのレジストラに限られます。
申請できるのは、そのレジストラのアカウントの持ち主(元の登録者)です。制作会社や前任者のアカウントで取得していた場合は、そのアカウントを持つ人の協力が要ります。早い段階で連絡をとってください。
支払いの準備
リデンプションの費用は、復旧手数料と1年分の更新料金の合計になるのが一般的で、通常の更新よりかなり高くなります。社内の決裁が要る組織では、金額の確認と承認に時間がかかりがちです。残り日数を見ながら、先に手続きを動かしてください。
申請から復旧までの流れ
1. レジストラの手続き方法を確認する
管理画面に復旧の申し込み欄があるレジストラもあれば、サポートへの問い合わせで受け付けるレジストラもあります。ヘルプで「期限切れ」「復旧」「リデンプション」などの項目を探し、見つからなければサポートに問い合わせます。
2. 本人確認と申し込み
アカウントにログインし、対象ドメインの復旧を申し込みます。サポート経由の場合は、ドメイン名、アカウントID、登録者名などを伝えます。登録者情報が古いと本人確認に時間がかかるため、手元の契約情報をそろえておきます。
3. 支払い
案内に従って支払います。入金の確認に時間がかかる支払い方法は、残り日数が少ないときは避けたほうが安全です。
4. レジストリでの復旧処理
レジストラがレジストリに復旧を申請すると、ドメインは pending restore の状態になります。その後、レジストラが復旧の報告を提出し、レジストリが受理すると通常の状態に戻ります。通常は数日以内に完了しますが、申請が受理されなかった場合はリデンプション中の状態に戻ることがあります。完了の連絡が来るまで、状態を定期的に確認してください。
5. 状態と有効期限を確かめる
RDAP で redemption period や pending restore が消え、有効期限が延びていることを確認します。
復旧後にWordPressサイトで点検すること
ドメインが戻っても、すぐにサイトが元どおりになるとは限りません。次の順に確認します。
ネームサーバーとDNSレコード
期限切れの間に、レジストラがネームサーバーを期限切れ案内のページ用に切り替えていることがあります。ネームサーバーが元の設定に戻っているか、A レコードや MX レコードが正しいかを確認します。DNSSEC を使っていた場合は DS レコードが残っているかも見ます。
dig +short example.com NS
dig +short example.com A
dig +short example.com MX
dig +short example.com DS
設定が正しくても、利用者側のDNSキャッシュに古い応答が残っていると、しばらく表示されないことがあります。
SSL証明書
期限切れの間は、Let's Encrypt などの証明書の自動更新が、ドメインの検証に失敗して止まっていることがあります。サーバーの管理画面や、使える環境なら次のコマンドで状態を確認します。
sudo certbot certificates
sudo certbot renew --dry-run
メールと外部サービス
問い合わせフォームの通知、WordPress の管理者メール、ドメインのメールアドレスでの送受信を試します。止まっていた期間に届かなかったメールは、送信元に再送を頼む必要があります。
検索での表示
Search Console でクロールのエラーが出ていないかを確認します。短期間の停止であれば、再びクロールされるにつれて落ち着くのが一般的ですが、停止が長かった場合の回復の時期は予測できません。
間に合わなかった場合
削除保留を過ぎてドメインが開放されると、先着で取得されます。自分で取り直すつもりでも、開放のタイミングを狙って取得するサービスなどに先を越されることがあり、取り戻せる保証はありません。商標を持っていて、第三者が不正な目的で取得した場合には紛争処理の手続きもありますが、時間と費用がかかります。リデンプション中に手続きを始めることが、事実上の最後の機会だと考えてください。
再発を防ぐために
- 自動更新を有効にし、登録しているカードの有効期限を管理する
- 更新のお知らせが届くメールアドレスを複数人で受け取れるようにする
- ドメインのアカウントを、個人や外部業者ではなく組織で管理する
- 有効期限を監視ツールやカレンダーに登録する
まとめ
- リデンプションは gTLD の期限切れ後に元の登録者が取り戻せる最後の期間で、一般に30日間
- 申請先は今のレジストラに限られ、復旧手数料と更新料金がかかる
- 申し込み後は
pending restoreを経て通常の状態に戻るため、RDAP で完了を確認する - 復旧後はネームサーバー・DNS・SSL証明書・メールの順に点検し、自動更新と期限の監視で再発を防ぐ