2026年6月3日
2026年6月3日
CloudwaysでWordPressを始める設定方法(サーバー作成からSSL・バックアップまで)
Cloudways で WordPress を動かすには、まずクラウド事業者とサーバーの大きさを選んで「サーバー」を作り、その中に WordPress の「アプリケーション」を作成します。続いて独自ドメインの登録、SSL 証明書の発行、キャッシュとバックアップの確認を行えば、公開できる状態になります。この記事では、Cloudways 特有の「サーバー」と「アプリケーション」の関係を押さえながら、初期設定の順番と確認方法を説明します。
Cloudways の仕組みを先に理解する
Cloudways は、DigitalOcean や Vultr、AWS、Google Cloud などのクラウド上に仮想サーバーを用意し、その管理を代行するサービスです。利用者は OS やミドルウェアを自分で入れる必要がなく、管理画面から PHP のバージョン変更、キャッシュ、バックアップ、SSL などを操作できます。
設定で混乱しやすいのが、管理の単位が2階層になっている点です。
- サーバー: 仮想マシン1台。PHP のバージョン、メモリ上限、バックアップの頻度、SSH の接続許可などはここで決まる
- アプリケーション: サーバー上の WordPress 1つ。ドメイン、SSL、ステージング、アプリ単位の復元はここで操作する
1台のサーバーに複数のアプリケーションを置けますが、PHP のバージョンなどサーバー単位の設定はすべてのアプリケーションに影響します。対応状況の違うサイトを同居させる場合は、この点を考慮してください。選べるクラウド事業者、プラン、料金、管理画面の表記は変わることがあります(2026年10月現在)。
サーバーとアプリケーションを作成する
アカウントを作成したら、新しいサーバーの作成画面で次の項目を選びます。
- アプリケーションの種類として WordPress を選ぶ(WooCommerce 入りやマルチサイトの選択肢がある場合は用途に合わせる)
- アプリケーション名、サーバー名、プロジェクト名を入力する
- クラウド事業者、サーバーの大きさ、リージョンを選ぶ
リージョンは閲覧者に近い場所を選びます。日本向けのサイトなら東京リージョンが望ましいですが、事業者によって東京の有無が異なるため、選択画面で確認してください。サーバーの大きさは後から変更できる場合が多いものの、縮小には制約があることがあるので、最初は小さめで始めて負荷を見ながら上げるほうが無難です。
作成には数分かかります。完了すると、アプリケーションに cloudwaysapps.com のサブドメインを使った仮の URL が割り当てられ、そのアドレスで WordPress が表示されます。
接続情報を確認する
Cloudways には2種類の認証情報があります。
- マスター認証情報: サーバー全体に SSH/SFTP でアクセスできる。サーバーの管理画面で確認する
- アプリケーション認証情報: そのアプリケーションのディレクトリだけにアクセスできる。アプリケーションのアクセス情報の画面で作成する
制作会社や外部の担当者に作業を頼むときは、マスターではなくアプリケーション単位の認証情報を渡すと、他のサイトに触れられずに済みます。WordPress の管理画面の URL、管理者のユーザー名とパスワード、データベースの接続情報も、アプリケーションのアクセス情報の画面にまとまっています。
SSH で接続すると、WP-CLI がそのまま使えます。WordPress のファイルは、ホームディレクトリの applications 配下にあるアプリケーションごとのフォルダの public_html に置かれています。
cd ~/applications/your-app-folder/public_html
wp core version
wp option get home
wp plugin list --status=active
your-app-folder はアプリケーションごとにランダムな名前が付くため、管理画面のアクセス情報か ls ~/applications で確認してください。
独自ドメインを設定する
アプリケーションのドメイン管理の画面で独自ドメインを追加し、プライマリドメインに指定します。DNS サービス側では、ルートドメインと www の A レコードをサーバーのパブリック IP アドレスに向けます。IP アドレスはサーバーの管理画面に表示されています。
ドメインを変えたら、WordPress 側のサイトアドレスが新しいドメインになっているかを確認します。仮 URL のまま記事を作っていた場合は、データベース内に旧 URL が残っているので置換します。置換の前にバックアップを取り、まず --dry-run で件数を確認してください。
wp db export before-replace.sql
wp search-replace 'https://xxxx.cloudwaysapps.com' 'https://example.com' --dry-run
wp search-replace 'https://xxxx.cloudwaysapps.com' 'https://example.com'
xxxx.cloudwaysapps.com と example.com は、自分の仮 URL と独自ドメインに置き換えます。
SSL 証明書を発行する
アプリケーションの SSL 証明書の画面で Let's Encrypt を選び、メールアドレスと対象のドメイン(example.com と www.example.com など)を入力して発行します。DNS がまだ Cloudways のサーバーを向いていないと検証に失敗するため、dig example.com +short でサーバーの IP が返ることを確認してから実行してください。自動更新の設定が有効になっているかも合わせて確認します。
発行後は、http:// でアクセスしたときに https:// へ転送されるかをブラウザで確かめます。管理画面に HTTPS への転送を強制する設定がある場合はそれを使い、.htaccess に独自の転送ルールを重ねないようにすると、リダイレクトのループを防げます。
キャッシュを設定する
Cloudways の標準構成では、Nginx や Varnish によるサーバー側のキャッシュが用意されており、WordPress 側では Cloudways 製のキャッシュプラグイン「Breeze」が連携します。ほかのページキャッシュ系プラグインを追加すると、キャッシュが二重になって更新が反映されない原因になるので、基本は Breeze とサーバー側のキャッシュで運用します。
データベースへの問い合わせを減らしたい場合は、サーバーの設定画面にあるパッケージの一覧から Redis を有効にし、WordPress 側でオブジェクトキャッシュとして使います。ログイン中のユーザーや WooCommerce のカートのように、ページキャッシュを使えない画面の速度改善に効果があります。
バックアップとステージングを設定する
サーバーのバックアップ設定で、自動バックアップの頻度と保持期間を決めます。初期値のままにせず、更新頻度の高いサイトなら毎日、保持期間は少なくとも1〜2週間を目安にしてください。プラグインの大きな更新の前には、アプリケーション単位で手動のバックアップを取っておくと、そのアプリケーションだけを直前の状態に戻せます。バックアップの保存先や容量に応じた追加料金の扱いは、契約時に確認しておきます。
ステージングは、アプリケーションのメニューから本番のコピーを作れます。ステージングから本番へ反映するときに、データベースまで上書きするかどうかを選べる場合は特に注意してください。データベースを反映すると、ステージング作成後に本番で受けたコメントや注文が失われます。
セキュリティの初期設定
- Cloudways のアカウントで二段階認証を有効にする
- SSH/SFTP への接続を、作業する拠点の IP アドレスだけに制限する設定を使う
- 使わなくなったアプリケーション認証情報やチームメンバーは削除する
- WordPress の管理者パスワードを初期値から変更し、不要な管理者ユーザーを作らない
まとめ
- Cloudways は「サーバー」と「アプリケーション」の2階層。PHP やバックアップはサーバー単位、ドメインや SSL はアプリケーション単位で設定する
- リージョンは閲覧者に近い場所を選ぶ。東京の有無は事業者ごとに確認する
- 外部の作業者にはアプリケーション単位の認証情報を渡す。SSH では WP-CLI が使える
- 独自ドメインに切り替えたら、バックアップを取ってから仮 URL を
wp search-replaceで置換する - SSL は DNS の切り替わりを確認してから発行し、キャッシュは Breeze とサーバー側の仕組みに任せる