2026年6月16日
2026年6月16日
WordPressでプライバシーポリシーページを作成・生成する方法|標準機能の使い方と書くべき項目
WordPressには、プライバシーポリシーのひな形を下書きページとして自動生成する標準機能があり、管理画面の「設定」→「プライバシー」から数クリックで作れます。ただし、生成される文章は英語圏向けの汎用的な例文で、日本の個人情報保護法の要件にそのまま沿うものではありません。この記事では、標準機能でページを作る手順、サイトの実態に合わせて書き直すときの確認項目、フッターやログイン画面にリンクを表示する方法までを解説します。
なお、この記事は一般的な作業手順の解説であり、法的な助言ではありません。法令の要件は個人情報保護委員会の公式情報で確認し、判断に迷う点は弁護士などの専門家に相談してください。
WordPress標準のプライバシーポリシー機能
WordPress 4.9.6 以降には、プライバシー関連の機能がコアに組み込まれています。主なものは次の3つです。
- プライバシーポリシーページの指定:どの固定ページをプライバシーポリシーとして扱うかを設定します。新規作成を選ぶと、例文入りの下書きページが作られます。
- ポリシーガイド:WordPress本体や、対応しているプラグインが「このプラグインはこういうデータを扱う」という説明文を提示する画面です。
- 個人データのエクスポートと消去:「ツール」メニューから、特定のメールアドレスに紐づく個人データを書き出したり消去したりできます。
ここで言う「自動生成」は、あくまでひな形の作成です。サイトで実際にどんな情報を集めているかをWordPressが判定して文章を組み立てるわけではないので、生成後の書き直しが作業の中心になります。
手順1:プライバシーポリシーページを作成する
管理画面の「設定」→「プライバシー」を開くと、プライバシーポリシーページに関する設定が表示されます(2026年10月現在の画面表記に基づく説明で、バージョンによって文言や配置が異なる場合があります)。
選択肢は2つです。
- 新しいページを作成する:作成ボタンを押すと、例文入りの固定ページが「下書き」として作られ、そのままプライバシーポリシーページに指定されます。
- 既存のページを使う:すでに自分で書いたページがある場合は、プルダウンから選んで指定します。
新しく作った場合、ページはまだ下書きのままです。公開されるまで訪問者からは見えず、後述するログイン画面のリンクも表示されません。
既存の運用サイトで別のプラグインやテーマが「プライバシーポリシー」というページをすでに作っていることもあります。同じ内容のページが2つ公開されていると、どちらが正しいのか分からなくなるので、「固定ページ」一覧で重複を確認してから指定してください。
手順2:ポリシーガイドで、プラグインが扱うデータを確認する
プライバシー設定画面からリンクされているポリシーガイドには、WordPress本体と、対応プラグインが提示する説明文がまとめて表示されます。お問い合わせフォーム、アクセス解析、EC系のプラグインなどが、保存するデータや外部に送るデータの説明を載せていることがあります。
ガイドの文章はそのまま貼り付けるためのものではなく、「このプラグインがこういうデータを扱っている」と気づくための材料として使います。ガイドに何も出てこないプラグインでも、データを扱っていないとは限りません。各プラグインの公式説明やドキュメントも合わせて確認してください。
自作プラグインを配布している場合は、wp_add_privacy_policy_content() を使ってガイドに説明文を追加できます。
<?php
/**
* 自作プラグインのデータの扱いをポリシーガイドに表示する
*/
add_action( 'admin_init', function () {
if ( ! function_exists( 'wp_add_privacy_policy_content' ) ) {
return;
}
$content = '<p>このプラグインは、お問い合わせフォームに入力された氏名とメールアドレスをデータベースに保存します。保存したデータは管理者のみが閲覧できます。</p>';
wp_add_privacy_policy_content(
'My Contact Plugin',
wp_kses_post( wpautop( $content, false ) )
);
} );
admin_init で呼び出すのは、この関数が管理画面での処理を前提としているためです。プラグイン名の部分はガイド上の見出しになるので、利用者が見て分かる名前にします。
手順3:サイトの実態に合わせて本文を書き直す
ひな形の例文は、コメント、メディア、Cookie、埋め込みコンテンツ、アクセス解析などの項目を一般的に説明したものです。書き直しの前に、まず「自分のサイトで実際に何を集めているか」を棚卸しすると作業が進みます。
棚卸しで確認すること
WordPressサイトで個人に関する情報が集まりやすい場所は、おおむね次のとおりです。
- コメント:WordPressは投稿者の名前・メールアドレスに加え、IPアドレスとブラウザーのユーザーエージェントを保存します。Gravatarを表示している場合は、メールアドレスから作られた文字列が外部サービスに送られます。
