2026年7月13日
2026年7月13日
WordPressの更新(アップデート)を安全に行う方法|バックアップから不具合時の戻し方まで
WordPressの更新を安全に進めるコツは、「更新前にバックアップを取る」「可能ならステージング環境で先に試す」「一度にまとめず順番に更新して、そのつど表示を確認する」の3つです。この記事では、管理画面での具体的な更新手順と自動更新の考え方、そして更新後にサイトが表示されなくなったときの戻し方までを、初心者の方向けに順を追って解説します。
なぜ更新が必要で、どこに危険があるのか
WordPress本体(コア)、プラグイン、テーマの更新には、機能追加だけでなくセキュリティ上の修正が含まれます。古いまま放置すると、公開済みの脆弱性を狙った攻撃を受けやすくなるため、更新そのものは避けられません。
一方で、更新によって次のような問題が起きることがあります。
- プラグイン同士、またはプラグインとテーマの相性が悪くなり、表示が崩れる
- サーバーのPHPバージョンが新しいプラグインの要件を満たさず、エラーで画面が真っ白になる
- テーマのファイルを直接編集していた場合、その変更が更新で上書きされて消える
これらは「戻せる準備」と「原因を絞り込める進め方」で、多くを防いだり短時間で直したりできます。
更新前の準備
1. バックアップを取る
更新前には、ファイル(wp-content 内の画像・プラグイン・テーマ)とデータベース(記事や設定)の両方をバックアップします。方法は主に2つです。
- サーバー会社のバックアップ機能:多くのレンタルサーバーに自動バックアップや復元機能があります。復元の手順と、どの時点まで戻せるかを事前に確認しておきます。
- バックアッププラグイン:UpdraftPlusやBackWPupなどで、ファイルとデータベースをまとめて保存できます。保存先はサーバー内だけでなく、クラウドストレージなど外部にも置くと安心です。
バックアップは「取った」だけでなく、「戻し方が分かっている」状態にしておくことが大切です。
2. 環境と互換性を確認する
「ツール」→「サイトヘルス」の「情報」タブで、WordPressとPHPのバージョンを確認できます。プラグインの詳細画面や公式ディレクトリのページには、動作確認済みのWordPressのバージョンや必要なPHPのバージョンが書かれています。大きな更新の前には、プラグインの更新履歴(変更履歴)にも目を通しておくと、注意点に気づけます。
3. 可能ならステージング環境で試す
ステージング環境とは、本番サイトを複製したテスト用のサイトです。サーバー会社のステージング機能や、WP Stagingなどのプラグインで作れます。本番と同じ更新をステージングで先に行い、問題がないことを見てから本番に反映すれば、訪問者に不具合を見せずに済みます。小規模なサイトでステージングを用意できない場合でも、アクセスの少ない時間帯に更新するだけで影響を抑えられます。
4. テーマを直接編集していないか確認する
テーマのファイルに直接手を加えている場合、テーマを更新するとその変更は消えます。
- クラシックテーマ:カスタマイズは子テーマか、「外観」→「カスタマイズ」の「追加CSS」で行うのが基本です。親テーマの
functions.phpやstyle.cssを直接編集しているなら、更新前に子テーマへ移します。 - ブロックテーマ:「外観」→「エディター」(サイトエディター)で変更したテンプレートやスタイルはデータベースに保存されるため、テーマを更新しても残ります。ただし、テーマ側でテンプレートが改善されても、自分で編集したテンプレートには反映されない点に注意します。
更新の手順
「ダッシュボード」→「更新」を開くと、WordPress本体・プラグイン・テーマ・翻訳の更新がまとめて表示されます。ここで全部を一括で更新することもできますが、問題が起きたときに原因を特定しにくくなります。
公式に決められた唯一の順番があるわけではありませんが、よく取られる進め方は次のとおりです。
- プラグインを更新する:特にWordPress本体の大きな更新の前は、新しい本体に対応したバージョンへ先に上げておきます。数が多い場合は、数個ずつ更新してそのつどサイトを確認します。
- WordPress本体を更新する:「更新」画面の「今すぐ更新」から行います。
- テーマを更新する:表示に直接関わるため、更新後はトップページと記事ページの見た目を確認します。
- 翻訳を更新する:本体やプラグインの日本語表示の更新です。
それぞれの更新後には、次の点を確認します。
- トップページ、記事ページ、固定ページが正しく表示されるか(スマートフォン表示も)
- お問い合わせフォームの送信や、ネットショップなら購入の流れが動くか
