2026年7月1日
2026年7月1日
MainWPとManageWPの比較と使い方|セルフホスト型とクラウド型の違いと選び方
MainWPとManageWPはどちらも複数のWordPressサイトを1か所から管理するツールですが、MainWPは管理画面を自分のWordPressに置くセルフホスト型、ManageWPはGoDaddyが運営するクラウドサービスという点が根本的に違います。データを自社の管理下に置きたく、管理画面の保守も引き受けられるならMainWP、サーバーを用意せずすぐに始めたいならManageWPが向いています。この記事では、両者の仕組みと比較の観点、導入の流れ、運用上の注意点を解説します。
2つのツールの仕組み
MainWP
MainWPは、管理用ダッシュボードそのものがWordPressのプラグイン(MainWP Dashboard)として配布されています。管理用に別のWordPressを1つ用意し、そこにダッシュボードを入れて使います。管理されるクライアントサイトには「MainWP Child」プラグインを入れ、ダッシュボードとChildプラグインが通信して更新などを行います。
ダッシュボードのサーバー、データベース、ログはすべて自分で持つことになるため、サイトの情報を外部のサービスに預けずに済みます。その代わり、ダッシュボードとなるWordPressの更新・バックアップ・セキュリティ対策は自社の仕事です。
ManageWP
ManageWPは、Web上の管理画面にログインして使うSaaSです。クライアントサイトには「ManageWP Worker」プラグインを入れ、ManageWPのサーバーからWorkerを通じてサイトを操作します。管理画面のサーバーはサービス側が運用するため、自分で用意するものはアカウントとWorkerプラグインだけです。
サイトの一覧やレポートのデータ、利用する場合はバックアップも、サービス側に保存されます。手軽に始められる反面、サービスの仕様変更や障害の影響を受ける点は理解しておく必要があります。
比較の観点
細かな機能は両者とも更新で変わるため、ここでは構造上の違いを中心に比べます(2026年10月現在)。導入時は各公式サイトの最新情報を確認してください。
| 観点 | MainWP | ManageWP |
|---|---|---|
| 管理画面の置き場所 | 自分で用意したWordPress | サービス提供側のクラウド |
| 管理されるサイトに入れるもの | MainWP Child | ManageWP Worker |
| データの保存先 | 自社のサーバー | サービス提供側 |
| 管理画面の保守 | 自社で行う | サービス側が行う |
| 機能の追加方法 | 拡張機能(無料のものと有料のものがある) | アドオン(基本機能は無料、追加機能は有料が中心) |
| 定期実行の仕組み | ダッシュボード側のWordPressのcronに依存 | サービス側で実行 |
費用の考え方も構造の違いから来ています。ManageWPは有料アドオンをサイトごとに追加する形が中心のため、サイト数が増えると費用も増えやすくなります。MainWPは本体が無料で、有料の拡張機能やプランを使う場合も、サイト数に比例しにくい料金体系が採られてきました。ただし料金体系は改定されることがあるため、具体的な金額は導入時点の公式情報で比べてください。
どちらが向いているか
MainWPが向いているのは、次のような場合です。
- クライアントとの契約や社内規程で、サイトの情報を外部サービスに預けにくい
- 管理するサイト数が多く、サイト数に応じた費用の増加を抑えたい
- WordPressの運用に慣れたスタッフがいて、ダッシュボード自体の保守を引き受けられる
ManageWPが向いているのは、次のような場合です。
- 管理用のサーバーを用意・保守する手間をかけたくない
- 管理するサイト数がまだ少なく、まず無料の範囲で試したい
- バックアップや監視も、同じサービスのアドオンでまとめたい
迷う場合は、両方を数サイトで試し、実際の更新作業やレポート作成の手間を比べるのが確かな方法です。どちらも接続用プラグインを外せば元の状態に戻せます。
導入の流れ
画面の表記や手順は更新で変わることがあるため、ここでは大まかな流れを示します。
MainWPの場合
- 管理用の新しいWordPressを用意します。クライアントサイトとは別のドメインやサブドメインにし、他の用途と兼ねないようにします。
- 管理用WordPressに「MainWP Dashboard」プラグインを入れ、案内に沿って初期設定を行います。
- クライアントサイトに「MainWP Child」プラグインを入れて有効化します。
- ダッシュボードからサイトのURLと管理者ユーザー名を指定して接続します。
- 接続できたら、更新の一覧やサイトの状態が取得できるかを確認します。
ダッシュボードの定期実行はWordPressのcronに頼るため、アクセスの少ない管理用サイトでは予定どおりに動かないことがあります。サーバーのcronから定期的に実行させる設定にしておくと安定します。
ManageWPの場合
- ManageWPのアカウントを作成します。
- クライアントサイトに「ManageWP Worker」プラグインを入れて有効化します。
- ManageWPの管理画面からサイトを追加し、表示される手順に沿って接続します。
- 接続後、更新の一覧やサイトの状態が表示されるかを確認します。
どちらの場合も、接続できないときはサーバーのWAFやセキュリティプラグインが通信を止めていることがあります。セキュリティ設定を一時的に緩めるのではなく、ホスティング会社やプラグインの説明に沿って、必要な通信だけを許可する方法を探します。
運用で気をつけること
- 一括更新の前にバックアップ: 一覧からまとめて更新できるのが便利な点ですが、不具合も複数サイトで同時に起きます。重要なサイトは個別にバックアップと確認を行い、影響の小さいサイトから順に更新します。
- 管理ツールのアカウントを守る: どちらのツールも、全サイトを操作できる強い権限を持ちます。2段階認証を設定し、スタッフごとにアカウントを分けます。MainWPのダッシュボードは、管理画面へのアクセスをIPアドレスやBasic認証で制限しておくと安心です。
- 接続用プラグインの更新: Child や Worker も通常のプラグインと同じく脆弱性が見つかることがあります。更新を後回しにしないようにします。
- 契約終了時の後始末: 保守契約が終わったサイトからは接続用プラグインを削除し、管理対象からも外します。残したままにすると、意図しないアクセス経路が残ります。
- クライアントへの報告: どちらのツールにもクライアント向けレポートの機能(MainWPは拡張機能、ManageWPはアドオン)があります。報告内容の組み立て方は クライアントへの定期レポートを自動送信する方法 で解説しています。
まとめ
- MainWPは管理画面を自分のWordPressに置くセルフホスト型、ManageWPはGoDaddyが運営するクラウド型で、データの置き場所と管理画面の保守の担い手が違います。
- 管理されるサイトには、MainWPなら「MainWP Child」、ManageWPなら「ManageWP Worker」を入れて接続します。
- データを自社で持ちたい、サイト数が多いならMainWP、手軽に始めたい、サイト数が少ないならManageWPが候補です。料金や機能の範囲は変わるため、導入時の公式情報で確認します。
- どちらも全サイトの合鍵になるため、アカウント保護、接続用プラグインの更新、契約終了時の削除を徹底します。