- お問い合わせフォーム:入力内容をメールで送るだけか、データベースにも保存するかをプラグインの設定で確認します。
- 会員登録・ログイン:ユーザー登録を受け付けている場合、アカウント情報とログイン用のCookieが関係します。
- アクセス解析・広告タグ:Googleアナリティクスなどのタグや広告配信のタグは、閲覧情報を外部の事業者に送ります。
- 埋め込みコンテンツ:YouTube動画やSNS投稿の埋め込みは、表示した時点で閲覧者のブラウザーが外部サイトと通信します。
- ECサイト:WooCommerceなどでは、氏名・住所・電話番号・購入履歴を扱い、決済代行会社とも情報をやり取りします。
テーマのテンプレートにアクセス解析のコードを直接書いている場合など、プラグイン一覧を見ただけでは分からない送信もあります。ブラウザーの開発者ツールの「ネットワーク」タブでページを読み込み、どの外部ドメインと通信しているかを見ておくと漏れを減らせます。
日本向けのサイトで一般的に記載されている項目
国内の事業者のプライバシーポリシーでは、一般的に次のような項目が書かれています。
- 事業者の名称・住所・代表者
- 取得する個人情報の種類と取得方法
- 個人情報の利用目的
- 第三者提供と外部への委託についての方針
- 安全管理のために講じている措置
- 開示・訂正・利用停止などの請求への対応方法
- Cookieやアクセス解析ツールの利用について
- 問い合わせ窓口と、改定した日付
どの項目が法令上の義務にあたるか、どこまで具体的に書く必要があるかは、事業の内容や扱う情報によって変わります。個人情報保護法の考え方や、事業者が公表すべき事項については、個人情報保護委員会(https://www.ppc.go.jp/)のガイドラインやQ&Aが一次情報です。
Cookieや広告タグで利用者の情報を外部に送っている場合は、電気通信事業法の外部送信規律が関係することもあります。対象になる事業者かどうかの判断も含め、総務省の公式情報を確認してください。EU圏の利用者を対象にしている場合はGDPRなど海外の規制が関わります。
手順4:公開して、リンクを設置する
内容が整ったら、固定ページを公開します。WordPressにはプライバシーポリシーページへのリンクを出力する関数があり、ページが公開されていればログイン画面の下部にもリンクが自動で表示されます。
フッターやメニューに表示する
ブロックテーマを使っている場合は、「外観」→「エディター」でフッターのテンプレートパーツを開き、ナビゲーションブロックにページを追加します。クラシックテーマでは「外観」→「メニュー」でフッター用のメニューにページを加えるのが手軽です。
テーマのテンプレートに直接書きたい場合は、the_privacy_policy_link() を使います。
<?php
// footer.php などに記述。ページが未指定・未公開の場合は何も出力されない
the_privacy_policy_link( '<p class="privacy-policy-link">', '</p>' );
?>
この関数は、指定されたページが公開されていなければ空の出力になるため、「下書きのままのページにリンクしてしまう」事故を防げます。子テーマで編集する前は、テーマファイルのバックアップを取ってください。
公開後の確認
公開したら、次の点を見ておきます。
- ログアウトした状態でページが表示されるか
- フッターのリンクとログイン画面のリンクが正しいページを指しているか
- お問い合わせフォームの近くなど、情報を入力してもらう場所からリンクをたどれるか
noindexを設定するプラグインの対象になっていないか(検索結果に出す必要があるかは方針次第です)
運用で気をつけること
プライバシーポリシーは一度作って終わりではありません。アクセス解析ツールを変えた、お問い合わせフォームをデータベース保存型に変えた、広告を入れた、といった変更のたびに記載内容とのずれが生まれます。プラグインを追加するときの確認項目に「プライバシーポリシーの更新が必要か」を入れておくと、ずれに気づきやすくなります。
改定したときは、本文の末尾に改定日を記載します。どこを変えたか後から追えるよう、固定ページのリビジョン機能を有効にしておくのも有効です。
また、「ツール」→「個人データのエクスポート」「個人データの消去」は、利用者から開示や削除を求められたときの実務に使えます。ポリシーに請求方法を書くなら、実際にこの機能で対応できるかを一度試しておくと安心です。
まとめ
- 「設定」→「プライバシー」から、例文入りのプライバシーポリシーページを下書きとして作成できます。
- 例文は汎用的なひな形なので、コメント・フォーム・解析タグ・埋め込みなど、サイトで実際に集めている情報を棚卸ししてから書き直します。
- 記載すべき事項の判断は、個人情報保護委員会などの公式情報を一次情報とし、必要に応じて専門家に確認します。
the_privacy_policy_link()やナビゲーションブロックでフッターにリンクを設置し、公開後はログアウト状態で表示を確認します。- プラグインや解析ツールを変えたら記載内容も見直し、改定日を残します。