2026年5月31日
2026年5月31日
WordPressのスキーマ(構造化データ)プラグイン比較|Yoast SEO・Rank Math・AIOSEO・専用プラグインの選び方
WordPress に構造化データ(スキーマ)を入れるなら、多くのサイトでは Yoast SEO・Rank Math・AIOSEO のいずれか、つまり普段使っている SEO プラグインの機能で十分です。SEO プラグインでは扱いにくい種類のスキーマを細かく設定したい場合に、Schema & Structured Data for WP & AMP のような専用プラグインを検討します。どれを選んでも、テーマや別のプラグインと構造化データが二重に出力されていないかを確かめることが一番の注意点です。この記事では、各プラグインの考え方の違い、重複の見つけ方と直し方、Google のツールでの検証手順を説明します。
構造化データプラグインがしていること
構造化データは、ページの内容を schema.org の語彙で記述し、検索エンジンに「この記事の著者は誰か」「このページはどのサイトのどの階層にあるか」などを機械的に伝える仕組みです。WordPress では JSON-LD 形式で <head> 内などに出力するのが主流です。
プラグインが自動で出力する代表的な種類は次のとおりです。
- WebSite / Organization / Person: サイトや運営者の情報
- WebPage / Article(BlogPosting): 各ページや記事の情報
- BreadcrumbList: パンくずリストの階層
- 個別に設定する種類: Product、LocalBusiness、Recipe、Event など、ページの内容に応じて追加するもの
構造化データを入れたからといって、検索結果にリッチリザルト(星評価や画像付きの表示など)が出る保証はありません。表示するかどうかは Google が判断し、ページの内容や品質、検索の状況によって変わります。
主要な構造化データプラグインの比較
各プラグインの方向性を大づかみにまとめると次のとおりです(2026年10月現在)。無料版と有料版で使える種類の範囲は変わることがあるため、導入前に公式の説明を確認してください。
| プラグイン | 構造化データの考え方 | 個別スキーマの設定 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| Yoast SEO | サイト全体を1つのつながった情報(グラフ)として自動出力 | 投稿ごとの細かい種類の追加は限定的。拡張やコードで補う | 自動出力に任せ、設定を最小限にしたい |
| Rank Math | 自動出力に加え、投稿ごとにスキーマの種類を選んで設定 | 無料版でも複数の種類を扱える。高度な機能は有料版 | 記事ごとに種類を変えたい |
| AIOSEO | 自動出力に加え、投稿ごとにスキーマを追加 | 扱える種類の多くは有料版が中心 | AIOSEO をすでに使っている |
| Schema & Structured Data for WP & AMP | 構造化データ専用。種類ごとに表示条件を設定 | 扱える種類が多い。拡張は有料 | SEO プラグインでは足りない種類を細かく設定したい |
Yoast SEO
設定画面でサイトの運営者(組織か個人か)や名前・ロゴを登録すると、サイト・ページ・記事・パンくずリストなどの情報を、互いに参照し合う1つのまとまりとして自動で出力します。設定項目が少なく、出力の一貫性が保たれやすいのが特徴です。特定の種類を追加・変更したい場合は、開発者向けのフィルターで出力を調整する方法も用意されています。
Rank Math
自動出力に加えて、投稿の編集画面からスキーマの種類(記事、商品、レシピなど)を選んで項目を入力できます。記事ごとに種類が違うサイトで扱いやすい反面、設定の自由度が高いぶん、ページに書かれていない内容をスキーマに入れてしまうミスも起きやすくなります。
AIOSEO
サイト全体の情報を自動で出力し、投稿ごとにスキーマを追加できる機能を持ちます。追加できる種類の多くは有料版で提供される傾向があるため、必要な種類が無料版で使えるかを確認してから導入してください。
Schema & Structured Data for WP & AMP
構造化データに特化したプラグインで、扱える種類が多く、「この投稿タイプ・このカテゴリーにはこの種類」といった表示条件を設定できます。SEO プラグインと併用することが多いため、同じ種類を両方から出力しないよう、どちらでどの種類を担当するかを決めてから設定します。
