2026年6月6日
2026年6月6日
.fukuoka と .store の違い|.fukuoka は選べない理由と、福岡のお店が .store・fukuoka.jp・.jp から選ぶ考え方
先に結論を書くと、.fukuoka と .store を比べて選ぶことはできません。.store は実在する gTLD で誰でも登録できますが、.fukuoka は TLD として存在せず、「〇〇.fukuoka」の形のドメインは取得できないためです(2026年10月現在)。福岡のお店や事業で名前に地域を入れたい場合の現実的な比較相手は、都道府県型 JP ドメイン名の「〇〇.fukuoka.jp」「〇〇.福岡.jp」や、汎用 JP の「〇〇.jp」です。この記事では、福岡で店舗や通販サイトを運営する人が、.store とこれらの選択肢をどう比べて選ぶかを説明します。
.fukuoka の現状を確かめる方法
TLD は、ICANN と IANA が管理するルートゾーンに登録されて初めて使えるようになります。IANA が公開している TLD の一覧には .tokyo・.nagoya・.osaka・.kyoto・.yokohama・.okinawa などの地域名 TLD がありますが、.fukuoka はありません。自分で確かめるなら、次のコマンドが使えます。
# 何も表示されなければ一覧にない(store は表示される)
curl -s https://data.iana.org/TLD/tlds-alpha-by-domain.txt | grep -ixE 'fukuoka|store'
「.fukuoka ドメイン」をうたう案内を見かけたら、ほかの会社のドメインの下にあるサブドメインの貸し出しや、通常の DNS では使えない独自の名前である可能性があります。申し込む前に、末尾がこの一覧にある TLD かを確かめてください。
.store の特徴
.store は ICANN の新 gTLD プログラムで追加された TLD で、IANA のルートゾーンデータベースでは Radix Technologies が運営者として登録されています。ルートゾーンへの登録は2016年です。
- 国籍や業種の条件がなく、実店舗がなくても登録できる
- 「お店」「ネットショップ」の意味が伝わりやすい
- DNS、メール、SSL 証明書の扱いは .com と同じ
- 短い単語などはプレミアム価格になっていることがあり、更新料も高いままの場合がある
名前から地域は分からないので、福岡のお店であることはサイトの内容や店名で伝えることになります。
福岡のお店が比べる選択肢
| 選択肢 | 形の例 | 登録の条件 | 名前から伝わること |
|---|---|---|---|
| .store | example.store | 制限なし | お店・通販 |
| 都道府県型 JP(英字) | example.fukuoka.jp | 日本国内に住所がある個人・組織 | 福岡の、日本のサイト |
| 都道府県型 JP(日本語) | example.福岡.jp | 日本国内に住所がある個人・組織 | 福岡の、日本のサイト |
| 汎用 JP | example.jp | 日本国内に住所がある個人・組織 | 日本のサイト |
| .com | example.com | 制限なし | 特になし(見慣れている) |
都道府県型 JP ドメイン名は JPRS が2012年に始めたもので、都道府県名の部分を英字の「fukuoka」と漢字の「福岡」から選べます。前に付ける名前の部分には、英数字のほか日本語も使えます。汎用 JP と同じく、日本国内に住所があることが登録の条件です。
検索での扱いの違い
Google 検索セントラルの説明では、.jp のような国別コードの TLD(ccTLD)は、その国向けのサイトであることの手がかりとして使われます。fukuoka.jp も .jp の一部なので、日本向けであることの手がかりにはなりますが、「福岡の」という市や県の単位で検索に有利になる仕組みはありません。.store のような gTLD は特定の国に結びつかず、地域の手がかりにはなりません。
地元の検索で見つけてもらうために効くのは、TLD よりも次のような取り組みです。
- Google ビジネス プロフィールに店舗を登録し、営業時間や住所を正しく保つ
- サイトの店舗情報ページに、店名・住所・電話番号を Google ビジネス プロフィールと同じ表記で載せる
- 地域の情報や店舗ならではの内容を、日本語で分かりやすく書く
どの TLD を選んでも、それだけで順位や来店が増えることはありません。
ケース別の選び方
福岡の実店舗が、地元のお客さま向けにサイトを作る
example.fukuoka.jp や example.福岡.jp は、アドレスを見ただけで福岡のお店だと伝わります。チラシや店頭の案内に載せるなら、日本語の「福岡.jp」は読みやすい反面、メールアドレスに使うと相手のメールソフトで扱えないことがあり、URL を共有すると「xn--」で始まる文字列で表示されることがあります。メールとサイトのメインは英字の fukuoka.jp にし、日本語のほうは案内用に取って転送する、という組み合わせもできます。
福岡のお店が、全国向けに通販をする
全国や海外のお客さまに向けるなら、地域を限定しない .store、.jp、.com が向いています。.store は通販であることが伝わりやすく、.jp は日本のお店であることが伝わりやすい、という違いです。将来、海外発送を考えているなら、国に結びつかない .store や .com が扱いやすい場合があります。
実店舗と通販の両方がある
店舗の案内は example.fukuoka.jp、通販は example.store のように分ける方法もありますが、サイトとドメインが2つになると、更新・証明書・メールの管理も2倍になります。1つのドメインで店舗ページと通販ページを持ち、もう一方は 301 で転送するだけにしたほうが、運用の手間を抑えられます。
取得前に確かめること
- 登録者が日本国内に住所を持っているか(JP ドメイン名を選ぶ場合)
- 更新料はいくらか。初年度の価格ではなく、2年目以降の価格で比べたか
- 店名やブランド名が他社の商標と重ならないか
- 決済代行会社の審査や Google Merchant Center に登録する URL を、最終的に使うドメインで申請できるか
- 自動更新を有効にし、通知を受け取るメールアドレスを取得するドメイン以外にしたか
ネットショップでは、決済サービスや外部サービスにドメインを登録するため、後から変えると手続きのやり直しが増えます。WordPress や WooCommerce のサイトでドメインを変える場合は、作業前にバックアップを取り、ステージング環境で試してから本番で行います。
まとめ
- .fukuoka は TLD として存在せず、.store と比べて選ぶことはできません(2026年10月現在)。
- .store は Radix が運営する、登録条件のない gTLD で、お店・通販の意味が伝わります。
- 福岡を名前で示したいなら、都道府県型 JP の example.fukuoka.jp や example.福岡.jp が選択肢です。
- 検索で市や県の単位の優遇はなく、地元の検索には Google ビジネス プロフィールや店舗情報の整備が効きます。
- 地元向けなら fukuoka.jp、全国・海外向けの通販なら .store や .jp、.com を軸に、管理するドメインを増やしすぎないように選びます。