2026年7月5日
2026年7月5日
WordPressのページビルダー比較|Elementor・Divi・Bricks・ブロックエディターの選び方
ページビルダーを選ぶときに最も重要なのは、機能の多さよりも「後から乗り換えられるか」と「表示速度への影響」です。新しくサイトを作るなら、まずWordPress標準のブロックエディター(サイトエディター)で足りるかを確認し、足りない場合にElementor、Divi、Bricks、Beaver Builderなどを比較する順番がおすすめです。この記事では、各ページビルダーの仕組みの違い、向いているサイト、ロックインの度合いを整理し、自分のサイトに合うものを選べるようにします。
ページビルダーとブロックエディターの違い
WordPressには、標準でブロックエディター(Gutenberg)があり、ブロックテーマを使えばサイトエディターでヘッダー・フッター・テンプレートまで画面上で編集できます。サイトエディターはWordPress 5.9から本格的に導入され、その後のバージョンで機能が追加され続けています。
ページビルダープラグインは、この標準エディターとは別の編集画面を提供し、ドラッグ&ドロップや細かいデザイン設定で、コードを書かずに凝ったレイアウトを作れるようにするものです。標準機能が成長した現在でも、ビルダーには「豊富なウィジェットやテンプレート」「アニメーションや条件表示などの演出」「デザイナーが慣れた操作感」といった強みがあります。
一方で、ビルダーは独自の形式でレイアウトを保存するため、使えば使うほどそのビルダーから離れにくくなります。選定の際は、この構造的な違いを最初に理解しておくことが大切です。
主なページビルダーの特徴
いずれも(2026年10月現在)開発が続いている製品です。料金や機能の線引きは変わることがあるため、導入前に公式サイトで確認してください。
ブロックエディター・サイトエディター(WordPress標準)
追加費用がかからず、WordPress本体と一緒に更新されます。保存形式はブロックのコメント付きHTMLで、投稿本文にそのまま残るため、テーマを変えても内容が失われにくいのが最大の利点です。テーマの theme.json で色・余白・フォントを一元管理でき、余計なCSSやJavaScriptが読み込まれにくいので表示速度の面でも有利です。
弱みは、細かいレイアウト調整や動きのある演出が、ビルダーに比べると手間になる点です。足りない部分はブロック拡張プラグインやブロックパターンで補う方法があります。
Elementor
利用者が多く、情報やチュートリアルが見つけやすい代表的なページビルダーです。WordPress.orgで無料版が公開されており、テーマビルダーやフォームなどの高度な機能は有料版(Elementor Pro)で提供されています。ウィジェットの種類とテンプレートが豊富で、制作会社やフリーランスの案件で広く使われています。
利用者が多い分、アドオンプラグインも多数ありますが、入れすぎると読み込むファイルが増え、表示速度や更新時の不具合のリスクが高まります。
Divi
Elegant Themesが提供する、テーマとビルダーが一体になった製品です。WordPress.orgでは配布されておらず、有料の会員制で提供されています。ビジュアル編集の操作感や、用意されたレイアウトパックの多さが特徴です。
従来のDiviはレイアウトを独自のショートコードで保存しており、Diviをやめると本文にショートコードが残る点が知られています。新しい世代への大型の刷新も進められているため、導入時には最新の保存形式や移行の方針を公式情報で確認してください。
Bricks
テーマとして導入するタイプのビルダーで、有料のみで提供されています。生成されるHTMLが比較的すっきりしていること、クエリループや条件表示など開発者向けの機能が充実していることから、表示速度や細かい制御を重視する制作者に支持されています。
一方で、CSSの考え方やクラスの扱いなど、ある程度Web制作の知識がある人向けの設計です。初心者が最初に触るビルダーとしては、学習コストが高めです。
Beaver Builder
長く開発が続いている安定志向のビルダーで、WordPress.orgで機能を絞った無料版が公開され、有料版でテーマ機能や追加モジュールが使えます。派手さよりも安定性と後方互換性を重視する作りで、クライアントに更新を任せる受託案件で選ばれることが多い製品です。
