2026年6月5日
2026年6月5日
WHOIS精度ポリシーを確認する方法|正確性のルールと自分のドメインの点検手順
WHOIS精度ポリシーとは、ドメインの登録者情報を正確に保つためのルールで、gTLD(.com、.net など)では ICANN とレジストラの契約に、.jp では JPRS の規則に定められています。確認するべきなのは「どの規則が自分のドメインに適用されるか」「レジストラがどう運用しているか」「自分の登録情報が今その基準を満たしているか」の3点です。この記事では、規則の中身と原文の探し方、登録情報の点検手順、点検の時期を説明します。
WHOIS精度ポリシーの中身
gTLD の場合:ICANN とレジストラの契約
gTLD のレジストラは、ICANN と結ぶレジストラ認定契約(RAA)に従って登録者情報を扱います。2013年版の RAA には、登録者情報の正確性に関する仕様(WHOIS Accuracy Program Specification)が含まれており、主な内容は次のとおりです。
- 新規登録・移管の受け入れ・登録者情報の変更の際に、レジストラは住所や電話番号の形式を検証する
- メールアドレスまたは電話番号について、登録者本人からの応答による確認を行う
- 一定期間内(仕様では15日)に確認が取れない場合、レジストラはドメインを停止するなどの対応を取る
このほか、レジストラが年に1回、登録者に登録情報の見直しを促す連絡を送るルール(WHOIS Data Reminder Policy)もあります。毎年届く「登録情報の確認のお願い」のようなメールは、この仕組みによるものです。
登録者側にも義務があります。レジストラとの登録契約には、正確な情報を提供し、変更があれば速やかに更新すること、照会に応答することが含まれており、故意に不正確な情報を登録したり照会に応じなかったりすると、登録の取り消し理由になり得ます。
.jp の場合:JPRS の登録規則
.jp ドメインは ICANN の契約の対象ではなく、JPRS の登録規則が適用されます。登録者情報が事実と異なる場合の扱いや、JPRS および指定事業者による確認の仕組みが定められています。汎用JPドメインと、co.jp などの属性型・地域型ドメインでは登録できる人の条件も違うため、自分のドメインの種別に合わせて読みます。
規則の原文と運用を確認する
規則は複数の層に分かれているので、上から順に確認します。
- レジストリ・ICANN の規則: gTLD なら ICANN の公式サイトで RAA と WHOIS Data Reminder Policy、.jp なら JPRS の公式サイトで登録規則を確認します。英語の原文が基準ですが、要点はレジストラのヘルプでも説明されています。
- レジストラの規約: 契約しているレジストラの登録規約やヘルプで、「登録者情報の正確性」「情報認証」「確認メール」といった項目を探します。確認メールの件名、応答の期限、応答がなかった場合の扱い(停止の方法や解除の手順)は、この層で具体的に決まっています。
- 自分の契約の状態: 管理画面で、自分のドメインが確認済みかどうかを見ます。
レジストラの画面や規約の表記は改定されることがあるため、手順の名称は変わる前提で、目的(登録者情報の確認・認証)から項目を探すと見つけやすくなります。ここで説明している規則の内容も、手続きの前に最新の原文で確認してください(2026年10月現在)。
自分の登録情報を点検する手順
1. 管理画面で登録者情報を開く
レジストラの管理画面にログインし、対象ドメインの登録者情報(連絡先情報)を表示します。WHOIS代理公開を使っている場合、外部からの照会では代行業者の情報しか見えないため、本当の登録内容は管理画面でしか確認できません。
2. 項目ごとに確認する
次の観点で見直します。
- 氏名・組織名: 個人で登録したまま法人のサイトになっていないか、退職者の名前のままになっていないか
- 住所: 移転前の住所が残っていないか。番地や建物名まで入っているか
- 電話番号: 現在つながる番号か。国番号付きの形式(例: +81.312345678)で入力が求められる場合は、その形式になっているか
- メールアドレス: 今も受信できるか。担当者個人のアドレスではなく、複数人で受け取れるアドレスになっているか
特にメールアドレスは重要です。確認や更新の連絡はここに届くため、受信できないと、正確性の確認に応答できずにドメインが停止されることがあります。そのドメイン自身のアドレス(例: admin@example.com)を登録していると、ドメインが止まった時点で連絡も受け取れなくなるので、別のドメインのアドレスを使うほうが安全です。
3. 確認状態と過去の連絡を確認する
管理画面に、登録者情報の確認状態(確認済み・未確認など)が表示されるレジストラもあります。未確認になっている場合は、確認メールの再送を依頼します。メールボックスでは、レジストラ名やドメイン名で検索して、未対応の確認依頼が残っていないかも見ておきます。
4. 外部からの見え方と状態を確認する
最後に、外部からドメインの状態を照会します。
# RDAP でステータスを確認する(rdap.org は適切な RDAP サーバーへ転送する公開サービス)
curl -sL https://rdap.org/domain/example.com | jq '.status'
# WHOIS が使える TLD ではこちらでも確認できる
whois example.com | grep -iE 'status|registrar:'
status に client hold(WHOIS では clientHold)が含まれている場合、レジストラによってドメインの名前解決が止められている状態です。正確性の確認が済んでいないことが理由の一つとして考えられるので、レジストラからの連絡を探し、管理画面で状況を確認します。
点検するタイミング
年に1回の見直し依頼のメールが届いたときのほか、次のような変化があったときに点検します。
- 事務所の移転、電話番号の変更
- 担当者の退職・異動
- 会社のメールアドレスのドメインを変えたとき
- ドメインを別のレジストラに移管したあと
- サイトの運営者が個人から法人に変わったとき
登録者の氏名・組織名・メールアドレスを変えると、gTLD では移管の制限が一定期間掛かることがあります。移管の予定と重なる場合は、順番をレジストラに相談します。
他人のドメインの情報が不正確だと思ったら
詐欺サイトなどの登録者情報が明らかに虚偽だと思われる場合、gTLD であれば ICANN のコンプライアンス窓口に、登録データの不正確さについて申し立てができます。まずはそのドメインのレジストラの窓口(不正利用の報告先)に連絡するのが一般的です。.jp ドメインの場合は JPRS の案内に従います。申し立ての際は、照会結果や不正確だと判断した根拠を具体的に示します。
WordPress サイトの運営で気をつけること
サイトの制作会社やレンタルサーバーの会社がドメインを取得した場合、登録者情報がその会社の情報になっていることがあります。正確性の確認メールが制作会社に届き、対応されないままドメインが止まると、サイトもメールも使えなくなります。自社のドメインの登録者情報が誰の名前で、確認の連絡がどこに届くのかは、運営する側で把握しておく必要があります。
まとめ
- WHOIS精度ポリシーは、gTLD では ICANN の RAA とレジストラの規約、.jp では JPRS の登録規則に定められています。
- 規則の原文、レジストラの運用、自分の契約の状態の3層で確認します。
- 管理画面で登録者情報を項目ごとに見直し、特にメールアドレスが受信できるかを確かめます。
clientHoldが出ていれば、確認の未対応などで停止されている可能性があります。- 移転・担当交代・移管などのタイミングで点検し、確認の連絡が届く先を運営側で把握しておきます。