日本語対応について
Yoast SEO・Rank Math・AIOSEO は管理画面の日本語訳が進んでいますが、新しい機能や有料版の画面には英語が残ることがあります。専用プラグインは翻訳の範囲がさらに限られる場合があります。いずれも、WordPress.org のプラグインページで最終更新日と検証済みの WordPress バージョンを確認してから選んでください。
もっとも多い問題:構造化データの重複
構造化データのトラブルで多いのが、テーマとプラグイン、あるいは複数のプラグインから同じ種類が二重に出力されるケースです。日本製テーマの多くは記事やパンくずリストの構造化データを独自に出力しており、そこに SEO プラグインを入れると、1つのページに Article や BreadcrumbList が2つずつ並ぶことがあります。内容が食い違っていると、検索エンジンがどちらを採用するか判断しにくくなります。
重複の見つけ方
- 確認したいページを開き、ページのソースを表示する
application/ld+jsonを検索し、構造化データのブロックがいくつあるかを数える- 各ブロックの
@typeを見て、同じ種類が複数ないかを確認する - Google の「リッチリザルト テスト」に URL を入れ、検出された項目に同じ種類が重複していないかを見る
重複の直し方
どちらか一方に出力を任せます。SEO プラグインに任せる場合は、テーマの設定画面で構造化データの出力をオフにできるかを確認してください(項目の名前や場所はテーマによって異なります)。テーマ側で止められない場合は、SEO プラグイン側の該当する種類を止めるほうが早いこともあります。設定を変える前にはバックアップを取り、変更後にもう一度ソースとテストツールで確認します。
検証の手順
構造化データは、目で見るページの表示からは正しいかどうかが分かりません。設定を変えたら、次の2つのツールで確認します。
- リッチリザルト テスト(Google): Google のリッチリザルトの対象になる種類が検出されるか、エラーや警告がないかを確認できます。
- Schema Markup Validator(schema.org): Google の対象かどうかに関係なく、schema.org の語彙として正しく書かれているかを確認できます。
公開後は Google Search Console の拡張レポートで、サイト全体のエラーの有無を継続して確認します。エラーが出たときは、該当ページを上の2つのツールで個別に調べると原因を絞り込みやすくなります。
知っておきたい Google の方針
- ページに表示されている内容だけをマークアップする: ページに書かれていないレビューや FAQ を構造化データだけに入れるのは、Google のガイドライン違反になるおそれがあります。違反が続くと、手動による対策の対象になることがあります。
- FAQ と HowTo のリッチリザルトは表示が限られている: Google は2023年に、FAQ のリッチリザルトを一部の信頼性の高い政府・医療系のサイトなどに限定し、HowTo のリッチリザルトの表示も取りやめる方針を示しました。FAQ の構造化データを入れても、一般的なサイトで検索結果に FAQ が表示されることは期待しにくい状況です。
- 自社のレビューの扱い: 自社や自社の店舗について自分のサイトに載せたレビューは、星評価のリッチリザルトの対象外とされています。
これらの方針は変わることがあるため、Google 検索セントラルの構造化データのドキュメントで最新の内容を確認してください。
まとめ
- 多くのサイトは、使っている SEO プラグイン(Yoast SEO・Rank Math・AIOSEO)の構造化データ機能で足りる
- SEO プラグインで扱いにくい種類を細かく設定したいときに、Schema & Structured Data for WP & AMP などの専用プラグインを検討する
- テーマとプラグインの構造化データの重複が多い問題。ソースの
application/ld+jsonとリッチリザルト テストで確認する - 検証はリッチリザルト テストと Schema Markup Validator の両方で行い、公開後は Search Console で見守る
- 構造化データはリッチリザルトの表示を約束するものではなく、FAQ・HowTo は表示が限られている