2026年6月19日
2026年6月19日
WordPressサイトでGoogleコアアップデートの影響を分析し、SEO対策の優先順位を立てる方法
コアアップデートの前後でアクセスが変わったときに最初にやるべきことは、記事を書き換えることではなく「本当にアップデートの影響なのか」「どのページの、どの指標が変わったのか」を切り分けることです。この記事では、Search Console と WordPress 側の確認で原因を絞り込み、手を入れる順番を決めるまでの手順を説明します。
コアアップデートは Google が検索結果の評価方法を広く見直すもので、特定の違反を罰する仕組みではありません。順位が下がっても、サイトに「直すべき不具合」があるとは限らない点を前提にして読み進めてください。
コアアップデートの基本を確認する
Google のコアアップデートは年に数回行われ、開始と完了は Google 検索ステータス ダッシュボード(Google Search Status Dashboard)で告知されます。展開には2週間前後かかることが多く、その間は順位が上下に揺れます。期間はあくまで Google の説明に基づく目安です(2026年10月現在)。
Google 検索セントラルのコアアップデートに関するページでは、展開が終わってから少なくとも1週間ほど待ち、その後の期間とアップデート前の期間を比べるよう案内されています。展開中に慌ててサイトを大きく変えると、アップデートの影響と自分の変更の影響が区別できなくなります。
ステップ1:変化が起きた日付を特定する
Search Console の「検索パフォーマンス」で期間を過去6か月程度に広げ、クリック数と表示回数のグラフを見ます。急に変わった日付を見つけたら、次の出来事と重なっていないかを照らし合わせます。
- Google 検索ステータス ダッシュボードに載っているアップデートの開始日・完了日
- 自分のサイトでのテーマ・プラグイン・WordPress 本体の更新、サーバー移転、SSL や URL 構造の変更
- 季節的な需要の変化(年末、新年度、連休など)
自分の変更を日付つきで追えるように、普段から作業記録を残しておくと切り分けが楽になります。管理画面での操作を記録する Simple History や WP Activity Log といったプラグインを使う方法もあります。WP-CLI が使えるなら、更新日時つきの記事一覧も手早く書き出せます。
# 公開済み記事の ID・タイトル・最終更新日時を CSV で書き出す
wp post list --post_type=post --post_status=publish --fields=ID,post_title,post_modified --format=csv > posts.csv
ステップ2:技術的な原因を先に除外する
アップデートと同じ時期に落ちていても、実際は技術的な問題だったというケースは珍しくありません。こちらは直せばすぐ戻る可能性があるので、先に確認します。
インデックスから外れていないか
WordPress の「設定」→「表示設定」にある、検索エンジンにインデックスさせないようにするチェックが入っていないかを見ます。ステージングからの移行後に残ってしまうことがあります。WP-CLI では wp option get blog_public が 0 を返せばインデックス拒否の状態です。
あわせて、Search Console の「ページのインデックス登録」(ページ)レポートで、「noindex タグによって除外されました」「robots.txt によりブロックされました」などの件数が急に増えていないか確認します。SEO プラグインの更新や設定変更で、記事や固定ページまで意図せず noindex になっていることがあります。
サーバーエラーやクロールの不調はないか
「設定」の中にあるクロールの統計情報で、サーバーエラー(5xx)や応答時間の悪化がないかを見ます。キャッシュプラグインや WAF の設定で Googlebot が弾かれている場合もあります。気になる URL は URL 検査で「公開 URL をテスト」し、Google から見たページが正しく表示されるかを確かめます。
手動による対策やセキュリティの問題はないか
「セキュリティと手動による対策」の項目に通知が出ていないかも確認します。サイトが改ざんされてスパムページが作られていると、アップデートとは関係なく評価が落ちます。
これらに問題がなければ、変化はアップデートによる再評価の可能性が高いと考えて次に進みます。
ステップ3:どのページの、どの指標が変わったかを分解する
日付の「比較」で、アップデート前の期間と完了後の期間を同じ日数で並べ、「ページ」タブで差の大きい順に並べ替えます。下がったページを、次の3つに分けて考えると対策が決まりやすくなります。
順位が下がった:同じクエリで掲載順位が下がり、表示回数とクリックが減っているページです。コンテンツの評価が相対的に下がった可能性があり、内容の見直しの対象になります。
順位はほぼ同じで CTR だけ下がった:検索結果の見た目が変わった(AI による概要や動画、他の検索機能が上に増えた)可能性があります。実際に検索して、表示のされ方を確認します。記事の評価ではなく、検索結果の構成の変化が原因のこともあります。
表示回数そのものが減った:検索される回数が減った可能性があります。Google トレンドで話題の検索需要を見て、季節要因や話題の終わりでないか確かめます。
Google の説明でも、順位の小さな上下(たとえば2位から4位)と、上位から大きく外れる下落とは分けて考えるよう示されています。小さな変動であれば、大がかりな作り直しは不要なことが多いです。
ステップ4:下がったページを自己評価する
順位が下がったページについて、Google が公開している「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツ」の自己評価の質問を参考に読み直します。たとえば次の観点です。
- その話題について、独自の情報・分析・実際に試した結果が含まれているか
- 検索した人が、読んだあとに別のページを探しに行かなくて済むか
- 誰が書いたのか、なぜ信頼できるのかが読者に伝わるか
- 検索エンジン向けに文字数やキーワードを増やしただけの部分がないか
同時に、そのクエリで今上位にいるページを見て、自分の記事に何が足りないかを確かめます。ただし、上位ページを真似して見出しを並べ替えるだけでは独自性は増えません。
サイト全体で同じ傾向(薄い記事が多い、似た記事が重複している、古い情報が放置されている)が見えるなら、個別の記事よりもサイト全体の方針として対処します。
ステップ5:対策の優先順位を立てる
分析結果をスプレッドシートにまとめ、次の順番で手を付けるのが現実的です。
- 技術的な問題:noindex やエラーなど、見つかったものは最優先で直します。
- アクセスが多かったのに大きく落ちたページ:影響が大きいので、内容の更新や情報の正確さの見直しを先に行います。
- 重複している記事:同じ検索意図の記事が複数あるなら、内容を1本に統合し、残りは統合先へ 301 リダイレクトします。作業前にはバックアップを取ります。
- 古くなった記事:手順や画面が変わった記事を最新の情報に直します。
記事の大量削除は慎重に判断してください。アクセスが少なくても、特定の読者に役立っている記事もあります。消すか残すかは、内容の質と検索意図の重複を基準に決めます。
改善しても、評価が戻るのは次のコアアップデートのころになることもあれば、それより早いこともあり、戻らないこともあります。対策のたびに日付と内容を記録しておき、数週間単位で効果を確かめていきます。
まとめ
- 展開が終わるまで待ち、完了後少なくとも1週間たってから前後を比べる
- 変化の日付を、アップデート・自分の作業・季節要因と照らし合わせる
- noindex、クロールエラー、手動による対策など技術的な原因を先に除外する
- 「順位」「CTR」「表示回数」のどれが変わったかで原因と対策を分ける
- 影響の大きいページから自己評価し、統合・更新の順番を決めて記録を残す