2026年7月1日
2026年7月1日
WordPressとEditor X(現Wix Studio)の違いと使い分け
Editor XはWixが提供していたデザイナー向けのサイト制作ツールで、現在は後継のWix Studioに移行しています。そのため今選ぶなら比較対象は「WordPress対Wix Studio」です。結論から言うと、ホスティングや保守を任せてデザインの自由度と制作スピードを重視するならWix Studio、データとサーバーを自分で持ち、プラグインやコードで機能を広げたいならWordPressが向いています。この記事では、Editor Xの現状を整理したうえで、両者の違いと選び方、乗り換え時の注意点を解説します。
Editor Xは現在どうなっているのか
Editor Xは、ブラウザ上でレスポンシブなレイアウトを細かく組めるツールとして、制作会社やデザイナーに使われていました。Wixは2023年ごろに後継となるWix Studioを発表し、その後Editor Xの提供を終了して、既存ユーザーのサイトをWix Studioへ移す流れになりました(移行の時期や手順は公式の案内で確認してください)。
このため「Editor Xを新しく使い始める」という選択肢は現実的ではありません。Editor Xで作られたサイトを引き継いでいる人も、今後の運用はWix Studioを前提に考えることになります。以下の比較は、2026年10月現在のWix Studioを想定しています。
WordPressとWix Studioの基本的な違い
WordPress(ここではサーバーに自分で設置するWordPress.orgを指します)はオープンソースのCMSです。好きなサーバーにインストールし、テーマとプラグインで見た目と機能を組み立てます。ソフトウェア自体は無料で、サーバーやドメイン、有料テーマ・プラグインに費用がかかります。
Wix Studioは、Wixのクラウド上で動くサイト制作プラットフォームです。ホスティング、セキュリティ更新、バックアップの基盤はWix側が提供し、制作者はブラウザ上の編集画面でデザインと構成を作ります。複数のクライアントサイトを管理する機能など、制作会社やフリーランスの制作者向けの機能が用意されています。
項目別の比較表
| 項目 | WordPress(自前設置) | Wix Studio |
|---|---|---|
| ホスティング | 自分でサーバーを用意・管理 | Wixのクラウドに含まれる |
| データの所有と持ち出し | データベースとファイルを丸ごと持ち出せる | サイトをそのまま他サービスへ移すことはできない |
| デザインの自由度 | テーマ次第。ブロックエディタやページビルダーで調整 | 編集画面で細かいレイアウト調整がしやすい |
| 機能拡張 | 膨大なプラグインと独自PHPで拡張可能 | Wixのアプリと、Wixが提供する開発機能の範囲で拡張 |
| 保守の手間 | 本体・テーマ・プラグインの更新、バックアップが必要 | 基盤の更新はWix側が対応 |
| SEOの制御 | URL構造やテンプレートまで細かく制御可能 | 主要な設定は用意されているが、仕様の範囲内での調整 |
| 費用の構造 | サーバー・ドメイン・有料拡張の合計 | Wixのプラン料金が中心 |
| 向く体制 | 開発者がいる、または保守を外注できる | デザイナー中心の制作体制 |
プランの内容や料金は変更されることがあるため、具体的な条件はWixの公式サイトで確認してください。
デザインと制作スピード
Wix Studioの強みは、編集画面上でレイアウトを直接動かしながら、パソコン・タブレット・スマートフォンそれぞれの表示を調整できる点です。デザインカンプに近い見た目をコードなしで再現しやすく、デザイナーが一人で公開まで進められます。
WordPressでも、ブロックテーマのサイトエディターやページビルダー系プラグインを使えばノーコードでの制作は可能です。ただし、細かなレイアウト表現はテーマやビルダーの仕様に左右され、思い通りにならない部分はCSSやテンプレートを書いて補うことになります。逆に言えば、コードを書ける人がいれば表現の上限はほとんどありません。
機能拡張とカスタマイズの限界
WordPressには公式ディレクトリだけでも大量のプラグインがあり、会員制、予約、EC、多言語、フォーム、外部サービス連携などを組み合わせられます。足りない機能はPHPで独自に作れ、REST APIを使ってヘッドレス構成にすることもできます。
Wix Studioは、Wixのアプリマーケットのアプリと、Wixが提供する開発機能(JavaScriptでの独自処理やデータベース連携など)で拡張します。多くのビジネスサイトでは十分ですが、サーバー側の処理を自由に書く、特定のサーバー環境に依存するソフトウェアを動かすといったことはできません。業務システムとの深い連携が必要な案件では、事前に実現可能かを検証しておくべきです。
保守とセキュリティの負担
WordPressは運営者が保守責任を持ちます。本体・テーマ・プラグインの更新、PHPバージョンの管理、定期バックアップ、不正ログイン対策、改ざん検知などが必要で、更新を怠ると脆弱性を突かれる原因になります。クライアントに納品する場合は、保守契約を誰が担うかを最初に決めておかないと、公開後に放置されがちです。
Wix Studioは基盤の更新やサーバー管理をWixが担うため、運営側の作業は大きく減ります。その代わり、障害時に自分でサーバーを調べて復旧する手段はなく、Wixの対応を待つことになります。
SEOの扱い
どちらでも、タイトル、メタディスクリプション、URLの調整、リダイレクト設定、サイトマップといった基本的なSEO設定は行えます。WordPressはテンプレートや出力されるHTMLまで手を入れられるため、構造化データや表示速度の改善を細かく詰めたい場合に向いています。Wix Studioは主要な設定が画面から行えるので、専門知識が少なくても基本を押さえやすい反面、プラットフォームの仕様を超えた調整はできません。どちらを選んでも、検索順位は記事の内容やサイトの評価で決まる部分が大きく、ツールの選択だけで順位が上がるわけではありません。
Editor X・Wix StudioからWordPressへ乗り換える場合
Wix系のサイトは、テーマやデータベースを丸ごと書き出して別のサービスに移す仕組みがありません。乗り換えは実質的に「作り直し」になります。進めるときは次の順序で準備すると混乱が少なくなります。
- 現在のページ一覧とURL、アクセスの多いページを洗い出す
- 文章と画像を手元に保存する(ブログ記事はRSSなどから取り込めることもあります)
- WordPressでデザインを再構築し、同じ内容のページを用意する
- 旧URLから新URLへのリダイレクトを計画する
- ドメインのDNS設定をWordPressのサーバーへ切り替える
ドメインをWix経由で取得している場合は、ドメインの移管手続きも必要になります。切り替え前に、メールなどドメインに紐づくサービスへの影響を確認してください。
どちらを選ぶべきか
Wix Studioが向いているのは、デザイナー中心のチームで、見た目の再現性と制作スピードを優先し、サーバー保守を抱えたくない場合です。コーポレートサイト、ブランドサイト、ポートフォリオなどと相性がよいといえます。
WordPressが向いているのは、記事を大量に積み上げるメディア、会員制やECなど機能が増えていくサイト、他システムとの連携が多いサイト、将来サーバーやホスティング会社を自由に選びたい場合です。
まとめ
- Editor Xは提供を終了し、Wixは後継のWix Studioへの移行を進めた。今の比較対象はWix Studio
- Wix Studioはホスティング込みで保守が軽く、デザインの再現と制作スピードに強い
- WordPressはデータの持ち出し、機能拡張、サーバー選択の自由度で優位だが、保守は自分の責任
- Wix系からWordPressへの乗り換えは作り直しになるため、URL一覧とリダイレクト計画から始める
- プラン・料金・移行手順は変わるため、最新情報は公式サイトで確認する