2026年9月2日
2026年9月2日
WordPressとDrip(MA)を連携する方法|トラッキングコード・フォーム・WooCommerce
WordPressとDrip(マーケティングオートメーション)を連携するには、Dripが発行するトラッキング用のJavaScriptをサイトの全ページに設置し、そのうえで登録フォームの設置、WooCommerceの購入データの連携、既存フォームからの登録を目的に応じて追加していきます。この記事では、それぞれの設定の流れ、Dripにデータが届いているかの確認方法、計測と同意に関する注意点を説明します。
Dripでできることと連携の全体像
Dripは、ネットショップ向けに作られたマーケティングオートメーション(MA)のサービスです。購読者や顧客ごとに、サイトでの行動や購入履歴を記録し、それをきっかけにメールを自動で送るといった使い方をします。
Dripの設定で中心になるのは次の要素です。
- 購読者(People):メールアドレスを持つ個人のデータ。タグやカスタムフィールドで属性を管理します。
- イベント:「商品ページを見た」「カートに商品を入れた」「購入した」などの行動の記録です。
- ワークフロー:「タグが付いたら」「購入したら」などのきっかけで、メール送信や待機、条件分岐を順に実行する自動化の仕組みです。
WordPressとの連携は、この購読者とイベントのデータをサイトからDripへ送るための作業です。主な経路は次の4つです。
- トラッキング用JavaScriptで、サイトの閲覧行動をDripに送る
- Dripのフォームで、メールアドレスを集める
- WooCommerceと連携して、顧客・注文・カートのデータを送る
- 既存のフォームプラグインから、自動化サービス経由で購読者を登録する
手順1:トラッキング用JavaScriptを設置する
Dripの管理画面には、サイトに設置するためのJavaScript(スニペット)を表示する画面があります。アカウントやサイトの設定に関するメニューの中にあることが多いですが、名称や場所は変わることがあるため、見つからない場合はDripのヘルプで設置方法を検索してください(2026年10月現在)。スニペットにはアカウントを識別するIDが含まれているので、表示されたものをそのままコピーします。
WordPressへの設置方法は、主に次の2つです。
- コード挿入用のプラグインを使う:ヘッダーやフッターにコードを追加できるプラグインに貼り付けます。テーマを変更しても設定が残り、管理画面だけで作業できます。
- 子テーマのfunctions.phpに書く:プラグインを増やしたくない場合の方法です。親テーマに直接書くと、テーマの更新で消えてしまいます。
functions.phpに書く場合の例です。Dripの案内でbody終了タグの直前に置くよう指示されている場合は wp_footer、head内の場合は wp_head を使います。サイト管理者の閲覧が計測データに混ざらないよう、管理者のアクセスでは出力しないようにしています。
add_action( 'wp_footer', function () {
// 管理者の閲覧は計測しない
if ( current_user_can( 'manage_options' ) ) {
return;
}
?>
<!-- ここにDripの管理画面でコピーしたスクリプトをそのまま貼り付ける -->
<?php
} );
functions.phpを編集する前には、ファイルのバックアップを取ってください。記述を誤るとサイトが表示されなくなることがあるため、FTPやファイルマネージャーで元に戻せる状態で作業します。
設置後は、ログアウトした状態(またはシークレットウィンドウ)でサイトを開き、ブラウザの開発者ツールのネットワークタブでDripのスクリプトが読み込まれているかを確認します。Dripの管理画面に設置状況を確認する表示がある場合は、そちらもあわせて見てください。キャッシュ系・高速化系プラグインでJavaScriptの遅延読み込みや結合を使っている場合は、Dripのスクリプトを対象から外すと動作が安定しやすくなります。
手順2:Dripのフォームを設置する
メールアドレスを集める入り口として、Dripのフォーム機能を使えます。フォームには、ページ内に埋め込む形式と、トラッキング用のスクリプトを使ってポップアップなどで表示する形式があります。どちらの形式が使えるかや設定項目は、Dripの管理画面で確認してください。
