2026年5月28日
2026年5月28日
Restrict Content Proでコンテンツを会員限定にする設定方法
Restrict Content Pro(RCP)で記事を会員限定にするには、まず「メンバーシップレベル」を作り、次に各記事の編集画面にある制限の設定で「どのレベルの会員に見せるか」を選びます。本文の一部だけを隠したい場合はショートコード、カテゴリー単位でまとめて制限したい場合はカテゴリーの編集画面を使います。この記事では、導入から制限のかけ方、未ログインでの確認方法、見落としやすい「制限されない場所」までを順に説明します。
Restrict Content Pro とは
RCP は、WordPress で会員サイトを作るための有料プラグインです。会員登録フォーム、ログイン、マイページ、決済(Stripe や PayPal など)、会員レベルごとのコンテンツ制限をまとめて提供します。WordPress.org には機能を絞った無料版の「Restrict Content」もあり、まず無料版で制限の仕組みを試し、決済や複数レベルが必要になったら Pro に移る、という選び方もできます。
価格やライセンスの種類は変わることがあるため、導入前に提供元の公式サイトで確認してください(2026年10月現在)。管理画面の表記は、日本語化の状況やバージョンによって英語のまま残っている部分があります。以下では英語表記を併記します。
導入と初期設定
インストール
Pro 版は WordPress.org のプラグイン検索には出てきません。購入後に公式サイトのアカウントページから zip ファイルをダウンロードし、「プラグイン → 新規追加 → プラグインのアップロード」からインストールして有効化します。有効化すると、管理画面に「Restrict」メニューが追加されます。続いて設定画面でライセンスキーを入力し、更新を受け取れる状態にしておきます。
会員用ページの確認
RCP は、有効化時に会員登録ページやアカウントページなど、会員サイトに必要な固定ページを用意します。設定画面のページ設定で、それぞれの役割に正しいページが割り当てられているかを確認してください。登録ページには [register_form]、ログインページには [login_form] のようなショートコードが入っており、これを消すとフォームが表示されなくなります。
決済の設定
有料会員を扱うなら、設定画面の決済(Payments)で通貨と決済ゲートウェイを選びます。最初はテストモードで設定し、テスト用のカードで申し込みから会員化までの流れを確認してから本番モードに切り替えます。無料の会員レベルだけで運用するなら、この設定は後回しでかまいません。
メンバーシップレベルを作る
「Restrict → Membership Levels(メンバーシップレベル)」で、会員の種類を作ります。主な入力項目は次のとおりです。
- 名前と説明:登録フォームに表示されるので、利用者に分かる言葉で書きます
- 期間(Duration):会員資格の有効期間。無期限にもできます
- 価格(Price):0 にすると無料会員になります
- アクセスレベル(Access Level):0〜10 の数値。数字が大きいほど上位の会員として扱われます
- ユーザーロール:会員になったときに付与する WordPress のロール。通常は「購読者」で十分です
アクセスレベルは、複数のプランを「上位プランは下位プランの記事も読める」形で管理したいときに便利です。たとえば無料会員を 1、スタンダードを 5、プレミアムを 10 にしておけば、記事側で「アクセスレベル 5 以上」と指定するだけで、スタンダードとプレミアムの両方に公開できます。後からプランを足しても、記事の設定を直す必要がありません。
ユーザーロールに管理画面へ入れるロール(投稿者や編集者)を割り当てると、会員がダッシュボードに入れてしまいます。会員に投稿させる設計でない限り、購読者のままにしておきます。
記事ごとに制限をかける
投稿・固定ページの編集画面には、RCP の制限設定(Restrict this content)が表示されます。ここで、その記事を見られる人を次のような単位で選びます。
- 全員(制限なし)
- 特定のメンバーシップレベルの会員(すべての有料会員、または選んだレベルのみ)
