2026年5月29日
2026年5月29日
WordPressで「メンテナンス中」の表示が消えずログインできないときの直し方
更新作業のあとに「現在メンテナンス中のため、しばらくの間ご利用いただけません」といった表示が出たまま、サイトも管理画面も開けなくなることがあります。原因の大半は、更新中に作られる .maintenance というファイルが削除されずに残っていることで、このファイルを消せば表示は解除されます。この記事では、表示が出る仕組み、安全な解除手順、途中で止まった更新の後始末、表示が消えないときの別原因までを順に説明します。
なぜメンテナンス表示が出るのか
WordPress は、コア・プラグイン・テーマの更新を始めると、WordPress をインストールしたディレクトリ(wp-config.php があるのと同じ場所)に .maintenance というファイルを作ります。このファイルがある間は、サイトの表側も管理画面も、メンテナンス中の短いメッセージだけを返します。更新途中の不完全なファイルが読み込まれて、サイトが壊れた状態で表示されるのを防ぐためです。
更新が正常に終われば .maintenance は自動で削除されます。ところが、次のような理由で更新が途中で止まると、ファイルが残ったままになります。
- 更新中にブラウザを閉じた、または画面を移動した
- 複数のプラグインを一括更新している途中で、PHP の実行時間やメモリの上限に達した
- サーバーとの通信が途中で切れた
- ファイルの書き込み権限が足りず、更新処理がエラーで終わった
なお、表示される文言は WordPress のバージョンや言語設定によって多少異なります。英語環境では「Briefly unavailable for scheduled maintenance」と表示されます。
まず数分待ってみる
WordPress は、.maintenance に記録された作成時刻から10分以上経つと、ファイルが残っていてもメンテナンス表示を出さない仕組みになっています。更新を始めた直後であれば、処理がまだ続いている可能性もあるため、まずは10分ほど待ってから再読み込みしてください。
10分以上経っても表示が消えない場合や、すぐに復旧させたい場合は、次の手順でファイルを削除します。10分を過ぎても表示が続くなら、.maintenance 以外に原因がある可能性も高くなります(後半で説明します)。
.maintenance ファイルを削除する手順
FTP/SFTP やファイルマネージャーで削除する
- FTP/SFTP クライアント、またはレンタルサーバーのファイルマネージャーでサーバーに接続します。
- WordPress をインストールしたディレクトリ(
wp-config.php・wp-admin・wp-contentが並んでいる場所)を開きます。 .maintenanceを探して削除します。- ブラウザでサイトを再読み込みし、表示が消えたことを確認します。
ここでつまずきやすいのが、ファイルが見つからないケースです。名前がドットで始まるファイルは「隠しファイル」として扱われ、FTP クライアントやファイルマネージャーの初期設定では表示されないことがあります。設定で隠しファイルを表示するようにしてから探してください。
削除するのは .maintenance だけです。名前の似た .htaccess を誤って消すと、パーマリンクやサーバー設定が効かなくなるため、ファイル名をよく確認してください。
WP-CLI で解除する
SSH で WP-CLI が使える環境なら、次のコマンドで状態の確認と解除ができます。
# WordPressのインストールディレクトリで実行
wp maintenance-mode status
wp maintenance-mode deactivate
解除したあとにやること:止まった更新の後始末
メンテナンス表示が消えても、それで終わりではありません。更新が途中で止まった以上、ファイルが中途半端な状態になっている可能性があります。作業前に、ファイルとデータベースのバックアップを取ってください。
管理画面に入れて、サイトも正常な場合
「ダッシュボード」→「更新」を開き、更新が残っているものを1つずつ更新し直します。一括更新で止まった場合は、どのプラグインの途中で止まったかが分からないことが多いため、一覧で各プラグインのバージョンを確認し、古いままのものや表示がおかしいものを個別に更新してください。
更新したプラグインが壊れている場合
プラグインのファイルが一部だけ置き換わった状態だと、エラー画面や真っ白な画面になることがあります。その場合は、FTP/SFTP で wp-content/plugins/ 内の該当プラグインのフォルダ名を変更して無効化し、管理画面から入れるようにしてから、改めてインストールし直します。
WP-CLI では、公式ディレクトリのプラグインについて、ファイルが配布版と一致しているかを確認できます。
# コアファイルの改変・欠損を確認
wp core verify-checksums
# 公式ディレクトリから入れたプラグインを確認
wp plugin verify-checksums --all
不一致が出たプラグインは、wp plugin install プラグイン名 --force で同じバージョンを入れ直すと、ファイルが揃った状態に戻ります。
コアの更新で止まった場合
コアの更新が途中で止まると、もう一度更新しようとしたときに「別の更新が実行中」という趣旨のメッセージが出ることがあります。これは更新の二重実行を防ぐロックで、通常は15分ほどで解除されます。急ぐ場合は、WP-CLI で wp option delete core_updater.lock を実行してロックを外す方法もありますが、本当に更新処理が動いていないことを確認してから行ってください。
コアのファイルが壊れている場合は、同じバージョンの WordPress を公式サイトから入手し、wp-content フォルダと wp-config.php 以外を上書きアップロードすると修復できます。
10分以上経っても表示が消えないときの別原因
.maintenance を削除しても、あるいはファイルが見当たらないのに表示が続く場合は、次の原因を確認します。
- メンテナンスモード系のプラグイン:「準備中」「Coming Soon」などのページを出すプラグインが有効になっていると、ログインしていない人にはメンテナンス画面が表示されます。表示されている画面のデザインが WordPress 標準の簡素なものと違うなら、こちらを疑います。
- ページキャッシュやCDN:メンテナンス中に返された画面がキャッシュに残っていることがあります。キャッシュプラグインやCDNのキャッシュを削除してください。
- 独自のメンテナンス画面:
wp-content/maintenance.phpというファイルがあると、メンテナンス時にその内容が表示されます。表示の見た目が違うのはこのためかもしれません。ファイル自体は害のないものです。 - サーバー側のメンテナンス:レンタルサーバー会社の障害やメンテナンス情報も確認してください。
再発を防ぐために
- 更新の前にバックアップを取る習慣をつける
- 更新中はブラウザを閉じたり画面を移動したりしない
- プラグインを大量に一括更新せず、数個ずつ、または1つずつ更新する
- 更新のたびに止まる場合は、PHP の実行時間やメモリの上限を見直す
自動更新を使っている場合も、更新の失敗で同じ状態になることがあります。更新後にサイトが正常に表示されるかを確認する手段(監視サービスや通知メール)を用意しておくと、気づくのが早くなります。なお、画面の表記や WP-CLI の挙動は、一般的な WordPress 環境での例です(2026年10月現在)。
まとめ
- メンテナンス表示の正体は、更新中に作られる
.maintenanceファイル。更新が途中で止まると残る - 作成から10分経てば表示されなくなる仕組みのため、まずは少し待つ。急ぐ場合は FTP/SFTP で
.maintenanceを削除するか、wp maintenance-mode deactivateを実行する - 隠しファイル扱いで見えないことがある。
.htaccessと取り違えない - 解除後はバックアップを取り、途中で止まったプラグインやコアの更新をやり直す
- それでも消えない場合は、メンテナンス系プラグイン、キャッシュ、サーバー側の事情を確認する