2026年9月5日

2026年9月5日

Namecheap からスタードメインへドメインを移管する手順|DNS とメール転送を止めない進め方

Namecheap からスタードメインへの移管は、Namecheap でドメインロックを外して認証コード(Auth Code / EPP コード)を受け取り、スタードメインでそのコードを入力して申し込む、という流れです。手続き自体は難しくありませんが、Namecheap の無料 DNS やメール転送に頼っていると、移管の完了と同時にサイトやメールが止まることがあります。この記事では .com などの gTLD を例に、Namecheap 特有の付帯サービスの扱い、DNS の切り替え、両社での操作、完了後の確認までを順に説明します。

両社とも管理画面の表記やタブの構成は変わることがあるため、操作は目的ごとに書いています。具体的なボタン名は各社のヘルプで確認してください(2026年10月現在)。

移管を始める前に確認すること

移管できる状態か

  • 登録・前回の移管から日が浅くないか:ICANN のルールにより、gTLD は新規登録や移管の直後の一定期間(一般に60日)は移管できません。登録者の氏名や組織名を変えた直後にロックがかかる場合もあります。ICANN では移管ポリシーの改定が進んでおり、期間や用語(認証コードの呼び方など)が変わる可能性があるので、申し込み前に最新の案内を確認します。
  • 有効期限まで余裕があるか:期限の直前や期限切れ後は手続きが複雑になります。期限の1か月以上前に始めると安心です。
  • スタードメインがその TLD の移管を受け付けているか:Namecheap で取れる TLD でも、スタードメイン側が転入に対応していないことがあります。対応 TLD と移管料金を先に確認します。

Namecheap の付帯サービスを洗い出す

ここが Namecheap からの移管で一番つまずきやすい点です。Namecheap に登録しているドメインでは、次のようなサービスを意識せずに使っていることがあります。

  • 無料のネームサーバー(BasicDNS など):ドメインが Namecheap にあることを前提に提供されているため、移管後は使えなくなるのが一般的です。
  • メール転送(Email Forwarding):独自ドメインのアドレス宛のメールを Gmail などへ転送する機能です。MX レコードが Namecheap の転送用サーバーを向いているため、DNS を移すと転送も止まります。
  • URL リダイレクト:管理画面で設定するリダイレクトは DNS レコードではなく Namecheap 側の転送機能です。DNS を移すと動かなくなります。
  • Private Email や SSL 証明書などの別契約:ドメインの移管とは独立した契約なので、移管しても自動では解約されません。続けるか、別サービスへ移すかを決めておきます。

移管で変わるのは「ドメインの登録をどの事業者が管理するか」だけですが、Namecheap のように DNS と付帯機能がまとまっている場合は、その中身を先に別の場所へ移しておく必要があります。

手順1:現在の DNS レコードを書き出す

Namecheap の管理画面で、対象ドメインの DNS 設定(Advanced DNS などのタブ)に登録されているレコードを控えます。あわせて dig で外から見える値も記録しておくと、切り替え後の比較に使えます。

dig +short example.com NS
dig +noall +answer example.com A
dig +noall +answer www.example.com CNAME
dig +noall +answer example.com MX
dig +noall +answer example.com TXT
dig +noall +answer _dmarc.example.com TXT

DKIM は「セレクタ名._domainkey.ドメイン」という名前で置かれているため、上のコマンドには出てきません。Google Workspace やメール配信サービスの管理画面でセレクタ名を確かめて個別に控えます。CAA や SRV を設定している場合も忘れずに控えます。

メール転送を使っていた場合は、MX が Namecheap の転送用ホストを向いているはずです。移行先では、メールサーバー(レンタルサーバーのメール機能や Google Workspace など)の MX に置き換えるか、移行先 DNS サービスのメール転送機能を使うかを決めます。URL リダイレクトは、Web サーバー側の 301 リダイレクトに置き換えるのが一般的です。

手順2:移管後も使い続ける DNS へ切り替える

移管を申し込む前に、DNS を「移管後も使い続けるネームサーバー」へ移します。移管の完了と DNS の切り替えが同時に起きると、どちらに原因があるのか分からなくなるためです。

移行先の候補は次のとおりです。

  • スタードメインの DNS 機能:スタードメインには無料のネームサーバーがありますが、移管前のドメインに設定できるかはスタードメインのマニュアルで確認します。移管完了後にしか使えない場合は、いったん下の選択肢を経由します。
  • レンタルサーバーの DNS:スターサーバーなど、WordPress を置いているサーバーのネームサーバーを使う方法です。サーバーのコントロールパネルでドメインを追加すると、レコードが自動で作られることがあります。
  • Cloudflare などの外部 DNS:レジストラに依存しないため、今後またレジストラを変えるときも DNS を触らずに済みます。

