2026年8月17日

2026年8月17日

WordPressでPassage Indexing(パッセージランキング)を意識した記事構成の作り方

Passage Indexing(現在はパッセージランキングと呼ばれることが多い仕組み)は、Googleがページの中の一部分の文章を読み取って検索結果の評価に使う仕組みで、サイト側で設定できるタグや構造化データはありません。サイト運営者にできるのは「1つのセクションが1つの問いにきちんと答えている」記事を書くことです。この記事では、その考え方と、WordPressのブロックエディターで記事全体の構成を組み立てる手順を説明します。見出しタグの付け方そのものに絞った解説は別記事に任せ、ここでは記事全体の設計(何をどの順で、どの粒度で書くか)を扱います。

Passage Indexingとは何か、何ではないか

Googleは2020年に、長いページの中にある特定の一節が、ある検索語句に対してよく答えている場合、その一節をもとにページを評価できるようにする変更を発表しました。当初は「パッセージのインデックス」と呼ばれましたが、Google自身が後に「インデックスの方法が変わるのではなく、ランキングの仕組みの変更である」と説明しており、現在はパッセージランキングという呼び方が一般的です。

押さえておきたいのは次の3点です。

  • パッセージ単位で別々に登録されるわけではなく、評価されるのはあくまでページです。検索結果に表示されるのもページのURLです。
  • 専用のマークアップ、プラグイン、Search Consoleの設定はありません。「パッセージインデックス対応」をうたうプラグインや設定項目があれば、その説明は疑ってかかるほうが安全です。
  • 対象言語や適用範囲についてGoogleは細かい数字を公開しておらず、日本語での効き方も外から測れません(2026年10月現在)。

つまり「パッセージランキングのための特別な対策」は存在しません。役に立つのは、Google検索セントラルが繰り返し勧めている「人のために書かれた、分かりやすい構成のコンテンツ」を、長い記事でも崩さずに保つことです。順位やクリック率が上がると約束できるものではない点も先にお伝えしておきます。

長い記事で問題になりやすい構成

パッセージという考え方が意味を持つのは、主に長い記事です。短い記事なら全体が1つの問いへの答えになりますが、長い記事では「答えが本文のどこかにはあるが、探さないと見つからない」状態になりがちです。よくあるパターンを挙げます。

  • 見出しが「ポイント1」「その他」のように中身を表しておらず、どのセクションに何が書いてあるか見出しだけでは分からない
  • 1つのセクションに複数の話題が混ざっている(設定方法と料金と注意点が同じ段落に並ぶなど)
  • 結論がセクションの最後にあり、前置きを読まないと答えにたどり着けない
  • 同じ説明が複数のセクションに少しずつ形を変えて繰り返されている
  • テンプレートの定型文が多く、記事ごとの固有の情報が埋もれている

どれも読者にとって読みにくい構成で、検索エンジンにとっても「この部分が何に答えているか」をつかみにくい構成です。直す方向は同じです。

記事構成を組み立てる手順

1. 読者の問いをセクション単位に分解する

まず、その記事を読みに来る人が抱えている問いを書き出します。たとえば「WordPressのバックアップ」という記事なら、「何を保存すればよいか」「どのプラグインを使うか」「どこに保存するか」「どう戻すか」といった問いに分かれます。

書き出した問い1つにつき1つのh2(大きな問いなら、その下にh3)を割り当てます。問いに対応しないセクション(前置きだけ、雑談だけのセクション)は削るか、他のセクションに統合します。ここで構成が決まれば、本文を書く段階で話題が混ざりにくくなります。

2. 見出しは中身が分かる文にする

見出しを読むだけで、そのセクションが何に答えているか分かるようにします。「方法」より「プラグインを使わずにバックアップを取る方法」、「注意点」より「復元前に確認するべき3つのこと」のほうが中身が伝わります。

一方で、検索語句を見出しに詰め込む必要はありません。不自然に語句を繰り返すと読みにくくなるだけで、キーワード密度を上げる手法は現在のGoogleの指針でも勧められていません。

