2026年7月29日

2026年7月29日

WordPressで学校・教育機関サイトを構築する方法|オンライン講座の導入まで

学校や塾、教室などの教育機関サイトをWordPressで作るときは、「受験生・在校生・保護者」など見る人ごとに必要な情報へすぐたどり着ける構成を最初に作ることが重要です。この記事では、ページ構成とお知らせの分類の決め方、テーマ選び、イベント申し込みやオンライン講座(LMS)の実現方法、複数の教職員で更新する運用、公開前チェックまでを順に解説します。読み終えるころには、自分たちで更新し続けられる教育機関サイトの骨組みを組み立てられるようになります。

誰が見るサイトかを整理する

教育機関サイトの訪問者は、目的がはっきり分かれています。

  • 受験生・入学検討者:学校の特色、コース内容、入試日程、オープンキャンパス
  • 在校生・受講生:行事予定、休講や連絡事項、オンライン教材
  • 保護者:学校からのお知らせ、緊急連絡、各種書類
  • 地域・企業・採用希望者:学校概要、連携の窓口、教職員の採用情報

この分類をもとに、グローバルメニューに「受験生の方へ」「在校生の方へ」「保護者の方へ」のような入り口を用意すると、訪問者が自分向けの情報を探しやすくなります。

情報設計:固定ページ・お知らせ・カスタム投稿タイプ

固定ページで作るもの

内容があまり変わらない情報は固定ページで作ります。

  • 学校案内(理念・沿革・校長あいさつなど)
  • 学科・コース紹介
  • 入学案内・入試情報
  • アクセス
  • お問い合わせ・資料請求
  • 採用情報
  • プライバシーポリシー

固定ページは親子関係を設定できるため、「学校案内」の下に「理念」「沿革」を置くと、URLとパンくずリストも階層どおりに整います。編集画面の右側の設定パネルで親ページを選べます。

お知らせは投稿とカテゴリーで分ける

日々のお知らせは通常の「投稿」を使い、カテゴリーを「入試情報」「行事」「在校生向け」「保護者向け」「重要なお知らせ」のように対象や種類で分けます。カテゴリーごとに一覧ページができるため、受験生向けページには「入試情報」カテゴリーの最新記事だけを並べる、といった使い方ができます。ブロックテーマならクエリーループブロックでカテゴリーを指定して表示できます。

カスタム投稿タイプが向いている情報

入力項目が決まっていて件数が増えていく情報は、カスタム投稿タイプに分けると管理しやすくなります。

  • イベント・オープンキャンパス:開催日・会場・申込方法
  • 講座・コース:対象学年・期間・担当講師(塾や社会人向け講座の場合)
  • 教員紹介:担当科目・プロフィール

日付で並べたいイベント情報は、イベント管理用のプラグイン(The Events Calendar など)を使うと、カレンダー表示や開催日順の一覧を作れます。

テーマの選び方

テーマはブロックテーマとクラシックテーマのどちらでも構築できます。ブロックテーマはサイトエディターでヘッダーやトップページを直接編集でき、デザインの統一を保ちやすい点が利点です。クラシックテーマは、既存の学校向けテンプレートや制作会社の資産を活かしたい場合に選ばれます。

教育機関サイトでは、特に次の点を確認します。

  • アクセシビリティ:文字の大きさ、背景と文字のコントラスト、キーボード操作、画像の代替テキストに配慮されているか
  • スマートフォン表示:保護者や生徒の多くはスマートフォンで見るため、お知らせ一覧と本文が読みやすいか
  • 更新状況:開発元が継続してアップデートしているか

公的な性格を持つ教育機関では、誰にとっても使いやすいサイトであることが求められます。見出しの階層を正しく使う、PDFだけで情報を出さずに本文にも書く、といった基本を編集ルールに入れておきます。

必要な機能と実現方法

申し込み・資料請求フォーム

オープンキャンパスの申し込みや資料請求は、Contact Form 7 や WPForms などのフォームプラグインで作れます。氏名・連絡先・学年などの個人情報を扱うため、サイト全体をHTTPS化し、送信内容を受け取る担当者と保管期間を決めておきます。テスト送信で担当者に届くことと、申込者への自動返信を確認します。