比較表
細かい機能数ではなく、変わりにくい構造上の違いでまとめます。
| 観点 | ブロックエディター | Elementor | Divi | Bricks | Beaver Builder |
|---|---|---|---|---|---|
| 導入形態 | WordPress標準 | プラグイン | テーマ+ビルダー | テーマ | プラグイン |
| 無料で使える範囲 | 全機能 | 無料版あり | 有料のみ | 有料のみ | 無料版あり |
| 保存形式 | ブロックHTML(本文に残る) | 独自形式 | 独自形式(従来はショートコード) | 独自形式 | 独自形式 |
| 乗り換えやすさ | 高い | 低め | 低め | 低め | 低め |
| 表示速度への影響 | 小さい | 構成次第で大きくなりやすい | 構成次第 | 小さめ | 中程度 |
| 学習コスト | 低〜中 | 低 | 低〜中 | 高め | 低〜中 |
| 向いている人 | 長期運用・速度重視 | 情報量重視・制作案件 | デザイン重視の個人・小規模事業 | 開発寄りの制作者 | 安定重視の受託案件 |
表示速度は、どのビルダーでも使うウィジェットの数、アドオン、画像の扱いで大きく変わります。表は傾向として読み、実際には検証環境でPageSpeed Insightsなどを使って計測してください。
ロックインと乗り換えの注意点
ページビルダー選びで後悔が多いのは、数年後に乗り換えたくなったときです。独自形式のビルダーを無効化すると、レイアウトやスタイルは崩れ、場合によっては本文にショートコードや断片的なHTMLだけが残ります。ページ数が多いサイトでは、作り直しの工数が大きな負担になります。
ロックインを抑えるためには、次のような運用が有効です。
- 本文の文章や画像はブロックエディターで書き、ビルダーはトップページやランディングページなど、デザインが重要なページに限定する
- 共通パーツ(ヘッダー・フッター)をビルダーとテーマのどちらで作るかを最初に決め、混在させない
- アドオンプラグインは本当に必要なものだけに絞る
自分に合うページビルダーの選び方
次の順に考えると判断しやすくなります。
- ブロックエディターで足りるか試す。 ブログ、オウンドメディア、シンプルなコーポレートサイトなら、ブロックテーマとパターンで十分なことが多く、追加費用もロックインもありません。
- 誰が更新するかを決める。 クライアントや非エンジニアが日々更新するなら、操作が分かりやすく情報の多いElementorやBeaver Builderが扱いやすい選択です。
- 表示速度と細かい制御を重視するか。 制作者自身が運用し、HTMLやCSSの知識があるなら、Bricksのように出力が軽いビルダーが候補になります。
- 予算と支払い方式を確認する。 無料版から始めたいならElementorかBeaver Builder、有料のみの製品は年額か買い切りかなど、更新の条件を確認します。
- プラグインの更新状況を確認する。 WordPress.orgで配布されているものは「最終更新日」と「検証済みWordPressバージョン」を、配布外の製品は公式の更新履歴を見て、開発が継続しているかを確かめてください。
導入前に試しておきたいこと
本番サイトにいきなり入れるのではなく、ステージング環境やローカル環境で、次の点を確認してから決めると安全です。
- 実際に作りたいページを1〜2枚作り、編集のしやすさを確認する
- 公開ページの表示速度を、ビルダー導入前後で計測する
- 既存テーマやキャッシュ系プラグインとの相性に問題がないかを見る
- ビルダーを無効化したとき、ページがどのように表示されるかを確認する
最後の項目は見落とされがちですが、将来の乗り換えコストを事前に知るための大切な確認です。既存サイトに導入する場合は、作業前にファイルとデータベースのバックアップを取っておいてください。
まとめ
- 新規サイトは、まずWordPress標準のブロックエディター・サイトエディターで足りるかを確認するのがおすすめです。
- Elementorは情報量と手軽さ、Diviはデザイン性、Bricksは軽さと制御性、Beaver Builderは安定性が強みです。
- 独自形式のビルダーは乗り換えにくいため、使う範囲を限定するとロックインを抑えられます。
- 導入前に検証環境で表示速度と無効化時の表示を確かめ、プラグインの更新状況も確認してください。