2026年6月1日

2026年6月1日

WordPressのRestrict Content Pro(Kadence Memberships)で記事の一部をプレビュー表示する設定

Restrict Content Proで会員限定記事の冒頭だけを見せたいときは、「抜粋を表示する設定を使う」か「本文の途中から [restrict] ショートコードで囲む」かのどちらかを選びます。前者は記事全体を制限したまま抜粋だけを見せる方法、後者は記事を公開にしたうえで続きだけを隠す方法です。この記事では、2つの方法の違いと設定手順、制限メッセージの整え方、公開前に確かめたい抜け道までを説明します。

なお、Restrict Content Proと無料版のRestrict Contentは、提供元の変更を経て「Kadence Memberships」系の名称へ切り替わりつつあります。WordPress.orgの無料版はバージョン4.0.0で「Kadence Memberships」に名称が変わり、有料版の公式ドキュメントにも新しい名称が併記されています(2026年10月現在)。設定画面の表記やメニューの位置も今後変わる可能性があるため、以下では項目を目的で説明し、表記は目安として扱います。作業前にはバックアップを取り、ステージング環境で試してください。

2つの方法の違い

どちらを選ぶかは、記事を「会員限定記事」として扱いたいか、「公開記事の一部が会員限定」として扱いたいかで決まります。

抜粋を表示する方法では、記事の制限設定は会員限定のままです。権限のない訪問者には、記事の抜粋と制限メッセージが表示されます。設定は管理画面で切り替えるだけで、記事を1本ずつ書き換える必要がありません。その代わり、どこまで見せるかは抜粋の内容で決まり、本文の途中にある見出しや画像を自由に見せることはできません。

ショートコードで囲む方法では、記事そのものは誰でも開ける状態にし、隠したい部分だけを [restrict] と [/restrict] で囲みます。冒頭の数段落、見出し、図版などを自由に見せられるので、続きを読みたくなる導入を作りやすいのが利点です。ただし記事ごとに作業が必要で、囲み忘れや閉じ忘れがあると、隠したい部分が見えてしまいます。

方法1:抜粋を表示する設定

公式ドキュメントでは、制限された記事に抜粋を出すかどうかを、設定画面の「その他(Misc)」タブで選べると案内されています。選択肢は次の3つです。

  • 常に表示する:制限されたすべての記事で抜粋を表示する
  • 表示しない:制限された記事では抜粋を出さない
  • 記事ごとに決める:各記事の制限設定の枠に、抜粋を表示するかのチェックボックスが出る

既存の会員限定記事が多いサイトでは、まず「記事ごとに決める」にして、集客に使いたい記事だけ抜粋を有効にすると影響を抑えられます。

抜粋の中身は、投稿編集画面の「抜粋」欄に手で書いておくのがおすすめです。抜粋欄が空のときは本文から自動で切り出されますが、日本語の記事では切り出される長さや位置が意図とずれることがあります。手で書けば、記事で何が分かるのかを短くまとめた紹介文にでき、検索結果からの訪問者にも内容が伝わります。抜粋欄が見当たらない場合は、編集画面右側の投稿設定から表示されていないか確認してください。

記事側の制限設定

記事全体を制限するには、投稿編集画面の制限設定の枠(「Restrict this content」など)で、閲覧できる人を選びます。会員レベル(メンバーシップレベル)を指定する、ログインしている人に限る、特定のユーザー権限グループに限る、といった指定ができます。複数の会員レベルがあるサイトでは、どのレベルに見せるかをここで選び、保存後にプレビューではなく未ログインのブラウザーで実際の表示を確かめます。

方法2:ショートコードで本文の一部を隠す

公式ドキュメントでは、[restrict] ショートコードの属性として次のものが案内されています。

  • subscription:閲覧できる会員レベルのID。カンマ区切りで複数指定できる
  • level:アクセスレベル。名前より数値のIDで指定するほうが、名称変更の影響を受けない
  • paid:true にすると有料会員だけが閲覧できる
  • userlevel:WordPressのユーザー権限グループ名で指定する
  • message:権限のない人に表示するメッセージをその場所だけ変える

たとえば、会員レベルIDが1と5の会員だけに続きを見せる場合は次のように書きます。

ここまでは誰でも読める導入部分です。記事で解説する内容の概要や、
つまずきやすいポイントの一覧を見せておきます。

[restrict subscription="1,5" message="続きは会員登録後にお読みいただけます。"]
ここから下が会員限定の本文です。
[/restrict]

