2026年9月12日
2026年9月12日
WordPressのMemberPressで複数の会員プランを設定する方法|グループ・アップグレード・閲覧ルールの組み立て方
MemberPressで複数の会員プランを運用するときは、「メンバーシップ(プラン)を作る」「グループでプラン同士の関係を決める」「ルールでどのプランに何を見せるかを決める」の3段階で考えると整理しやすくなります。この記事では、ベーシック・プロのような段階型と、講座ごとに買う並列型の両方について、プラン設計から設定、決済のテスト、公開前の確認までを順に説明します。
MemberPressは有料のプラグインで、管理画面の項目名やエディションごとの機能はバージョンアップで変わることがあります。以下では設定項目を目的で説明し、画面上の表記は目安として扱います(2026年10月現在)。作業は本番サイトのバックアップを取ったうえで、ステージング環境で行ってください。
先にプランの関係を決める
MemberPressでは、1つの「メンバーシップ」が1つの販売単位です。料金、課金の周期、アクセス期間(無期限・一定期間・指定日まで)、無料体験の有無などをメンバーシップごとに持ちます。複数プランを作る前に、プラン同士がどういう関係なのかを決めておくと、後の設定で迷いません。
- 段階型:ベーシック、プロ、プレミアムのように上位プランが下位プランの内容を含む。会員は同時に1つだけ持つ
- 並列型:講座A、講座Bのように内容が独立していて、会員が複数を同時に購入できる
- 周期違い:同じ内容の月額版と年額版。実質的には段階型と同じく「どちらか1つ」を持たせる
多くのサイトはこれらの組み合わせになります。たとえば「プロ(月額)」「プロ(年額)」「ベーシック(月額)」は段階型の1グループにまとめ、単発の講座は別に並列で売る、という形です。紙に表を書き、縦にプラン、横に会員限定コンテンツを並べて、どのプランでどれが見られるかに丸を付けておくと、後述のルール設定がそのまま書き写せます。
メンバーシップを作成する
管理画面のMemberPressメニューにあるメンバーシップの一覧から、プランを1つずつ追加します。各プランで設定する主な項目は次のとおりです。
- 料金と課金タイプ:一回払いか、継続課金(月・年など)か
- アクセス期間:一回払いの場合に、無期限にするか、購入から一定期間で終わるか
- 無料体験:継続課金の最初の一定期間を無料または割引にするか
- 登録フォームの表示内容や、登録後に表示するメッセージ
つまずきやすいのは、同じ内容の月額版と年額版です。MemberPressでは周期が違えば別のメンバーシップとして作るのが基本なので、「プロ(月額)」「プロ(年額)」の2つを作り、次のグループで同じ段階に並べます。名前に周期を入れておくと、会員一覧や取引履歴で見分けやすくなります。
作成したメンバーシップには、それぞれ専用の登録ページ(購入ページ)のURLができます。料金表を自作する場合はこのURLにリンクを張れば購入画面へ進めます。
グループで段階型プランをまとめる
段階型や周期違いのプランは、グループにまとめてアップグレードの経路を設定します。MemberPressの公式ドキュメントによると、グループでアップグレードパス(Upgrade Path)を有効にすると、会員はそのグループ内のメンバーシップを同時に1つしか持てなくなり、別のプランへ切り替えると元の購読は自動で取り消されます。
グループ内の並び順も意味を持ちます。上に置いたものが下位、下に置いたものが上位として扱われ、下位から上位への切り替えがアップグレード、その逆がダウングレードになります。月額版と年額版は、上位・下位を決めてから並べてください。
グループにはもう1つ、料金比較ページ(プライシングページ)を自動で作る役割があります。グループに入れたプランが表形式で並び、会員がプランを比べて選べます。ページのデザインはテーマとの相性もあるため、思いどおりにならない場合は自作の料金表から各メンバーシップの登録URLに誘導しても構いません。
並列型のプラン(講座A、講座Bなど)は、アップグレードパスを有効にしたグループに入れないでください。入れてしまうと、講座Bを買った時点で講座Aの購読が取り消されます。並列型はグループに入れないか、アップグレードパスを無効にしたグループで料金表だけを作ります。
差額精算(プロレーション)
月の途中でアップグレードしたときに、支払い済みの残り期間分を差し引く差額精算は、MemberPressの設定画面(アカウント関連のタブ)にあるプロレーションの項目で有効にします。公式ドキュメントでは、差額精算はアップグレードパスが有効なグループでのみ働き、課金日を切り替え日にリセットするかどうかも別の項目で選べると案内されています。どの動きが会員にとって分かりやすいかは料金体系によるので、テストモードで実際に切り替えて、請求額と次回課金日を確かめてから決めてください。
ルールでプランごとの閲覧範囲を決める
