2026年9月10日
2026年9月10日
バリュードメインで移管の状況を確認する方法|申請後の進み具合と完了の見分け方
バリュードメインへの移管、またはバリュードメインから他社への移管が「いまどこまで進んでいるか」は、管理画面の表示、届いたメール、そしてレジストリ側のドメインの状態(RDAP・whois)の3つを見比べると判断できます。管理画面だけを見ていると、承認待ちなのか、却下されたのか、すでに完了しているのかを取り違えやすいためです。この記事では .com などの gTLD を例に、移管の各段階で何を確認すればよいか、止まっているときに何を疑うかを順に説明します。
移管の手順そのもの(DNS の準備やロック解除)は別の記事で扱っているため、ここでは申請後の確認に絞ります。管理画面のメニュー名や手続きの流れは変わることがあるため、表記は目安として読み、バリュードメインの公式マニュアルも合わせて確認してください(2026年10月現在)。
移管の流れと、どこで止まりやすいか
gTLD の移管は、おおむね次の順に進みます。
- 移管先のレジストラで申し込み、認証コード(AuthCode / EPP コード)を入力する
- 移管先がレジストリに移管を申請する
- レジストリ上でドメインが「移管保留」の状態になる
- 移管元のレジストラが承認する、または一定期間(一般に5日)が過ぎて自動で承認される
- 担当レジストラが切り替わり、有効期限が延長される
止まりやすいのは、1と2の間(申請自体がエラーになる)と、3から4の間(承認待ち)です。どちらで止まっているかは、次に説明するレジストリ側の状態を見ると分かります。
確認1:管理画面とメールで申請の受付を確かめる
バリュードメインへ移管している場合
移管の申し込みと支払いが済むと、バリュードメインの管理画面のドメイン一覧や移管の状況を表示するページに、そのドメインが手続き中として表示されるのが一般的です。表示が見当たらない場合は、まず次を確認します。
- 申し込みの支払いが完了しているか(未決済のままだと申請が始まりません)
- 認証コードの入力ミスで申請がエラーになっていないか
- 受付や結果を知らせるメールが、迷惑メールフォルダに入っていないか
バリュードメインから他社へ移管している場合
移管元であるバリュードメインからは、移管の申請があったことを知らせるメールが登録者宛てに届くことがあります。メールの内容によっては、承認または拒否の操作を求められます。早く完了させたいときは案内に従って承認し、身に覚えのない移管であれば拒否したうえで、アカウントのパスワード変更と認証コードの再発行を行います。
いずれの場合も、メールに記載されたリンクを開くときは、送信元とリンク先がバリュードメインや移管先レジストラの正規のドメインかを確認します。移管の時期を狙ったフィッシングメールが送られることがあるためです。
確認2:RDAP・whois でレジストリ側の状態を見る
管理画面の表示よりも実態を正確に表すのが、レジストリ側の状態です。RDAP は whois の後継として標準化された仕組みで、JSON で結果が返ります。
# 状態(status)と担当レジストラ、期限を確認
curl -sL https://rdap.org/domain/example.com | python3 -m json.tool \
| grep -iE '"status"|transfer|prohibited|eventAction|eventDate|"fn"'
# whois で確認する場合
whois example.com | grep -iE 'Registrar:|Status|Expir'
表示される状態の意味は次のとおりです。RDAP では pending transfer のような空白区切り、whois では pendingTransfer のような書き方になります。
- pending transfer(pendingTransfer):レジストリが移管申請を受け付け、承認待ちの状態です。手順3〜4の段階にあります。
- client transfer prohibited(clientTransferProhibited):移管元のレジストラでロックがかかっています。この状態のままでは申請が通らないため、移管元でロックを解除します。
- server transfer prohibited(serverTransferProhibited):レジストリ側の制限です。登録直後や紛争などが理由のことがあり、移管元レジストラへの問い合わせが要ります。
- client hold / server hold:ドメインが停止されています。Whois 情報の確認が済んでいない、支払いに問題があるなどの理由が考えられ、移管より先に解消が要ります。
確認3:完了したかを見分ける
次の3つがそろえば、移管は完了しています。
- RDAP・whois の担当レジストラが移管先の名前に変わっている
- 状態から
pending transferが消えている - 有効期限が延長されている(gTLD では通常1年。期限切れ直後の移管などでは延長されない場合もあります)
バリュードメインへの移管なら、管理画面のドメイン一覧に通常のドメインとして表示され、DNS や自動更新の設定ができるようになります。
止まっているときに疑う原因
確認したい順に並べます。
- 認証コードの誤り・期限切れ:コードを再発行した場合、古いコードは使えません。最新のコードを移管元で確認し、前後の空白を含めずに入力し直します。
- 移管元のロック:
client transfer prohibitedが出ていれば、移管元の管理画面でロックを解除します。解除の反映に時間がかかることがあります。 - 移管できない期間:新規登録や前回の移管から一定期間(現行ルールでは一般に60日)は移管できません。登録者情報の変更直後に制限がかかる場合もあります。ICANN の移管ポリシーは見直しが進んでいるため、期間は最新の案内で確かめます。
- 承認メールが届いていない:登録者のメールアドレスが古い、または移管するドメイン自身のアドレスで受信できない状態になっていることがあります。
- 有効期限の直前・直後:期限が迫ったドメインの移管は、受け付けられないか、更新と重なって扱いが複雑になります。
5日を過ぎても pending transfer のまま変わらない場合や、理由が分からない拒否が続く場合は、移管先と移管元の両方のサポートに、ドメイン名と申請日、表示された状態を伝えて確認します。認証コードやパスワードは問い合わせ本文に書きません。
.jp ドメインと完了後の確認
.jp ドメインは JPRS の規則にもとづく「指定事業者の変更」として扱われ、gTLD とは確認の流れや期限延長の扱いが異なります。.jp の場合は、両社の .jp 向けの案内と管理画面の表示を優先してください。
完了後は、WordPress サイトとメールが止まっていないかを確認します。移管でネームサーバーの設定が自動で変わることは通常ありませんが、移管元のレジストラが提供していた DNS サービスを使っていた場合は、移管後に使えなくなることがあります。
dig NS example.com +short
dig example.com A +short
あわせて、移管先で自動更新、Whois 情報の公開代行、レジストラロックの設定を見直します。移管直後はロックが外れたままになっていることがあるためです。
まとめ
- 移管の進み具合は、管理画面・メール・レジストリ側の状態の3つで確認します。
- RDAP・whois の
pending transferは承認待ち、client transfer prohibitedは移管元のロックを表します。 - 担当レジストラの変更、保留状態の解消、有効期限の延長がそろえば完了です。
- 止まったときは認証コード、ロック、移管できない期間、承認メールの順に確認し、完了後は DNS とロック・自動更新を見直します。