3. 各セクションの冒頭で答えを書く

各セクションの最初の1〜2文で、そのセクションの問いへの答えを書きます。理由や手順、例外はその後に続けます。新聞記事の「結論が先、詳細は後」と同じ書き方です。

この書き方にしておくと、読者は見出しと冒頭だけ拾い読みしても要点をつかめますし、続きを読むかどうかも判断できます。セクションを単体で切り出しても意味が通るかどうかが、分かりやすい目安になります。「前述のとおり」「上で説明した」のような前のセクションへの依存が多い場合は、必要な前提を短く書き直します。

4. 1セクション1話題を守り、長すぎるセクションは分ける

1つのh2の中に複数の話題が入っていたら、h3で分けるか、h2を分けます。逆に、1〜2文しかないh3が並ぶ場合は、まとめて1つのセクションにしたほうが読みやすいこともあります。見出しの数を増やすこと自体が目的ではありません。

また、同じ説明があちこちに出てくる場合は、1か所にまとめ、他の場所からはそのセクションに触れるだけにします。

5. 表・リスト・手順は内容に合った形にする

手順は番号付きリスト、比較は表、並列の項目は箇条書き、と内容の形に合わせます。特に比較表は「この条件ならこちら」が一目で分かるため、読者の問いに直接答える部分になりやすい要素です。ただし、表にする必要のない内容まで表にすると、かえって読みにくくなります。

WordPressのブロックエディターでの実践

見出しブロックとHTMLアンカー

見出しは見出しブロックで作り、本文の最初の見出しはh2から始めます(記事タイトルがh1として出力されるテーマが一般的なためです)。h2の下にh4を置くような段飛ばしは避け、h2の下はh3、という順番を守ると、目次プラグインや支援技術でも構造が正しく伝わります。

見出しブロックの設定パネルにある「高度な設定」の中で、HTMLアンカー(id属性)を指定できます。ここに backup-restore のような短い英数字を入れておくと、https://example.com/post/#backup-restore の形で特定のセクションに直接リンクできます。記事内リンクやSNSでの共有、社内マニュアルからの参照などで便利です。項目名はWordPressのバージョンによって変わることがあるため、見つからない場合は見出しブロックを選択したときのサイドバーを確認してください。

目次は「構成ができてから」

目次プラグインやテーマの目次機能を使うと、見出しから自動で目次を作れます。ただし目次は見出しの一覧にすぎないため、見出しが中身を表していなければ目次も役に立ちません。先に見出しを整え、目次はその結果として付けるという順番で考えるとよいでしょう。

再利用ブロックや定型文の扱い

同期パターン(旧称:再利用ブロック)で定型の注意書きを全記事に入れていると、記事ごとの固有の内容より定型部分の比率が高くなることがあります。定型文はできるだけ短くし、本当に必要な記事だけに入れるのがおすすめです。

書き終えた後の確認方法

公開前に、次の観点で記事を見直します。

  • 見出しだけを上から読んで、記事の全体像が分かるか(ブロックエディターの「リスト表示」やアウトライン表示を使うと見出しだけを確認できます)
  • 各セクションの冒頭2文だけを読んで、そのセクションの答えが分かるか
  • 同じ説明が2回以上出てきていないか
  • 読者の問いのうち、答えていないものが残っていないか

公開後は、Search Consoleの検索パフォーマンスで、その記事がどのような検索語句で表示されているかを確認します。想定していなかった語句で表示されている場合、その語句への答えが記事の中で埋もれている可能性があります。該当するセクションの見出しや冒頭を見直す材料になります。なお、検索結果のタイトルや説明文はGoogleが書き換えて表示することがあり、狙った文言がそのまま出るとは限りません。

まとめ

  • Passage Indexing(パッセージランキング)はGoogle内部のランキングの仕組みで、サイト側で設定するマークアップやプラグインはありません。
  • 役に立つのは、読者の問いをセクションに分け、見出しで中身を示し、各セクションの冒頭で答えを書く構成です。
  • WordPressでは見出しブロックの階層を守り、必要に応じてHTMLアンカーでセクションに直接リンクできるようにします。
  • 目次は見出しを整えてから付け、定型文で記事固有の内容を埋もれさせないようにします。
  • 順位の向上を約束するものではなく、読みやすさを高めた結果として評価されやすくなる、という位置づけで取り組みます。

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