2026年5月24日
2026年5月24日
パブリックDNS(8.8.8.8/1.1.1.1)に切り替える手順|Windows・Mac・Linux・ルーター別
パソコンのDNSサーバーを Google Public DNS(8.8.8.8)や Cloudflare(1.1.1.1)に切り替えると、プロバイダのDNSサーバーに古いキャッシュが残っている場合でも、別の経路で名前解決の結果を確かめられます。設定はOSのネットワーク設定でDNSサーバーのアドレスを手動で指定するだけで、元に戻すのも簡単です。この記事では、Windows・Mac・Linux・ルーターでの切り替え手順と、切り替える前に知っておきたい注意点、確認方法を説明します。
主なパブリックDNSのアドレス
よく使われるものは次の2つです。プライマリとセカンダリの2つを組で設定します。
| サービス | IPv4 | IPv6 |
|---|---|---|
| Google Public DNS | 8.8.8.8 / 8.8.4.4 | 2001:4860:4860::8888 / 2001:4860:4860::8844 |
| Cloudflare | 1.1.1.1 / 1.0.0.1 | 2606:4700:4700::1111 / 2606:4700:4700::1001 |
Cloudflare には、マルウェアのドメインを遮断する 1.1.1.2 / 1.0.0.2 や、さらに成人向けサイトも遮断する 1.1.1.3 / 1.0.0.3 もあります。ほかに Quad9(9.9.9.9)なども知られています。提供内容やアドレスは各サービスの公式ページで確認してください(2026年10月現在)。
切り替える前に知っておきたいこと
社内ネットワークやVPNでは切り替えない
会社のネットワークやVPNに接続しているときは、社内DNSサーバーでしか引けない社内向けの名前(ファイルサーバーや社内システムなど)があります。パブリックDNSに切り替えると、それらに接続できなくなります。プライマリを社内DNS、セカンダリを 8.8.8.8 のように混ぜて設定するのも、社内の名前が時々引けなくなる原因になるため避けます。会社の端末は、情報システム部門の方針に従ってください。
切り替えで変わること
- プロバイダのキャッシュの影響を受けなくなる:サーバー移転直後に、プロバイダのDNSが古いIPアドレスを返し続けている場合の確認に役立ちます
- プロバイダが提供するフィルタリングが効かなくなる:プロバイダのDNSでフィルタリングを提供している場合、その機能は使えなくなります
- CDNの接続先が変わることがある:CDNは問い合わせてきたDNSサーバーの位置などから接続先を選ぶため、表示速度が変わることがあります
- 問い合わせ先の事業者が変わる:どのサイトの名前を調べたかという情報が、プロバイダではなく選んだ事業者に渡ります。各サービスのプライバシーポリシーを確認しておきます
また、ホテルや駅の公衆Wi-Fiでは、ログイン画面を表示させるためにそのネットワークのDNSを使う仕組みになっていることがあり、手動で指定していると接続画面が出ない場合があります。
Windows 11 で切り替える
設定画面から変更する場合の流れは次のとおりです(画面の表記は更新によって変わることがあります)。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開き、使っている接続(Wi-Fi またはイーサネット)を選ぶ
- 「ハードウェアのプロパティ」などの詳細画面で、「DNS サーバーの割り当て」の「編集」を選ぶ
- 「手動」に切り替え、IPv4 をオンにして、優先DNSと代替DNSにアドレスを入力して保存する
Windows 11 では、対応するDNSサーバーに対して DNS over HTTPS(暗号化)を選べる場合があります。
PowerShell(管理者)で変更することもできます。まず接続の名前を調べ、その名前を指定して設定します。
# 接続の名前(InterfaceAlias)を確認する
Get-NetAdapter
# DNSサーバーを指定する("Wi-Fi" は確認した名前に置き換える)
Set-DnsClientServerAddress -InterfaceAlias "Wi-Fi" -ServerAddresses ("1.1.1.1","1.0.0.1")
# 自動取得(DHCP)に戻す
Set-DnsClientServerAddress -InterfaceAlias "Wi-Fi" -ResetServerAddresses
Mac で切り替える
「システム設定」→「ネットワーク」で使っている接続を選び、「詳細」から「DNS」の項目を開きます。「+」ボタンでアドレスを追加し、元からあるアドレスは「−」で削除してから「OK」を押します。
ターミナルからも設定できます。
# サービス名を確認する
networksetup -listallnetworkservices
# DNSサーバーを指定する
sudo networksetup -setdnsservers Wi-Fi 1.1.1.1 1.0.0.1
# 指定を消して自動取得に戻す
sudo networksetup -setdnsservers Wi-Fi Empty
Linux で切り替える
最近のディストリビューションでは、/etc/resolv.conf は NetworkManager や systemd-resolved が自動で書き換えるファイルになっていることが多く、直接編集しても再起動などで元に戻ります。管理している仕組みの側で設定します。
デスクトップ(NetworkManager)の場合
# 接続名を確認する
nmcli connection show
# DNSを指定し、DHCPで配られるDNSを使わないようにする
sudo nmcli connection modify "接続名" ipv4.dns "1.1.1.1 1.0.0.1" ipv4.ignore-auto-dns yes
sudo nmcli connection up "接続名"
サーバーの場合
VPS などのサーバーでDNSを変える場合は、systemd-resolved の設定ファイル(/etc/systemd/resolved.conf)や、Ubuntu Server の netplan の設定など、環境ごとの方法があります。設定を誤るとサーバーが外部の名前を引けなくなり、WordPress の更新やメール送信、外部APIとの通信が止まります。変更前に設定ファイルを控え、コンソール接続など戻せる手段を確保してから作業してください。サーバー会社がDNSサーバーを指定している場合は、その案内を優先します。
ルーターで切り替える
家庭のルーターの管理画面で、DHCPで配るDNSサーバーをパブリックDNSに変更すると、つながっているすべての端末に反映されます。設定項目の名前や場所は機種ごとに異なるため、ルーターの取扱説明書を確認してください。端末側には、接続し直したときに新しい設定が配られます。
切り替わったかを確認する
nslookup example.com
結果の最初に表示される「Server」や「Address」が、設定したDNSサーバーのアドレスになっていれば切り替わっています。ルーターで設定した場合は、ここにはルーターのアドレスが表示されることがあります。
Cloudflare の場合は、ブラウザで https://1.1.1.1/help を開くと、1.1.1.1 を使えているかを確認できるページが表示されます。
切り替えたあとは、OSに古いキャッシュが残っていることがあるため、DNSキャッシュも消しておきます。確認が目的で一時的に切り替えた場合は、作業後に自動取得へ戻すのを忘れないようにします。
まとめ
- パブリックDNSは、OSのネットワーク設定でDNSサーバーのアドレスを手動指定するだけで切り替えられる
- Google は 8.8.8.8 / 8.8.4.4、Cloudflare は 1.1.1.1 / 1.0.0.1 を組で設定する
- 社内ネットワークやVPNでは切り替えない。社内DNSとパブリックDNSを混ぜて設定しない
- Linux は resolv.conf を直接編集せず、NetworkManager や systemd-resolved の側で設定する
- 切り替え後は nslookup の Server 表示で確認し、DNSキャッシュも消しておく