2026年6月24日
2026年6月24日
.tech と .store の違い|意味・用途・取得条件・更新費用の傾向と WordPress サイトでの選び方
.tech と .store は、どちらも誰でも登録できる新しい gTLD で、技術的な扱いや取得の条件にはほとんど差がありません。違いは名前が伝える意味で、.tech は技術・IT・開発、.store はお店や EC サイトを連想させます。検索順位が TLD で有利になることはないので、サイトの内容と訪問者に伝わりやすいかで選ぶのが基本です。この記事では、両者の共通点と違い、取得前に確認したい費用や評判の点、WordPress サイトで選ぶときの考え方を整理します。
レジストリの運営状況や登録条件、料金体系は変わることがあります。ここで書く内容は執筆時点の一般的な情報なので、取得前にレジストラの案内で最新の条件を確認してください(2026年10月現在)。
共通点:仕組みはどちらも同じ新 gTLD
.tech と .store は、ICANN の新 gTLD プログラムで追加された TLD です。どちらも Radix というレジストリが運営しています。共通する点は次のとおりです。
- 登録資格の制限がない:国籍や業種を問わず、個人でも法人でも登録できます。.jp や .co.jp のような住所・法人の要件はありません。
- ICANN の gTLD のルールが適用される:登録直後の一定期間(一般に60日)は移管できない、登録者情報は whois や RDAP で扱われる、といった .com と同じルールで管理されます。
- 技術的な制約は .com と同じ:DNS、メール、SSL 証明書(Let's Encrypt を含む)は通常どおり使えます。.dev や .app のように TLD 全体で HTTPS が強制される(HSTS preload に登録されている)TLD ではないため、HTTP でも表示はできますが、WordPress サイトなら HTTPS で運用するのが前提です。
つまり、サーバーの設定や WordPress のインストール手順は、どちらを選んでも変わりません。
違い:名前が伝える意味と向いているサイト
| 観点 | .tech | .store |
|---|---|---|
| 連想される意味 | 技術、IT、テクノロジー | 店舗、ショップ、物販 |
| 向いているサイト | 技術ブログ、開発者向けサービス、SaaS、IT 企業、技術イベント | EC サイト、ブランドの直販、実店舗の通販ページ、商品の特設サイト |
| 伝わりにくい場面 | 物販が中心のサイト | 情報発信が中心のメディアや企業サイト |
TLD はアドレスの末尾に常に表示されるので、名前と内容がずれると訪問者が戸惑います。WooCommerce でネットショップを作るなら .store、技術情報を発信するブログや開発者向けのサービスなら .tech が自然です。
どちらも英語圏の単語なので、日本の一般の利用者には .com や .jp ほど見慣れたものではありません。名刺や広告で見せたときに「アドレスの書き間違いでは」と思われない程度に、ブランド名と組み合わせて意味が伝わるかを確かめておくと安心です。
検索順位への影響はない
Google 検索セントラルの説明では、新 gTLD は .com などほかの gTLD と同じように扱われ、TLD にキーワードが含まれていても順位上の優遇はありません。.store だから EC 関連の検索で上がる、.tech だから技術系の検索で有利になる、ということはありません。
また、.tech も .store も特定の国に結びつかない gTLD なので、地域を示すシグナルにはなりません。日本向けのサイトであることは、日本語のコンテンツや lang 属性などで伝わります。検索で評価されるのは TLD ではなく内容なので、TLD はブランドと覚えやすさの観点で選びます。
取得前に確認したい費用と評判
初年度と更新の料金差
新 gTLD は、初年度の登録料を大きく割り引いて案内し、2年目以降は通常の更新料になることがよくあります。TLD は長く使うものなので、比べるときは初年度ではなく更新料を見ます。レジストラごとに更新料が違うことも多いので、複数社で確認します。
プレミアムドメイン
短い単語や人気の語は、レジストリが「プレミアム」として通常とは別の価格帯を設定していることがあります。プレミアムに指定された名前は、登録時だけでなく更新時も高い価格が続く場合があります。検索結果に「Premium」などの表示があったら、更新料まで確認してから申し込みます。
メールの到達性
新 gTLD の中には、過去にスパム送信で多く使われたことから、メールのフィルタで厳しく扱われやすいものがあると言われます。.tech や .store に限った話ではありませんが、独自ドメインでメールを送るなら SPF、DKIM、DMARC を設定し、問い合わせフォームの通知メールや注文メールが届くかをテストします。
WordPress サイトで選ぶときの考え方
ドメインは後から変えると負担が大きい要素です。WordPress のサイト URL を変えると、データベース内の URL の置き換え、旧ドメインからの 301 リダイレクト、Search Console の登録し直しなどが必要になります。最初に次の点を確認してから決めます。
- サイトの内容と TLD の意味が一致しているか:将来、物販から情報発信へ(あるいはその逆へ)広げる予定があるなら、どちらにも偏らない .com などのほうが合う場合もあります。
- 同じ名前の .com や .jp が取られていないか:似たアドレスの別サイトがあると、訪問者やメールが誤って届くことがあります。
- 商標の問題がないか:他社のブランド名を含むドメインは、紛争の対象になることがあります。
- 防衛のための取得が必要か:ブランドを守る目的で .tech と .store の両方を取るなら、使わないほうは本命のサイトへ 301 リダイレクトさせます。
- 日本の利用者向けの選択肢と比べたか:国内の EC なら .shop や .jp、企業サイトなら .co.jp も候補になります。
まとめ
- .tech と .store は、どちらも Radix が運営する、登録制限のない新 gTLD で、技術的な扱いは .com と同じです。
- 違いは名前の意味で、.tech は技術・IT 系、.store は EC や物販向けです。
- TLD による検索順位の優遇はなく、選ぶ基準はブランドと内容との一致です。
- 取得前に更新料、プレミアム価格の有無、メールの到達性を確認します。
- WordPress サイトはドメイン変更の負担が大きいので、将来の方向性や商標も含めて決めます。