この方法を使う前に、次の2点を確認します。ドキュメントでも注意点として挙げられている部分です。

  • 記事自体の制限設定を「誰でも閲覧可」にしておく。記事全体を制限したままだと、導入部分も見えない
  • 「制限された記事を隠す(Hide Restricted Posts)」の設定を無効にしておく。有効だと、一覧や検索から記事自体が消えることがある

ブロックエディターでは、開始タグと終了タグを別々の段落ブロックに書くと、出力されるHTMLの段落タグの組み合わせが崩れることがあります。表示が崩れたら、隠したい部分をまとめて「ショートコード」ブロックや「カスタムHTML」ブロックに入れるか、新しいバージョンで案内されているブロック単位の制限機能が使えるかを確認してください。ページビルダーを使っている場合は、開始タグと終了タグを同じ要素の中に置く必要があると案内されています。

制限メッセージを整える

プレビューの直後に出る制限メッセージは、会員登録への入口になる部分です。全体の既定メッセージは設定画面で変更でき、ショートコード側では message 属性で個別に上書きできます。

メッセージには、何が読めるようになるのか、登録やログインはどこからできるのかを入れておきます。プラグインには登録フォームとログインフォームのショートコード([register_form]、[login_form])があるので、専用の登録ページを用意してリンクを張ると導線が短くなります。すでに会員の人がログインし忘れている場合も多いため、ログインへのリンクも並べておくと問い合わせが減ります。

テーマ側で表示を分けたい場合

テンプレートで「閲覧権限がない人にだけ登録ボタンを出す」といった分岐をしたいときは、プラグインの関数で判定できます。次の例は子テーマの functions.php か mu-plugin に置くもので、プラグインが無効なときにエラーにならないよう関数の存在を確かめています。

<?php
// 閲覧権限のない訪問者にだけ、記事の末尾へ登録案内を追加する
add_filter( 'the_content', function ( $content ) {
	if ( ! is_singular( 'post' ) || ! is_main_query() || get_the_ID() !== get_queried_object_id() ) {
		return $content;
	}
	if ( ! function_exists( 'rcp_user_can_access' ) ) {
		return $content;
	}
	if ( rcp_user_can_access( get_current_user_id(), get_the_ID() ) ) {
		return $content;
	}
	$url  = home_url( '/register/' ); // 登録ページのURLに合わせて変更
	$html = '<p class="member-cta"><a href="' . esc_url( $url ) . '">' . esc_html__( '会員登録して続きを読む', 'my-child-theme' ) . '</a></p>';
	return $content . $html;
}, 20 );

関数名や引数はバージョンで変わることがあるため、更新後はこの分岐が意図どおりに動くか確認します。コンテンツを隠す役割はプラグインの制限設定に任せ、テーマ側の分岐は案内の表示に限って使ってください。

公開前に確認したい抜け道

プレビュー表示を設定したら、未ログインのブラウザー(シークレットウィンドウ)と、各会員レベルのテスト用アカウントで同じ記事を開き、見える範囲が想定どおりかを確かめます。そのうえで次の点を見ておきます。

  • ページキャッシュ:ログイン中の表示がキャッシュされて未ログインの訪問者に配信されないか。会員登録・アカウントページがキャッシュの対象外になっているか
  • RSSフィード:記事ごとにフィードの本文も制限する設定があります。フィードを全文配信にしている場合は特に確認します
  • REST API:ドキュメントでは制限がREST APIにも適用されると案内されていますが、/wp-json/wp/v2/posts/記事ID を未ログインで取得して、隠した部分が含まれていないか実際に見ておくと安心です
  • 添付ファイル:記事に埋め込んだ画像やPDFの元のURLは保護されません。URLを知っていれば誰でも開けるため、会員限定のファイルは別の配信方法を検討します

検索エンジン向けには、プレビュー部分が見えている状態でも内容が伝わるよう、導入に記事の要点を書いておくと効果的です。検索エンジンにだけ全文を見せる設定は、訪問者と異なる内容を見せる扱いになるおそれがあるため、行う場合はGoogleが案内している有料コンテンツ向けの構造化データの仕様を確認してから検討してください。

まとめ

  • 記事全体を会員限定のまま抜粋を見せるなら抜粋表示の設定、導入部分を自由に見せたいならショートコードで続きを囲む
  • 抜粋は手で書いておくと、日本語でも意図した範囲を紹介できる
  • ショートコードを使う記事は制限設定を「誰でも閲覧可」にし、記事を隠す設定との組み合わせに注意する
  • 制限メッセージには、読めるようになる内容と登録・ログインへの導線を入れる
  • 未ログインと各会員レベルで表示を確かめ、キャッシュ・フィード・REST API・添付ファイルの抜け道を確認する

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