2026年5月29日
2026年5月29日
WordPressサイトがGoogleニュースに掲載されるための技術的・コンテンツ的要件
Google ニュースへの掲載は、申請すれば載るという仕組みではなく、Google のコンテンツポリシーを守った独自のニュース記事を継続して発信し、Google が記事を正しく認識できる状態にしておくことで、自動的に掲載の対象として検討される仕組みです。この記事では、満たしておくべきコンテンツ面の要件と、WordPress で整えるべき技術面の設定(日付・著者・構造化データ・ニュースサイトマップ)を順に説明します。掲載や表示位置は Google の判断で決まり、要件を満たしても掲載が保証されるわけではない点は前提としてください。
Googleニュースへの掲載の仕組み
Google ニュースや、検索結果の「トップニュース」に表示される記事は、Google のシステムが自動的に選んでいます。以前は Publisher Center からの申請が掲載の入口として紹介されることが多かったのですが、Google は掲載を自動的な判断に寄せる方向で仕組みを変えており、Publisher Center の役割も変わってきています(2026年10月現在)。現在の手続きや Publisher Center で何ができるかは、Google ニュースのヘルプ(パブリッシャー向け)で確認してください。
つまり、やるべきことは「申請の手順を探す」ことより、次の2つを満たすことです。
- コンテンツ面:Google ニュースのコンテンツポリシーに沿った、独自性があり透明性の高いニュース記事であること
- 技術面:記事が通常の Google 検索でクロール・インデックスされ、記事の日付・著者・見出しが機械的に読み取れること
この記事でいう「ニュース」は、出来事や新しい情報を報じる記事です。ハウツー記事や常に同じ内容が役立つ記事が中心のサイトは、通常の検索での評価は得られても、Google ニュースには載りにくい傾向があります。
コンテンツ面の要件
Google ニュースのコンテンツポリシーでは、危険なコンテンツ、欺瞞的な行為、ハラスメント、ヘイト、操作されたメディア、性的に露骨なコンテンツ、テロや暴力に関わるコンテンツなどが禁止されています。これらに当たらないことは最低限の条件です。そのうえで、評価に関わるのは次の点です。
透明性:Google は、ニュースの発信元について次の情報を明示することを求めています。
- 記事ごとの明確な日付(公開日、更新した場合は更新日)
- 記事ごとの署名(著者名)と、著者についての情報
- 発行元(会社・団体・編集部)の情報
- 連絡先
WordPress では、記事テンプレートに公開日・更新日・著者名を表示し、著者名から著者ページ(経歴や専門分野を書いたもの)へリンクする形が作りやすいです。運営者情報と問い合わせページも、全ページのフッターなどからたどれるようにしておきます。
独自性:他サイトの記事を書き換えただけのもの、プレスリリースの転載だけのもの、生成ツールで量産しただけのものは評価されにくくなります。一次情報、独自の取材、専門的な解説など、その記事でしか得られない情報を加えます。
更新日の扱い:内容を変えていないのに更新日だけを新しくする行為は避けてください。Google は日付の扱いについてのガイドで、実質的な変更がない場合に日付を更新しないよう案内しています。誤字の修正程度なら更新日を変えない、内容を追加・訂正したら更新日を変えて訂正の旨を書く、といった編集ルールを決めておくと運用がぶれません。
技術面の要件1:クロールとインデックス
Google ニュースに載る前提として、記事が通常の検索でインデックスされている必要があります。次の点を確認します。
- 記事ページに
noindexが付いていないか、robots.txt で記事のURLをブロックしていないか - 記事ごとに固有のURLがあり、本文がHTMLとして取得できるか(本文をJavaScriptだけで読み込む作りや、画像だけの記事は不利)
- Search Console の URL 検査で、記事がインデックス登録されているか
WordPress 5.7 以降は、検索エンジンへの表示を許可しているサイトでは robots メタタグに max-image-preview:large が既定で出力されます。大きな画像のプレビューは Google Discover などで使われるため、SEOプラグインやテーマの設定でこれを外していないかも見ておきます。
なお、トップニュースへの表示に AMP は必須ではなくなっています。AMP を使っていない場合でも、ページの表示速度や使いやすさを整えておくことは読者のために有効です。
技術面の要件2:記事の構造化データ
記事ページには、Article または NewsArticle の構造化データを入れておくと、Google が見出し・画像・日付・著者を正しく読み取りやすくなります。構造化データは掲載の必須条件ではありませんが、日付や著者の取り違えを防ぐ効果があります。Google が推奨しているプロパティは headline、image、datePublished、dateModified、author(name と url)などです。
まず、使っている SEO プラグインやテーマがすでに Article の構造化データを出力していないかを、ページのソースか Google のリッチリザルトテストで確認してください。出力されている場合は、プラグインの設定で記事の種類を NewsArticle に変えられるかを確認する方が、重複を避けられます。何も出力されていない場合に限り、次のようなコードで追加できます。
<?php
// 子テーマの functions.php か mu-plugin に記述
// SEOプラグインが Article を出力している場合は追加しないこと(重複の原因になる)
add_action( 'wp_head', function () {
if ( ! is_singular( 'post' ) ) {
return;
}
$post = get_queried_object();
