2026年7月15日
2026年7月15日
バリュードメインからお名前.comへドメインを移管する手順|DNSを止めない準備と承認メールの注意点
バリュードメインからお名前.com へのドメイン移管は、「DNS を移管の影響を受けない場所に置く」「バリュードメインでロックを外して AuthCode を確認する」「お名前.com で申し込み、届いた承認メールに応じる」の3段階で進めます。なかでも見落とされやすいのが DNS の扱いで、ここを準備せずに移管すると、完了した時点でサイトやメールが止まることがあります。この記事では、.com などの gTLD を例に、移管前の確認から完了後の設定までを順番に説明します。
移管の手続きや画面の表記は、両社の仕様変更や ICANN の規則の見直しによって変わることがあります。この記事の内容は(2026年10月現在)のものです。申し込みの前に、バリュードメインの「他社への移管」とお名前.com の「他社からの移管」の公式案内もあわせて確認してください。
移管の前に確認すること
移管できる状態か
次の条件に当てはまると、移管を申し込んでも受け付けられないか、途中で失敗します。
- 取得・移管から60日以内: gTLD では、新規登録や前回の移管の直後は、一定期間(通常60日)移管できません。
- 登録者情報を変更した直後: 登録者の名前やメールアドレスを変えたあと、一定期間移管が制限される場合があります。
- 有効期限が迫っている、または切れている: 期限の直前や期限切れ後の移管は、手続きが間に合わなかったり、受け付けられなかったりします。期限まで余裕をもって申し込みます。
- ステータスに制限がある: whois の
StatusにclientHoldやserverTransferProhibitedなどがある場合は、先にその理由を解消します。
whois example.com | grep -iE 'Registrar:|Expir|Status|Creat|Updated'
.jp ドメインの場合
.jp ドメインは gTLD とは仕組みが異なり、JPRS の規則にもとづく「指定事業者の変更」として手続きします。必要な書類や確認の流れが異なることがあるため、.jp の場合はこの記事の手順を参考程度にとどめ、両社の .jp 向けの案内に従ってください。
登録者のメールアドレスが受信できるか
移管の途中では、登録者のメールアドレス宛てに確認や承認のメールが届きます。バリュードメインに登録している登録者のメールアドレスが、いま受信できるかを確かめます。とくに、移管するドメイン自身のメールアドレスを登録している場合は、移管中に DNS の問題が起きるとメールを受け取れなくなるため、別ドメインのアドレスに変えておくと安全です。ただし、登録者情報の変更は前述のとおり移管の制限につながることがあるため、変更する場合は早めに済ませます。
手順1:DNS を移管の影響を受けない場所に置く
なぜ DNS を先に動かすのか
バリュードメインでドメインを取得した場合、多くはバリュードメインのネームサーバーで DNS を管理しています。ドメインを他社へ移管したあとも、同じ DNS を使い続けられるとは限りません。移管が完了した時点でレコードが使えなくなると、サイトもメールも名前解決できなくなります。
そこで、移管の前に DNS を次のどちらかへ移しておきます。
- レンタルサーバーや外部の DNS 事業者: WordPress を置いているサーバー会社の DNS や、Cloudflare などの DNS。移管の影響を受けないので、手順が単純になります。
- お名前.com の DNS: 移管後にお名前.com でまとめて管理したい場合。お名前.com の DNS がまだ移管前のドメインで使えるかは、お名前.com の案内で確認します。使えない場合は、いったん外部の DNS に移してから、移管後にお名前.com の DNS へ移します。
レコードを写して、切り替えて、確かめる
- バリュードメインの DNS 設定画面で、いまのレコードをすべて控えます。A、CNAME、MX、TXT(SPF、DKIM、DMARC、各種の所有権確認)を漏れなく写します。
- 移行先の DNS に同じレコードを登録します。
- 移行先のネームサーバーに直接問い合わせて、内容が一致するかを確かめます。
