2026年8月2日
2026年8月2日
Xserverドメインから Cloudflare Registrar へ移管する手順|先に DNS を Cloudflare へ移す理由と注意点
Xserverドメインから Cloudflare Registrar へドメインを移管するには、まずドメインを Cloudflare に追加してネームサーバーを Cloudflare に切り替え、そのあとで Xserverドメイン側の認証コードを使って移管を申し込みます。一般的な移管と違い、Cloudflare Registrar は「Cloudflare の DNS を使っていること」が前提になっているため、DNS の移行が手続きの最初の段階になります。この記事では、移管前の確認から、Cloudflare での DNS の準備、Xserverドメインと Cloudflare での操作、完了後の設定までを順に説明します。
両社の画面の表記や配置は変わることがあるため、操作は目的ごとに書いています。具体的な表示は各社のヘルプで確認してください(2026年10月現在の情報をもとにしています)。料金は TLD や時期で変わるため扱いません。
Cloudflare Registrar の前提を理解する
移管を決める前に、Cloudflare Registrar の特徴を押さえておきます。
- Cloudflare の DNS を使い続けることが条件:Cloudflare Registrar で管理するドメインは、原則としてネームサーバーを Cloudflare のものから変えられません。将来、ほかの DNS サービスに移したくなった場合は、ドメインごと別の事業者へ移管することになります。
- 扱える TLD が限られる:.com や .net などの主な gTLD は対象ですが、すべての TLD を扱っているわけではありません。.jp は長く対象外とされてきたため、Cloudflare の対応 TLD 一覧で、移管したいドメインの TLD が含まれているかを最初に確かめます。
- 移管で有効期限が1年延びる:gTLD の移管では、移管の費用に1年分の更新が含まれるのが一般的です。残りの期間は失われません。
Xserverドメイン側で確認すること
移管できる状態か
- 新規登録や前回の移管から日が浅くないか:gTLD は、ICANN のルールにより登録や移管の直後から一定期間(一般に60日)移管できません。登録者情報を変えた後にロックがかかる場合もあります。ICANN では移管ポリシーの見直しが進められているため、最新の条件を確認します。
- 有効期限に余裕があるか:期限の1か月以上前に始めると、手続きの途中で期限を迎える心配がありません。
- サーバー契約の特典で取得したドメインではないか:エックスサーバーのレンタルサーバー契約の特典として取得したドメインは、移管や更新の扱いが通常の契約と異なる場合があります。特典の条件を Xserver のヘルプで確認してから進めます。
いまどこで DNS を運用しているか
Xserverドメインのドメインでも、DNS を担当しているのはエックスサーバー(レンタルサーバー)のネームサーバーであることがよくあります。この場合、サーバーにドメインを追加したときに作られたレコード(Web サーバーの A レコード、メールの MX レコード、SPF の TXT レコードなど)が、エックスサーバーの DNS に入っています。これらを漏れなく Cloudflare に写すことが、移行の中心になります。
dig +short example.com NS
dig +noall +answer example.com A
dig +noall +answer www.example.com A
dig +noall +answer example.com MX
dig +noall +answer example.com TXT
dig +noall +answer _dmarc.example.com TXT
DKIM のレコードは「セレクタ名._domainkey.example.com」という名前なので、メールの設定画面でセレクタ名を確かめて個別に控えます。サーバーパネルの DNS レコード設定の画面も、一覧として控えておくと照らし合わせに使えます。
手順1:Cloudflare にドメインを追加し、レコードを揃える
- Cloudflare のアカウントを作成(または既存のアカウントにログイン)し、二要素認証を有効にします。ドメインの登録事業者になるアカウントなので、保護を後回しにしません。
- ドメインを Cloudflare に追加します。無料のプランでも Registrar は利用できます。
- 追加の際、Cloudflare が既存のレコードを読み取って取り込みます。ただし、すべてのレコードが取り込まれるとは限りません。控えておいた一覧と見比べ、足りないものを手で追加します。
プロキシは最初は「DNS のみ」にしておく
Cloudflare のレコードには、通信を Cloudflare 経由にする「プロキシ」の設定があります。移行の段階では、次の理由からいったん DNS のみ(プロキシなし)で始めると、問題が起きたときに原因を切り分けやすくなります。
- MX が指すメールサーバーのホスト名は、プロキシを通すとメールが届かなくなります。メール関連は DNS のみにします。
- エックスサーバーの無料独自 SSL は、証明書の更新時にサーバーへの到達を確認します。プロキシの設定によっては更新に影響することがあります。