- 指定したアクセスレベル以上の会員
- 指定したユーザーロールを持つユーザー
制限した記事に権限のない人がアクセスすると、本文の代わりに「この記事は会員限定です」といった案内文が表示されます。この文面は設定画面でサイト共通の文章として編集できるので、登録ページへのリンクを入れておくと、会員登録への導線になります。
記事一覧やアーカイブでの見え方も確認しておきます。抜粋に本文の冒頭が自動で使われる場合、制限した記事でも一覧に冒頭部分が表示されることがあります。見せたくない内容が冒頭にある記事は、抜粋欄に紹介文を手入力しておくと安全です。
本文の一部だけを隠す:ショートコード
記事の前半は誰でも読めて、後半だけを会員限定にしたい場合は、[restrict] ショートコードで囲みます。
ここまでは誰でも読めます。
[restrict]
ここから先はログインした会員だけに表示されます。
[/restrict]
[not_logged_in]
続きを読むには会員登録してください。
[/not_logged_in]
[restrict] には、対象のメンバーシップレベルやアクセスレベルを指定する属性もあります。属性名と書き方はバージョンによって追加・変更されることがあるため、公式ドキュメントのショートコード一覧で確認してから使ってください。ブロックエディターでは「ショートコード」ブロックに書きます。
カテゴリー単位でまとめて制限する
「会員限定」カテゴリーを作り、そこに入れた記事をすべて制限したい場合は、「投稿 → カテゴリー」でカテゴリーの編集画面を開くと、記事と同じような制限の設定があります。記事ごとの設定を忘れる事故を防げるので、会員限定記事が多いサイトに向いています。記事側とカテゴリー側の両方に設定がある場合の優先順位は、運用前に未ログインの状態で表示して確かめておきます。
制限が効いているかの確認
制限の設定は、管理者のまま見ても確認できません。管理者はすべての記事を読めるためです。次の3通りの状態で表示を確かめます。
- ログアウトした状態:シークレットウィンドウで記事を開き、案内文が出ることを確認する
- 権限のない会員:無料会員などのテストアカウントでログインし、上位レベルの記事が読めないことを確認する
- 権限のある会員:対象レベルのテストアカウントで、記事が読めることを確認する
あわせて、本文が別の経路から読めないかも見ておきます。未ログインの状態で RSS フィード(/feed/)と REST API(/wp-json/wp/v2/posts)を開き、制限した記事の本文が含まれていないかを確認します。
制限されない場所に注意する
アップロードしたファイル
RCP の制限は、記事の「本文の表示」に対するものです。記事に添付した PDF や画像は、/wp-content/uploads/ の URL を直接開けば、会員でなくてもダウンロードできます。有料の資料を配布するなら、ダウンロード保護に対応した仕組み(会員だけが取得できるダウンロード管理プラグインや、サーバー側での直接アクセス制限)を別途用意してください。
キャッシュ
ページキャッシュのプラグインは、通常ログイン中のユーザーにはキャッシュを返さないため、会員に古い案内文が表示されることはまれです。ただし、CDN やサーバー側のキャッシュがログイン状態を区別せずに HTML をキャッシュしていると、会員にも案内文が出たり、逆に非会員に本文が見えたりします。会員サイトでは、ログイン用のクッキーを持つリクエストをキャッシュしない設定になっているかを確認します。
設定変更の前にバックアップ
会員情報や決済履歴はデータベースに保存されます。RCP の大きなバージョンアップや、別の会員プラグインからの移行の前には、データベースのバックアップを取ってから作業してください。
まとめ
- RCP の制限は「メンバーシップレベルを作る → 記事・カテゴリーで見せる相手を選ぶ」の2段階
- 上下関係のあるプランはアクセスレベルで管理すると、プラン追加時に記事を直さずに済む
- 本文の一部だけを隠すなら
[restrict]、未ログイン向けの案内は[not_logged_in] - 確認は管理者ではなく、ログアウト状態とレベル別のテストアカウントで行い、フィードと REST API も見る
- 添付ファイルの直接 URL と、ログインを区別しないキャッシュは制限の対象外になる