在校生・保護者向けの限定ページ

公開範囲を限定したい情報には、いくつかの方法があります。

  • 固定ページや投稿の公開状態を「パスワード保護」にする(手軽だが、パスワードを知っていれば誰でも見られる)
  • 会員制サイト用のプラグインで、ログインしたユーザーにだけ表示する
  • 学校で使っている学習管理システムや連絡サービスにリンクし、WordPressには置かない

個人情報や成績など機微な情報は、WordPressの公開サイトに置かず、専用のシステムで扱うことを基本にします。

オンライン講座(LMS)の導入

動画講座や課題、テストをWordPress上で提供したい場合は、LMS(学習管理システム)プラグインを使います。代表的なものに LearnDash、LifterLMS、Tutor LMS、Sensei LMS があります(2026年10月現在)。いずれも「コース → レッスン → テスト」という構造で教材を作り、受講者の進捗を記録できます。無料で使える範囲や有料版の機能はプラグインごとに異なるため、次の観点で比較してから選びます。

  • 受講者の登録方法(管理者が登録するか、受講者が自分で登録するか)
  • 有料講座として販売するか、無料で配布するか
  • テスト・修了証・進捗表示など、必要な機能が標準で入っているか
  • 日本語での表示や、使っているテーマとの相性

講座の動画は、WordPressのメディアライブラリに直接アップロードするとサーバーの容量と通信量を圧迫します。動画配信サービスに置き、限定公開の設定にしたうえで講座ページに埋め込む方法が一般的です。LMSは機能が多く設定項目も多いため、本番サイトに入れる前にステージング環境で一通りの受講の流れを試してください。

運用:複数の教職員で更新する仕組み

権限グループと承認の流れ

教職員がそれぞれ記事を書く場合、全員を管理者にするのは避けます。WordPress標準の権限グループを使い分けると、公開前の確認を仕組みにできます。

  • 管理者:サイト担当者のみ
  • 編集者:広報担当など、記事を確認して公開する人
  • 寄稿者:各部署や担任など、記事を書いて提出する人

寄稿者が書いた記事は「レビュー待ち」として提出され、編集者が確認してから公開します。生徒の名前や顔が写った写真が含まれていないか、日付や会場に誤りがないかをこの段階で確認します。

写真と個人情報の扱い

行事の写真を掲載する場合は、本人や保護者の同意の取り方を学校として決めておきます。同意が取れていない生徒が写っている写真は使わない、顔が判別できない写真を選ぶ、などのルールを編集者が判断できるよう文書にしておくと安全です。

緊急時のお知らせ

休校や警報などの緊急連絡は、トップページの目立つ位置にすぐ出せるようにしておきます。「重要なお知らせ」カテゴリーの最新記事をトップページ上部に表示する設定にしておくと、記事を1本公開するだけで反映されます。

バックアップ・更新・アクセス集中

  • データベースとアップロード画像を毎日自動でバックアップし、サーバー外にも保存する
  • 本体・テーマ・プラグインの更新前にバックアップを取り、更新後に主要ページを確認する
  • 入試結果の発表や緊急連絡の直後はアクセスが集中しやすいため、ページキャッシュを有効にしておく

担当者の異動があっても運用が止まらないよう、管理画面の操作手順と連絡先をまとめた引き継ぎ資料を作っておきます。

公開前チェックリスト

  • 受験生・在校生・保護者それぞれの入り口からの導線を確認した
  • 固定ページの親子関係とURLが意図どおりになっている
  • お知らせのカテゴリーと、トップページでの表示が意図どおり
  • フォームのテスト送信と自動返信を確認し、個人情報の保管ルールを決めた
  • 限定ページの公開範囲を、ログアウトした状態で確認した
  • 写真掲載の同意ルールと、記事の承認の流れを教職員に共有した
  • スマートフォンとキーボード操作で主要ページを確認した
  • バックアップの自動化と復元手順を確認した
  • 「設定 → 表示設定」で、検索エンジンにインデックスさせない設定が外れている

まとめ

  • 受験生・在校生・保護者など、見る人ごとの入り口を最初に設計する
  • 変わらない情報は固定ページ、お知らせは投稿とカテゴリー、イベントや講座はカスタム投稿タイプで管理する
  • テーマはアクセシビリティとスマートフォン表示を重視して選ぶ
  • オンライン講座はLMSプラグインで実現でき、機能と提供方法を比較して選ぶ。動画は外部サービスに置く
  • 寄稿者と編集者の権限を使い、写真や個人情報を公開前に確認する流れを作る

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