- 管理画面にログインでき、投稿の編集画面が開くか
キャッシュプラグインを使っている場合は、確認の前にキャッシュを削除すると、古い表示に惑わされずに済みます。
自動更新の考え方
WordPress本体のセキュリティ修正などを含む小さな更新(マイナーリリース)は、標準で自動的に適用されます。本体の大きな更新を自動にするかどうかは、「更新」画面で切り替えられます。
プラグインとテーマは、「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」の一覧にある「自動更新を有効化」のリンクで、1つずつ自動更新を設定できます(テーマは「外観」→「テーマ」で各テーマの詳細から設定します)。
おすすめは、すべてを自動にするのではなく、役割に応じて分ける方法です。
- セキュリティ系や更新頻度の高い小さなプラグインは自動更新にする
- ネットショップや会員機能など、止まると影響が大きいプラグインは手動で更新し、更新後に動作を確認する
自動更新が行われると、管理者のメールアドレスに結果の通知が届きます。通知メールを見落とさないよう、「設定」→「一般」の管理者メールアドレスが普段見ているアドレスになっているか確認しておきます。なお、ここでの画面の名前は(2026年10月現在)のものです。
更新後にサイトがおかしくなったときの対処
管理画面に入れる場合
表示が崩れた、機能が動かないといった場合は、直前に更新したプラグインを「プラグイン」画面で停止して、症状が消えるかを確認します。原因が分かったら、プラグインの次の修正版を待つか、作者のサポートフォーラムで同じ報告がないかを探します。以前のバージョンに戻したい場合は、WP Rollbackのようなプラグインを使う方法もありますが、古いバージョンには脆弱性が残っていることがあるため、一時的な措置にとどめます。
「重大なエラー」が表示された場合(リカバリーモード)
致命的なエラーが起きると、サイトに重大なエラーが発生した旨のメッセージが表示され、管理者のメールアドレスに技術的な問題を知らせるメールが届きます。このメールには、エラーの原因になったプラグインやテーマの名前と、「リカバリーモード」でログインするためのリンクが書かれています。
リンクからログインすると、原因のプラグインが一時停止された状態で管理画面を操作できるので、そのプラグインを停止するか、修正版に更新します。メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダも確認してください。
管理画面に入れない場合(最後の手段)
リカバリーモードも使えないときは、サーバー会社のファイルマネージャーかFTPソフトでサーバーに接続し、wp-content/plugins/ の中にある原因と思われるプラグインのフォルダ名を変更します(例:example-plugin を example-plugin-off にする)。WordPressはそのプラグインを読み込めなくなり、自動的に停止扱いになります。原因が分からない場合は、plugins フォルダ自体の名前を変えると、すべてのプラグインが停止します。
テーマが原因のときは、wp-content/themes/ 内のテーマのフォルダ名を変えると、インストール済みの別のテーマ(Twenty Twenty-Fiveなどの標準テーマ)に切り替わります。標準テーマを削除していると切り替え先がないため、1つは残しておくと安心です。
フォルダ名の変更はファイルを消さない操作ですが、ほかのフォルダやファイルを誤って削除しないよう慎重に進めてください。作業後は元の名前に戻し、管理画面から改めて停止・更新を行います。
「メンテナンス中」の表示から戻らない場合
更新中は一時的にメンテナンス中の画面が表示されます。通信の中断などで更新が途中で止まると、この表示が残ることがあります。その場合は、WordPressをインストールした場所(wp-config.php がある場所)にある .maintenance というファイルを、ファイルマネージャーで削除すると表示が解除されます。その後、管理画面で更新が完了しているかを確認し、必要なら更新をやり直します。
どの方法でも直らない場合は、更新前に取ったバックアップから復元するのがもっとも頼れる手段です。
まとめ
- 更新はセキュリティのために欠かせないが、「戻せる準備」をしてから行う
- 更新前にファイルとデータベースのバックアップを取り、戻し方も確認しておく
- 可能ならステージング環境で先に試し、本番は数個ずつ更新してそのつど表示を確認する
- 自動更新は、影響の小さいものは自動、止まると困るものは手動、と分けて使う
- 不具合時は「直前に更新したものを停止」→「リカバリーモード」→「フォルダ名の変更」→「バックアップから復元」の順で対処する