手順は次のとおりです。

  1. 移行先の DNS に、手順1で控えたレコードを登録します。
  2. 移行先の権威サーバーに直接問い合わせて、値が揃っているか確かめます。
dig @移行先のネームサーバー example.com A +norecurse
dig @移行先のネームサーバー example.com MX +norecurse
  1. Namecheap の管理画面で、ネームサーバーを「カスタム」の指定に変え、移行先のネームサーバー名を入力します。
  2. dig +trace example.com NS で委任先が切り替わったことを確認し、サイトとメールが動くことを確かめてから次へ進みます。

Namecheap で DNSSEC を有効にしている場合は、先に DS レコードを外し、TTL が切れるのを待ってからネームサーバーを変えます。古い DS レコードが残ったまま署名のない DNS に移ると、検証を行うリゾルバで名前解決が失敗します。

WordPress の SSL 証明書を DNS 認証(DNS-01)で自動更新している場合、Namecheap の API を使う設定になっていないかも確認します。DNS を移すと更新が失敗するので、移行先 DNS に対応したプラグインや設定に切り替えます。

手順3:Namecheap でロックを外し、認証コードを受け取る

  1. Namecheap にログインし、ドメイン一覧から対象ドメインの管理画面を開きます。
  2. 移管関連の設定がまとまったタブ(Sharing & Transfer など)で、ドメインロックを解除します。
  3. 同じ画面で認証コード(Auth Code)を請求します。画面に表示されるか、登録者のメールアドレスへ送られます。

二段階認証を設定しているアカウントでは、操作の途中で確認コードを求められることがあります。また、Namecheap の WHOIS プライバシー(Withheld for Privacy など)を使っていても、gTLD の移管では外さずに進められる場合が多いものの、手続きのメールが届かないときは一時的に外すと解決することがあります。

認証コードはドメインを動かすための鍵です。チャットやチケットにそのまま貼らず、申し込みが終わったら控えを削除します。

手順4:スタードメインで移管を申し込む

  1. スタードメインの管理画面(ネットオウルの会員アカウント)にログインします。
  2. ドメイン移管の申し込みページで、ドメイン名と認証コードを入力します。
  3. 移管料金を支払います。gTLD では、移管と同時に有効期限が1年延びるのが一般的です。
  4. 申し込み後、登録者のメールアドレスへ確認メールが届いた場合は、案内に従って承認します。

認証コードが誤っている、ロックが残っている、といった場合は申し込み後にエラーとして通知されます。その場合は手順3に戻って状態を確認し、改めて申し込みます。

手順5:完了まで待つ

申し込みが受け付けられると、Namecheap 側から移管の通知メールが届くことがあります。案内に承認の手段があれば、承認すると早く完了する場合があります。何もしなくても、ICANN のルールでは一般に5日程度で移管が進みます。

この間に Namecheap でロックをかけ直したり、連絡先を変更したりすると移管が失敗するので触らずに待ちます。状態は whois で追えます。

whois example.com | grep -iE "registrar:|status|expir"

ステータスに pendingTransfer が付いていれば手続き中です。

手順6:完了後の確認

  • 登録事業者(Registrar) がスタードメインの運営会社に変わっていること
  • 有効期限 が延長されていること
  • ネームサーバー が手順2で設定したものになっていること
  • ステータス に clientTransferProhibited などのロックが付いていること

あわせて、スタードメイン側で Whois 情報公開代行、更新の通知や自動更新、連絡先メールアドレスを見直します。WordPress サイトが表示されること、お問い合わせフォームのメールが届くこと、メール転送を置き換えた場合は外部から送ったテストメールが届くことも確認します。DNSSEC を使う場合は、ここで改めて署名を有効にし、DS レコードを登録します。

Namecheap の Private Email など別契約のサービスを使わなくなった場合は、自動更新を止めておかないと請求が続くことがあります。アカウントに残ったサービスも一度見直しておくと安心です。

まとめ

  • Namecheap では無料 DNS・メール転送・URL リダイレクトが移管後に使えなくなることが多いので、移管より先に別の場所へ移します。
  • 移管前に、登録からの経過日数、有効期限、スタードメインの対応 TLD を確認します。
  • DNSSEC や DNS 認証の SSL 更新を使っている場合は、ネームサーバーを変える前に対応を決めます。
  • Namecheap でロック解除と認証コードの取得、スタードメインでコードを入力して申し込み、5日程度待ちます。
  • 完了後は whois で登録事業者・期限・ネームサーバー・ロックを確認し、残った別契約を整理します。

お気軽にご相談ください

お見積りへ お問い合わせへ
▲