ページ内に埋め込む場合は、Drip側で発行されたコードを、ブロックエディターの「カスタムHTML」ブロックに貼り付けます。ポップアップ形式は、手順1のスクリプトが設置されていれば、Drip側の表示条件(表示するページ、タイミングなど)の設定で出し分けられる仕組みです。
フォームから登録した人にタグを付けておくと、ワークフローのきっかけに使えます。登録経路ごとにタグを分けると、どのフォームから何人登録したかも把握しやすくなります。
手順3:WooCommerceと連携する
Dripの強みが出るのが、WooCommerceとの連携です。顧客や注文、カートに関するデータがDripに送られるようになると、カゴ落ちした人へのリマインド、購入後のフォロー、購入回数や商品に応じた案内などをワークフローで組めます。
連携は、Dripの管理画面の連携(インテグレーション)に関する設定からWooCommerceを選び、案内に従って接続する方式が一般的です。連携方式によっては、WooCommerceの「設定」→「高度な設定」→「REST API」でAPIキーを発行して入力するよう求められることがあります。WordPress側にプラグインが必要かどうかは時期によって変わるため、Dripの公式ヘルプとプラグインディレクトリで現在の案内を確認し、作者が分からないプラグインは使わないようにしてください。
APIキーを発行するときは、連携に必要な権限だけを付け、キーを発行したユーザーや用途が分かるよう説明欄を入力しておきます。連携をやめるときは、WooCommerce側でキーを削除します。
動作確認は、可能であればステージング環境で行います。テスト注文を入れて、Dripの購読者一覧に顧客が追加されるか、注文のイベントが記録されるか、ワークフローが想定どおりに始まるかを確認してください。
手順4:既存のフォームプラグインから登録する
Contact Form 7、WPForms、Gravity Formsなど、すでに使っているフォームからDripに登録させたい場合は、Zapierなどの自動化サービスを経由する方法がわかりやすい選択肢です。「フォームが送信されたら、Dripに購読者を作成または更新し、タグを付ける」という流れを組みます。
フォームプラグインによっては、Webhookでフォームの内容を外部に送る機能やアドオンがあります。どの方法で送るにしても、問い合わせの送信者を同意なく購読者にしないことが大切です。「お知らせメールを受け取る」チェックボックスを設け、チェックした場合だけDripに送る条件を付けてください。
データが届かないときの確認ポイント
- ログアウトした状態で確認しているか(管理者を除外する設定をしている場合)
- スクリプトがキャッシュや最適化の設定で読み込まれなくなっていないか
- 同意バナーの設定で、同意前はスクリプトが止まる状態になっていないか
- WooCommerce連携のAPIキーが削除されたり、権限が不足したりしていないか
- 自動化サービス側のタスクがエラーで止まっていないか
計測・同意・配信停止の注意点
Dripのトラッキング用スクリプトは、Cookieなどを使って訪問者の行動を記録します。プライバシーポリシーに、利用している外部サービス、取得する情報、利用目的を追記しておきます。同意バナーを使っているサイトでは、同意管理のプラグインでDripのスクリプトをどの分類として扱うかを決め、同意前の読み込みをどうするかを設定してください。
メール配信については、フォームで確認メール(ダブルオプトイン)を使える設定があれば有効にし、いつどの経路で登録したかを記録として残します。Dripから送るメールの配信停止リンクは、テンプレートを編集するときに削除しないようにします。求められる対応は国や地域によって異なるため、個別の判断が必要な場合は専門家に相談してください。
まとめ
- Drip連携の土台は、トラッキング用JavaScriptを全ページに設置すること。管理者の閲覧を除外し、ログアウト状態で読み込みを確認する
- フォームは埋め込み形式とポップアップ形式があり、登録経路ごとにタグを分けるとワークフローに使いやすい
- WooCommerce連携はDripの連携設定から行う。必要なプラグインの有無は公式ヘルプとプラグインディレクトリで確認する
- 既存のフォームからは、Zapierなどの自動化サービスやWebhook経由で登録できる
- 計測スクリプトはプライバシーポリシーと同意バナーの設定に反映し、購読は同意した人だけにする