2026年8月19日
2026年8月19日
Registry Lock(レジストリロック)解除ガイド|解除が必要な場面・申請の流れ・再ロックまで
Registry Lock(レジストリロック)は、レジストリ側でドメインの変更を止める仕組みで、レジストラの管理画面のボタンでは外せません。解除するには、登録時に決めた認証済みの担当者がレジストラ経由で申請し、本人確認を経てレジストリに一時解除してもらう必要があります。この記事では、ロック状態の確認方法、解除が必要な場面と不要な場面、申請から再ロックまでの流れ、解除が進まないときの確認点を説明します。提供の有無や手続きの細部はレジストリとレジストラごとに異なるため、実際の手順は契約先の案内に従ってください(2026年10月現在)。
Registry Lockとレジストラロックの違い
ドメインには、変更を止める「ロック」が2段階あります。
- レジストラロック:レジストラが設定するロックで、状態の名前は
clientTransferProhibited、clientUpdateProhibited、clientDeleteProhibitedなどです。多くの場合、管理画面から登録者自身が切り替えられます。 - Registry Lock:レジストリが設定するロックで、
serverTransferProhibited、serverUpdateProhibited、serverDeleteProhibitedの組み合わせで表されます。解除には、電話での折り返し確認や事前登録したパスフレーズなど、管理画面とは別の経路での本人確認が求められるのが一般的です。
Registry Lock の目的は、レジストラのアカウントが乗っ取られても、ネームサーバーや登録者情報を勝手に書き換えられないようにすることです。.com や .net では Verisign が、.jp では JPRS が、それぞれレジストリロックのサービスを提供しています(扱いの有無はレジストラによります)。
今のロック状態を確認する
作業の前に、どのロックがかかっているかを公開情報で確かめます。
# gTLD は RDAP で status を確認
curl -sL https://rdap.org/domain/example.com | jq '.status'
# whois が使える環境なら Status の行を確認
whois example.com | grep -i 'status'
RDAP の結果は次のような形で返ります(例)。
[
"client transfer prohibited",
"server delete prohibited",
"server transfer prohibited",
"server update prohibited"
]
server で始まる状態があれば、レジストリ側のロックがかかっています。
注意したいのは、server 系の状態は Registry Lock 以外の理由でも付くことです。Registry Lock を申し込んだ覚えがないのに serverTransferProhibited などが付いている場合は、紛争処理や法的な手続き、レジストリの方針による制限の可能性があります。serverHold が付いている場合はドメインが利用停止の状態で、ロックとは別の問題です。いずれもレジストラに理由を問い合わせてください。
解除が必要な場面・不要な場面
解除が必要になるのは、レジストリが保持している情報を変えるときです。
- 他のレジストラへの移管
- ネームサーバーの変更
- DNSSEC の DS レコードの登録・変更・削除(鍵の更新を含む)
- 登録者や連絡先の情報の変更
- ドメインの削除
一方、A レコードや MX レコード、TXT レコードの変更は DNS サーバー側の作業なので、Registry Lock の解除は要りません。WordPress サイトのサーバー移転でIPアドレスが変わるだけなら、DNS の管理画面でレコードを書き換えるだけで済みます。ここを取り違えて不要な解除を申請してしまうケースはよくあります。
解除の流れ
1. 変更内容と作業日時を決める
何を、いつ、誰が変えるのかを先に決めます。解除は申請から反映まで時間がかかることがあり、受付が営業時間内に限られる場合もあります。急ぎの作業になる前に、余裕を持って段取りを組んでください。
2. 認証済みの担当者がレジストラへ申請する
Registry Lock の申し込み時に登録した担当者が、レジストラの決めた方法(専用の申請フォーム、電話など)で解除を申請します。登録された担当者以外からの依頼は受け付けられないのが一般的です。担当者が異動・退職している場合は、先に担当者の変更手続きが必要になります。
3. レジストリが一時的に解除する
本人確認が済むと、レジストラからレジストリへ解除が依頼されます。解除の状態がどれくらい続くか(一定時間で自動的に再ロックされるのか、再ロックの申請が必要か)はサービスごとに違うので、申請時に確認します。
4. 変更作業を行い、反映を確かめる
RDAP で server 系の状態が外れたことを確認してから、変更作業に入ります。作業後は変更内容が反映されたかを確かめます。
# ネームサーバーの変更を確認
dig +short example.com NS @a.gtld-servers.net
# DS レコードの変更を確認
dig +short example.com DS
5. 再ロックする
作業が終わったら、再ロックまでを一続きの作業として扱います。自動で戻らないサービスでは、再ロックの申請を忘れるとロックのない状態が続きます。最後に RDAP で server 系の状態が戻ったことを確認して完了です。
移管するときの注意
移管では、Registry Lock に加えてレジストラロック(clientTransferProhibited)の解除と AuthCode の発行も必要です。移管先が Registry Lock を扱っていない場合、移管後はレジストリ側の保護がなくなります。移管先で同じ保護を受けられるかを事前に確認し、扱っている場合は移管後に改めて申し込みます。
DNSSEC を使っている場合は、移管でDNSの運用者が変わるかどうかによって、DS レコードの差し替えの順番に注意が必要です。順番を誤ると名前解決が失敗するため、移管の計画にDSの扱いを含めておいてください。
解除が進まないときの確認点
- 申請者が登録された担当者か:担当者以外の申請は受理されません。
- 連絡先が古くないか:折り返しの電話番号やメールアドレスが使えないと、本人確認が完了しません。
- ロックの理由が Registry Lock か:紛争や利用停止による制限は、Registry Lock の手続きでは解除できません。
- 今の管理レジストラに申請しているか:RDAP のレジストラ欄で、申請先が合っているかを確認します。
セキュリティ上の注意
Registry Lock は、乗っ取りやなりすましへの対策として設けるものです。解除の依頼を受ける側に立ったときは、メールやチャットだけの依頼で手続きを進めず、社内で決めた確認経路で依頼者本人に確かめてください。レジストラのアカウントには2段階認証を設定し、解除している時間は作業に必要な範囲に限ると、リスクを小さくできます。
まとめ
- Registry Lock はレジストリ側のロックで、
serverで始まる状態として RDAP や WHOIS で確認できる - 解除が要るのはネームサーバー・DS・登録者情報の変更や移管などで、A や MX レコードの変更には要らない
- 解除は認証済みの担当者がレジストラ経由で申請し、作業後の再ロックまでを一続きで行う
- 身に覚えのない
server系の状態やserverHoldは別の理由の可能性があるため、レジストラに確認する