- プロキシを有効にする場合は、Cloudflare の SSL/TLS の暗号化モードを「フル(厳密)」にします。「フレキシブル」のままにすると、WordPress でリダイレクトのループが起きやすくなります。
ドメインの移管が落ち着いてから、プロキシを有効にするかどうかを改めて決めます。
手順2:ネームサーバーを Cloudflare に切り替える
- エックスサーバーなど旧 DNS 側で DNSSEC を有効にしている場合は、先に無効にし、DS レコードの TTL が切れるまで待ちます。古い DS が残ったままネームサーバーを変えると、検証を行うリゾルバで名前解決が失敗します。
- Cloudflare の画面に表示される2つのネームサーバー(〜.ns.cloudflare.com)を控えます。割り当てはアカウントごとに異なるので、表示された名前をそのまま使います。
- Xserverアカウントにログインし、対象ドメインのネームサーバー設定を Cloudflare の2つに変更します。
変更後、Cloudflare がネームサーバーの切り替えを検知すると、ドメインが有効(Active)の状態になります。.com などの委任情報は TTL が長め(一般に48時間)なので、数時間から2日ほどかかることがあります。
dig +trace example.com NS | tail -n 8
dig @$(dig +short example.com NS | head -n 1) example.com MX +norecurse
Cloudflare 上で有効になり、サイトとメールが正常に動くことを確認してから次へ進みます。エックスサーバー側の DNS レコードは、キャッシュが切れるまで参照する利用者がいるため、すぐには消しません。
手順3:Xserverドメインでロックを外し、認証コードを取得する
Xserverアカウントのドメイン管理画面で、対象ドメインの移管ロック(ドメインロックなどの名称)を解除し、認証コード(AuthCode)を確認します。表示された認証コードは移管の鍵になるため、他人と共有せず、Cloudflare での入力が終わったら控えを削除します。
あわせて、登録者のメールアドレスが受信できるかを確認します。移管の通知や承認の依頼がこのアドレスに届くためです。Whois情報公開代行は、gTLD の移管では外さなくても進められることが多いものの、Xserver や Cloudflare の案内で指示がある場合はそれに従います。
手順4:Cloudflare で移管を申し込む
- Cloudflare のダッシュボードで、ドメイン登録(Domain Registration)の中にある移管の画面を開きます。手順2で有効になったドメインが、移管できる候補として表示されます。
- 対象のドメインを選び、手順3の認証コードを入力します。
- 登録者の連絡先を確認・入力し、支払い方法を登録して申し込みを確定します。
申し込み後、Xserverドメイン側から移管に関する通知が届くことがあります。案内に従って承認すると早く進む場合があり、何もしなければ一般には5日程度で完了します。この間に Xserverドメインでロックをかけ直すと移管は失敗するので、触らずに待ちます。
手順5:完了後の確認と設定
whois example.com | grep -iE "registrar:|expir|status"
curl -sL https://rdap.org/domain/example.com | head -c 2000
- 登録事業者が Cloudflare に変わっていること
- 有効期限が1年延びていること
- ステータスに移管ロックが付いていること
Cloudflare 側では、自動更新と支払い方法を確認します。DNSSEC は、Cloudflare Registrar のドメインであれば DNS の設定画面から有効にするだけで DS レコードの登録まで行われるのが一般的です。有効にした後、DNSViz などの診断サイトで検証が通るかを確かめます。
注意したいのは、エックスサーバーのレンタルサーバーでサイトを動かしている場合です。サーバーパネルに登録したドメインの設定は、ドメインの登録事業者とは別のものです。移管が終わっても、サーバー側のドメイン設定は削除しません。削除すると、サイトもメールも動かなくなります。
移管が進まないときの確認順
- Cloudflare の移管画面にドメインが出てこない:ドメインが Cloudflare 上で有効になっているか、TLD が対応しているかを確認します。
- 認証コードが違うと言われる:空白の混入や、作り直す前の古いコードを使っていないかを確認し、必要なら取り直します。
- ロック中と表示される:ロックの解除が反映されているか、登録や前回の移管から60日以上たっているかを whois の日付で確認します。
- 移管後にメールが届かない:MX のレコードがプロキシになっていないか、メール関連のレコードが漏れていないかを確認します。
まとめ
- Cloudflare Registrar は Cloudflare の DNS を使うことが前提なので、DNS の移行を最初に行います。
- 移管前に、対応 TLD、移管できない期間、有効期限、サーバー特典の条件を確認します。
- Cloudflare に追加したレコードは控えと見比べ、メール関連はプロキシなしにします。
- ネームサーバーを切り替えて有効になってから、認証コードを使って Cloudflare で移管を申し込みます。
- 完了後は自動更新と DNSSEC を設定し、エックスサーバー側のドメイン設定は残します。