- バリュードメインの管理画面で、ネームサーバーを移行先のものに変更します。
- 変更が反映され、サイトの表示とメールの送受信が正常かを確かめます。
# 移行先のネームサーバーに直接問い合わせる例(ns1.example-dns.net は移行先の値に置き換える)
dig @ns1.example-dns.net example.com A +short
dig @ns1.example-dns.net example.com MX +short
dig @ns1.example-dns.net example.com TXT +short
# 切り替え後、上位から新しいネームサーバーが返るか
dig NS example.com +short
ネームサーバーの変更が行き渡るまでには、数時間から1日以上かかることがあります。反映を待ってから次の手順へ進みます。
DNSSEC を使っている場合
DNSSEC を有効にしている場合は、ネームサーバーを変える前に手順を確認します。古い DNS の DS レコードが残ったまま切り替えると、検証する側から名前解決できなくなります。いったん DNSSEC を無効にし、DS レコードが消えたことを確かめてから切り替えるのが一般的な進め方です。
手順2:バリュードメインでロックを外し、AuthCode を確認する
バリュードメインのドメイン管理画面で、移管するドメインの設定を開き、次の操作を行います。
- 移管ロックを外す: ロックがかかっていると、お名前.com からの移管の申請が拒否されます。whois の
StatusからclientTransferProhibitedが消えたかで確認できます。 - AuthCode を確認する: ドメインの持ち主であることを示す認証鍵です。他人に送らず、お名前.com の申し込み画面にだけ入力します。
- Whois の公開代行の扱いを確認する: 承認メールが登録者に届くよう、公開代行を一時的に外すよう求められる場合があります。両社の案内に従います。
手順3:お名前.com で移管を申し込む
お名前.com の「他社からの移管」の申し込み画面で、ドメイン名と AuthCode を入力して申し込みます。gTLD の移管では、通常、移管にあわせて有効期限が1年延長され、その分の料金がかかります。申し込みの画面では、関連サービスなどのオプションが選ばれていないかを確かめてから確定します。
承認メールに応じる
申し込み後、お名前.com から登録者のメールアドレス宛てに、移管の承認を求めるメールが届きます。メール内の案内に従って承認しないと、移管は進みません。件名に「トランスファー」「承認」などを含むメールが届いていないか、迷惑メールのフォルダも含めて確認します。
また、バリュードメイン側から移管の確認メールが届く場合もあります。このメールで承認すると早く進み、何もしない場合も一定期間(通常5日程度)で自動的に承認されるのが一般的です。心当たりのない移管の確認メールが届いた場合は、拒否してバリュードメインに問い合わせます。
手順4:移管完了後の確認と設定
移管が完了すると、whois の Registrar: がお名前.com の運営会社のものに変わります。完了の通知が届いたら、次を確かめます。
- whois の
Registrar:と有効期限が更新されているか - ネームサーバーが、手順1で移した先のままになっているか
- サイトの表示とメールの送受信に問題がないか
- お名前.com で移管ロックをかけ直したか
- 自動更新の設定と支払い方法を登録したか
- Whois の公開代行を外していた場合は、再び設定したか
- DNSSEC を無効にしていた場合は、改めて有効にしたか
最後に、バリュードメインにサーバーやメールなどほかのサービスの契約が残っていないかを確認します。ドメインの移管はドメインの管理だけを移すもので、バリュードメインで契約しているサーバーやメールは自動では移りません。
まとめ
- 移管の前に、60日の制限、有効期限、whois のステータス、登録者のメールアドレスを確認します。
- DNS を移管の影響を受けない場所に先に移し、正しく動くのを確かめてから移管します。
- バリュードメインで移管ロックを外し、AuthCode を確認します。
- お名前.com で申し込んだら、届いた承認メールに応じます。
- 完了後は、ロック、自動更新、公開代行、DNSSEC を設定し直します。