$data = array(
'@context' => 'https://schema.org',
'@type' => 'NewsArticle',
'headline' => wp_strip_all_tags( get_the_title( $post ) ),
'datePublished' => get_the_date( 'c', $post ),
'dateModified' => get_the_modified_date( 'c', $post ),
'author' => array(
array(
'@type' => 'Person',
'name' => get_the_author_meta( 'display_name', $post->post_author ),
'url' => get_author_posts_url( $post->post_author ),
),
),
'publisher' => array(
'@type' => 'Organization',
'name' => get_bloginfo( 'name' ),
'url' => home_url( '/' ),
),
);
$image = get_the_post_thumbnail_url( $post, 'full' );
if ( $image ) {
$data['image'] = array( $image );
}
// JSON_HEX_TAG で < > をエスケープし、script 要素の途中終了を防ぐ
echo '<script type="application/ld+json">' . wp_json_encode( $data, JSON_UNESCAPED_UNICODE | JSON_HEX_TAG ) . '</script>' . "\n";
} );
構造化データの日付と、ページに表示している日付は一致させてください。表示は更新日だけ、構造化データは公開日だけ、のようにずれていると、Google がどちらを使うか判断しにくくなります。アイキャッチ画像は、Google の画像に関する推奨(十分な解像度、横幅の大きい画像)に沿ったものを用意しておくと、ニュースや Discover で大きく表示される余地が生まれます。
技術面の要件3:ニュースサイトマップ
ニュースサイトマップは、新しい記事を Google に素早く知らせるための、通常の XML サイトマップとは別形式のサイトマップです。Google の仕様では、直近2日以内に公開した記事だけを含め、1つのファイルに含められる記事は1,000件までとされています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9"
xmlns:news="http://www.google.com/schemas/sitemap-news/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/2026/10/sample-news/</loc>
<news:news>
<news:publication>
<news:name>サンプル新聞</news:name>
<news:language>ja</news:language>
</news:publication>
<news:publication_date>2026-10-18T09:00:00+09:00</news:publication_date>
<news:title>記事の見出し</news:title>
</news:news>
</url>
</urlset>
WordPress 本体のサイトマップ(/wp-sitemap.xml)はニュースサイトマップを出力しないため、プラグインを使うのが現実的です。無料の「XML Sitemap & Google News」プラグインや、主要な SEO プラグインのニュース向け機能(有料版や拡張機能として提供されているものがあります)が選択肢です。提供範囲は変わることがあるため、導入前に各プラグインの説明を確認してください。作成したニュースサイトマップは Search Console の「サイトマップ」から送信し、エラーが出ていないかを確認します。news:name は、サイト上で名乗っている媒体名と一致させます。
掲載後に確認すること
Search Console の「検索パフォーマンス」には、通常の検索結果とは別に「Google ニュース」のレポート(Google ニュースのサイトやアプリでの表示)が用意されています。また、検索結果のレポートで検索タイプを「ニュース」にすると、Google 検索の「ニュース」タブでの表示を確認できます。これらのレポートはデータがある場合に表示され、名称は変わることがあります。表示回数が出ていれば、掲載の対象になっています。何も表示されない場合は、次の順で見直します。
- 記事が通常の検索でインデックスされているか(URL 検査)
- 日付・著者・発行元の情報がページ上と構造化データの両方で読み取れるか
- ニュースサイトマップにエラーがなく、新しい記事が含まれているか
- 記事の内容が、出来事や新しい情報を伝えるニュースとして独自性を持っているか
掲載されるかどうか、どの位置に表示されるかは Google の判断で変わります。短期間の結果で判断せず、独自性のある記事を継続して出すことが基本です。
まとめ
- Google ニュースへの掲載は自動的な判断で、申請だけで載るものではない。Publisher Center の役割も変わっているため、最新のヘルプを確認する
- コンテンツ面では、ポリシーの順守に加え、日付・署名・著者情報・発行元・連絡先の明示と独自性が求められる
- 内容を変えずに更新日だけを新しくしない。訂正や追記のルールを決めておく
- 技術面では、インデックスの確認、Article/NewsArticle の構造化データ(重複に注意)、ニュースサイトマップを整える
- 掲載状況は Search Console の「Google ニュース」レポートや検索タイプ「ニュース」で確認し、要件を順に見直す