2026年6月18日
2026年6月18日
WordPressの管理者メールアドレスを安全に変更する手順
WordPressの管理者メールアドレスを変更するときは、先に新しいアドレスへメールが届く状態を作り、「サイトの管理者メール」と「管理者ユーザーのメール」の2つを、確認メールの承認を経て順に変えるのが安全な手順です。この記事では、2つのアドレスの違い、変更前の確認事項、管理画面での手順、メールが届かないときの代替手段と注意点を説明します。
「管理者メールアドレス」は2種類ある
WordPressには、似た名前で役割の違うメールアドレスが2つあります。片方だけ変えて安心してしまうのが、最もよくある見落としです。
- サイトの管理者メールアドレス:「設定」→「一般」にある項目で、データベースでは
wp_optionsテーブルのadmin_emailに保存されます。自動更新の結果、致命的エラー発生時のリカバリーモードの案内、新規ユーザー登録の通知など、サイトの運営に関する通知の宛先です - 管理者ユーザーのメールアドレス:「ユーザー」→「プロフィール」にある項目で、
wp_usersテーブルのuser_emailに保存されます。パスワードリセットのリンクはこちらに届きます
担当者の交代やドメイン変更が理由なら、両方を変える必要があります。特にユーザーのメールが古いままだと、パスワードを忘れたときに旧担当者のアドレスにリセットリンクが送られてしまいます。
変更前に確認すること
新しいアドレスにメールが届くか
どちらの変更も、新しいアドレスに確認メールが届き、そのリンクを開くまで反映されない仕組みになっています(WordPress 4.9以降)。メールが届かない環境では変更が完了しないため、先にサイトからのメール送信を確認します。
サーバー標準の送信では迷惑メール扱いになることが多いので、SMTPプラグインで認証付きの送信に切り替え、プラグインのテスト送信機能などで新しいアドレスに届くことを確かめてください。迷惑メールフォルダも見ておきます。
どのアドレスにするか
個人の私用アドレスではなく、組織が管理する共有アドレス(例: web-admin@example.com)にしておくと、担当者が替わっても引き継ぎが容易です。一方で、サイトと同じドメインのアドレスにすると、ドメインやメールサーバーの障害時に通知も受け取れなくなります。重要なサイトでは、別のドメインのアドレスを転送先に含めておくと安心です。
バックアップ
管理画面からの変更自体は危険な操作ではありませんが、後述のデータベースやWP-CLIでの変更に進む可能性もあるため、作業前にデータベースのバックアップを取っておきます。
手順1:サイトの管理者メールアドレスを変更する
「設定」→「一般」を開き、管理者メールアドレスの欄に新しいアドレスを入力して保存します。この時点では古いアドレスが有効なままで、欄の下に確認待ちである旨と、新しいアドレスが表示されます。
新しいアドレスに届いた確認メールのリンクを、管理者としてログインした状態のブラウザで開くと変更が完了します。完了すると、古いアドレスにも「管理者メールアドレスが変更された」という通知が送られます。この通知は乗っ取りに気づくための仕組みなので、旧アドレスもしばらく受信できる状態にしておくと、身に覚えのない変更を見逃しません。
確認待ちの間は、同じ画面から変更を取り消すこともできます(表記はバージョンにより異なります)。入力を間違えた場合は、取り消してから正しいアドレスで入力し直してください。
手順2:管理者ユーザーのメールアドレスを変更する
続いて「ユーザー」→「プロフィール」を開き、メールアドレスを新しいものに変更して保存します。自分のアカウントのメールを変える場合も、新しいアドレスに確認メールが送られ、リンクを開くまでは古いアドレスのままです。
複数の管理者がいる場合は、各自が自分のプロフィールで変更するのが基本です。他人のアカウントを管理画面から編集した場合は確認メールを経ずに変わることがあるため、本人に伝えてから行ってください。
変更後は一度ログアウトし、ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」から新しいアドレスにリセットメールが届くかを試すと、確認になります。実際にパスワードを変える必要はなく、メールが届くことを見ればよいです。
確認メールが届かないときの代替手段
メールの問題がすぐに解消できず、どうしても変更を急ぐ場合は、確認を経ずに書き換える方法があります。ただし、確認メールという安全装置を自分で外す操作なので、アドレスの入力ミスがそのまま反映され、旧アドレスへの通知も送られないことがある点に注意してください。
WP-CLIを使う
SSHでサーバーに入れるなら、WP-CLIが最も安全な代替手段です。
# 作業前にデータベースをバックアップ
wp db export backup-before-email-change.sql
# サイトの管理者メールアドレスを変更
wp option update admin_email web-admin@example.com
# ユーザーのメールアドレスを変更(1 はユーザーID。wp user list で確認)
wp user update 1 --user_email=web-admin@example.com
wp user update では、変更を知らせるメールを送らない指定もできますが、旧アドレスへの通知は不正な変更の検知に役立つため、特別な理由が無ければそのまま送られる設定にしておきます。コマンドのオプションはWP-CLIのバージョンで変わることがあるので、wp help user update で確認してください。
phpMyAdminで直接書き換える
WP-CLIが使えない場合の最終手段です。バックアップを取ったうえで、wp_options テーブルの option_name が admin_email の行と、wp_users テーブルの該当ユーザーの user_email を書き換えます。テーブル接頭辞が wp_ 以外に変更されていることもあるので、wp-config.phpの $table_prefix を確認してください。確認待ちの古い情報が残っている場合は、wp_options の new_admin_email の行も整理します。
変更後に見直しておくこと
- リカバリーモードの宛先:wp-config.phpで
RECOVERY_MODE_EMAILを定義している場合は、そちらが優先されます。旧アドレスが書かれていないか確認します - プラグイン独自の通知先:WooCommerceの注文通知、フォームプラグインの送信先、セキュリティプラグインの警告などは、それぞれの設定画面に別の宛先を持っていることがあります
- 定期的な確認画面:WordPress 5.3以降は、管理者メールアドレスが正しいかを確認する画面が一定期間ごとにログイン後に表示されます。新しいアドレスが表示されているかを確認してください
- 身に覚えのない変更:自分が変更していないのに旧アドレスへ変更通知が届いた場合は、不正アクセスの可能性があります。ただちにパスワードを変更し、管理者ユーザーの一覧と最近の変更を確認してください
いずれもバージョンや構成で挙動が変わることがあるため(2026年10月現在)、作業後は実際に通知が新しいアドレスに届くかを1つずつ確かめてください。
まとめ
- 管理者メールアドレスは「設定」→「一般」の
admin_emailと、プロフィールのuser_emailの2種類があり、両方を変える - 変更は新しいアドレスでの確認を経て反映されるため、先にSMTPなどでメールが届く状態にする
- 旧アドレスへの変更通知は乗っ取りの検知に役立つので、しばらく受信できるようにしておく
- 確認メールを経ないWP-CLIやphpMyAdminでの変更は、バックアップを取ったうえでの代替手段にとどめる