メンバーシップを作っただけでは、記事は誰でも読めるままです。どのコンテンツをどのプランに見せるかは、ルール(Rules)で設定します。ルールでは、対象のコンテンツ(特定の投稿、特定カテゴリーの投稿、固定ページ、子ページなど)と、閲覧を許可する条件(メンバーシップ、ユーザーなど)を組み合わせます。
段階型プランで多いミスは、上位プランを条件に入れ忘れることです。「ベーシック向けカテゴリー」のルールにベーシックだけを指定すると、プロ会員はそのカテゴリーを読めません。ルールの許可条件には、そのコンテンツを見てよいプランをすべて並べます。最初に作った表の丸の付け方がそのままルールになります。
- ベーシック向けカテゴリー:ベーシック(月額)、プロ(月額)、プロ(年額)
- プロ向けカテゴリー:プロ(月額)、プロ(年額)
- 講座A:講座A
記事全体ではなく一部だけを特定プランに見せたい場合、MemberPressには本文の一部を会員だけに表示するショートコードが用意されています。属性の書き方はバージョンで変わることがあるため、公式ドキュメントで現在の書式を確認してから使ってください。
テーマやプラグインから判定する
テンプレートの中で「プロ会員だけにボタンを出す」といった分岐をしたい場合、MemberPressは current_user_can() に独自の判定を追加しています。次の例はメンバーシップIDを指定した判定で、IDは管理画面のメンバーシップ一覧で確認できます。子テーマの functions.php か、mu-plugin に置きます。
<?php
// プロ(月額: ID 123 / 年額: ID 456)の有効な会員だけに案内を表示する
add_action( 'wp_footer', function () {
if ( ! is_user_logged_in() ) {
return;
}
if ( current_user_can( 'mepr-active', 'memberships:123,456' ) ) {
echo '<p class="pro-notice">' . esc_html__( 'プロ会員向けの新着講座があります。', 'my-child-theme' ) . '</p>';
}
} );
mepr-active に渡す引数の書式(memberships: のように対象を示す接頭辞など)は、バージョンや資料によって表記が異なる場合があります。本番に入れる前に、MemberPressの開発者向けドキュメントで現在の書式を確認し、テスト用の会員アカウントで表示が切り替わることを確かめてください。
この判定は表示の切り替えに使うものです。本文そのものを守る役割はルールに任せ、テンプレート側の分岐だけでコンテンツを隠さないようにしてください。
決済をテストモードで通しで試す
決済サービス(StripeやPayPalなど、使えるものはエディションによって異なります)は、本番の鍵を入れる前にテストモードで接続します。手順は各決済サービスとMemberPressの公式ドキュメントに従ってください。テストで確認したいのは成功する購入だけではありません。
- 各プランを新規購入し、会員資格が付いて該当コンテンツが読めるか
- 下位から上位へのアップグレード、上位から下位へのダウングレードで、元の購読が取り消され、請求額が想定どおりか
- 並列型の講座を2つ買ったとき、両方が有効なままか
- テスト用の拒否カードで決済失敗にしたとき、会員資格が付かないか
- 解約後、アクセス期間の終わりに閲覧できなくなるか
決済サービスからの通知(Webフック)が届かないと、「決済は成功したのに会員資格が付かない」状態になります。テストと本番で通知先の登録が別になっている決済サービスが多いので、本番切り替え時に忘れずに登録します。
公開前に確認すること
複数プランのサイトでは、確認するアカウントもプランの数だけ必要です。プランごとにテスト用の会員アカウントを作り、別々のブラウザーやシークレットウィンドウで同じページを開いて、表示が表のとおりになっているかを確かめます。
あわせて、ページキャッシュがログイン中の表示を保存して他人に配信していないか、会員登録・アカウント・購入完了ページがキャッシュの対象外になっているかを確認してください。プランを後から追加したときは、既存のルールに新しいプランを足し忘れていないかも見直します。会員情報と決済履歴はサイトの重要な資産なので、日々のバックアップに含め、プラグインの更新はステージングで購入とアップグレードを試してから本番に適用します。
まとめ
- プラン同士が段階型か、並列型か、周期違いかを先に決め、プランとコンテンツの対応表を作る
- 月額版と年額版は別のメンバーシップとして作り、段階型のグループに並べる
- アップグレードパスを有効にしたグループでは、会員は1つのプランしか持てない。並列型の講座は入れない
- ルールには、そのコンテンツを見てよいプランをすべて指定する。上位プランの入れ忘れに注意
- 決済はテストモードで購入・切り替え・失敗・解約まで通しで試し、本番切り替え時に通知先も登録する