2026年8月25日

2026年8月25日

.storeドメインの取得手順と、正しく取得できたかの確認方法

.store ドメインは、レジストラ(ドメインの登録事業者)で空きを調べて申し込めば取得できます。ただし、申し込みが終わった時点で使える状態になっているとは限らず、登録者のメール認証や支払いが済んでいないと、数日後に止まってしまうことがあります。この記事では、.store を取得する手順を順に説明し、各段階で「本当に取れているか」をコマンドや公開データで確かめる方法を紹介します。ショップサイトとして公開する前の確認事項は別記事で扱っているので、ここでは取得の手続きそのものに絞ります。

.store の前提を確認する

.store は、オンラインショップや小売を想定した gTLD(分野別トップレベルドメイン)です。国や業種による登録制限は原則として設けられていませんが、レジストリ(TLD の管理元)が予約している名前や、高い価格が設定されたプレミアムドメインがあります。

TLD の管理元やルールは、IANA のデータベースで確認できます。

# .store のレジストリ情報と WHOIS サーバーを確認する
whois -h whois.iana.org store

出力には、管理組織、WHOIS サーバー、RDAP の案内などが含まれます。レジストラの説明だけで判断せず、一次情報を一度見ておくと、後で状態を調べるときにどこを見ればよいかが分かります。運営体制は変わることがあるため、最新の管理元はこの出力で確かめてください(2026年10月現在)。

手順1:名前を決め、商標を確認する

最初に、使いたい名前の候補を複数用意します。店名やブランド名をそのまま使うのが基本ですが、他社の商標と同じ名前や紛らわしい名前は、取得できても後で紛争になることがあります。日本の商標は特許庁の J-PlatPat で検索できます。

あわせて、次の点も決めておきます。

  • 英数字とハイフンのどちらを使うか(ハイフンは先頭・末尾に置けません)
  • .com や .jp など、同じ名前の別の TLD も押さえるか
  • 何年分登録するか

手順2:空いているかを調べる

空き状況は、レジストラの検索画面で調べるのがいちばん手早い方法です。そのうえで、公開データでも登録の有無を確認できます。現在の標準は RDAP という仕組みで、次のように問い合わせます。

# 登録済みなら JSON で情報が返り、未登録なら 404 になる
curl -sL -o /dev/null -w '%{http_code}\n' https://rdap.org/domain/example.store

# 登録済みの場合の中身を見る(jq があれば整形できる)
curl -sL https://rdap.org/domain/example.store | jq '.status, .events'

rdap.org は、TLD ごとの正しい RDAP サーバーへ転送してくれるサービスです。ブラウザで調べたい場合は、ICANN の Lookup(lookup.icann.org)でも同じ情報を確認できます。

ここでつまずきやすいのは、「未登録=取得できる」とは限らない点です。レジストリが予約している名前は、RDAP では未登録に見えても申し込めません。また、プレミアムドメインは取得できても、通常とは違う価格になります。最終的な可否と価格は、レジストラの検索結果で確認します。

手順3:レジストラを選ぶ

.store を扱うレジストラは国内外に複数あります。価格だけでなく、次の点を比べて選びます。

  • 更新料:初年度だけ安く、2年目以降の更新料が高い設定はよくあります。比べるのは更新料です。
  • WHOIS 情報の公開代行:個人で登録する場合、住所や電話番号が公開されないかを確認します。
  • DNS の管理機能:A・CNAME・MX・TXT などのレコードを自分で編集できるか。外部の DNS サービスを使うなら、ネームサーバーを変更できるか。
  • アカウントの守り:管理画面に二段階認証を設定できるか、移管ロックを有効にできるか。
  • 問い合わせ窓口:トラブル時に日本語で相談できるかどうか。

ドメインは何年も使う資産です。管理画面への不正ログインで乗っ取られると取り戻すのに手間がかかるので、アカウントの守りは価格と同じくらい重視します。

手順4:申し込む

レジストラで名前を選び、次の項目を入力して申し込みます。

  1. 登録年数:迷ったら1年で始め、自動更新を有効にしておきます。
  2. 登録者情報:氏名(組織名)、住所、メールアドレス、電話番号を正確に入力します。事実と違う情報は、登録の停止や紛争時に不利になる原因になります。
  3. 連絡用メールアドレス:これから取得するドメインのアドレスではなく、すでに使えている別のアドレスにします。新しいドメインのメールは、DNS の設定が終わるまで届かないためです。
  4. WHOIS 公開代行とネームサーバー:必要に応じて選びます。ネームサーバーは後から変更できます。
  5. 支払い:自動更新に使う支払い方法も、この時点で登録しておきます。

手順5:取得できたかを確認する

申し込み後、次の3点を確認します。

登録者メールの認証を済ませる

gTLD では、ICANN の規則により、レジストラは登録者のメールアドレスを確認する手続きを行います。申し込み後に届く確認メールのリンクを開かないまま一定期間(多くは15日程度)が過ぎると、ドメインが一時停止され、サイトにもメールにもつながらなくなります。届いていない場合は迷惑メールフォルダを確認し、それでも見つからなければレジストラの管理画面から再送します。

登録の状態を公開データで確かめる

RDAP で、登録日・有効期限・状態を確認します。

curl -sL https://rdap.org/domain/example.store | jq '.status, .events'

events の中に登録(registration)と有効期限(expiration)の日付があり、status には状態が並びます。よく見る状態の意味は次のとおりです。

  • active:通常の状態です。
  • client transfer prohibited:レジストラが移管ロックをかけている状態で、乗っ取り対策として望ましい状態です。
  • client hold:レジストラが停止している状態です。メール認証や支払いが済んでいないことが多いので、レジストラに確認します。
  • server hold:レジストリ側で停止している状態です。レジストラ経由で理由を問い合わせます。

ネームサーバーが返るかを確かめる

dig +short NS example.store

レジストラで設定したネームサーバーが返れば、DNS の委任ができています。何も返らない場合は、ネームサーバーの設定が未完了か、上の hold 状態になっていないかを確認します。設定直後は反映に時間がかかることもあるので、少し待ってから再確認します。

取得後すぐにやっておくこと

  • 自動更新と支払い方法の確認:カードの有効期限切れで更新に失敗する例は少なくありません。
  • 管理画面の二段階認証と移管ロック:上の状態に「transfer prohibited」が付いているかを確認します。
  • 記録を残す:取得日、有効期限、レジストラ、ログインに使うアカウントを社内の台帳にまとめます。担当者が変わったときに更新漏れを防げます。

なお、登録直後は一定期間、他のレジストラへ移管できないことがあります。期間はポリシーやレジストラによって異なるため、移管を考えている場合は先に確認しておきます。

取得できたら、DNS で Web サーバーとメールの設定を行い、SSL 証明書を発行してから WordPress のサイトアドレスを設定します。既存サイトのドメインを変える場合は、作業前にファイルとデータベースのバックアップを取ってください。

まとめ

  • .store は国や業種の制限が原則ない gTLD ですが、予約名やプレミアムドメインがあり、最終的な可否と価格はレジストラで確認します。
  • 空き状況は RDAP(rdap.org や ICANN Lookup)でも確認できますが、未登録に見えても申し込めない名前があります。
  • レジストラは初年度価格ではなく、更新料、WHOIS 公開代行、DNS 機能、二段階認証で選びます。
  • 申し込み後は登録者メールの認証を済ませ、RDAP の状態に hold が付いていないか、dig でネームサーバーが返るかを確かめます。
  • 自動更新・移管ロック・管理台帳を整えてから、DNS と WordPress の設定に進みます。

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