2026年5月19日
2026年5月19日
WordPressのPHPバージョンアップ手順|事前確認から切り替え・戻し方まで
結論:PHPバージョンアップの流れ
WordPressのPHPバージョンアップは、次の5段階で進めます。バージョンを上げる作業そのものより、事前の確認とバックアップが大切です。
- 今のPHPバージョンを確認する
- バックアップを取る
- WordPress・テーマ・プラグインの対応を確認する
- PHPバージョンを切り替える
- サイトの動作を確認する(問題があれば元に戻す)
WordPress公式は、PHP 8.3以上を推奨しています(2026年10月時点)。この記事は、2026年10月16日時点の公式情報をもとに書いています。
今のPHPバージョンと、上げる目安を確認する
管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブ→「サーバー」の欄に、PHPバージョンが表示されます。確認方法はほかにもあります。詳しくはPHPのバージョンを確認する方法をご覧ください。
WordPress公式のページでは、8.3以上であれば今すぐ更新する必要はないとされています。それより古い場合は、サイトヘルスに「PHPの更新が必要」といった警告が出ることがあります。
PHPのサポート状況(php.net、2026年10月時点)
| PHPバージョン | 通常サポート(バグ修正など)の終了 | セキュリティサポートの終了 |
|---|---|---|
| 8.2 | 2024年12月31日 | 2026年12月31日 |
| 8.3 | 2025年12月31日 | 2027年12月31日 |
| 8.4 | 2026年12月31日 | 2028年12月31日 |
| 8.5 | 2027年12月31日 | 2029年12月31日 |
表にない8.1以前のバージョンは、サポート期間が終了しています。WordPress公式の要件ページも、PHP 7.4でも動作はするものの、公式にサポートが終了しており、脆弱性にさらされるおそれがあると警告しています。
切り替える前の準備
1. バックアップを取る
何かあったときに元へ戻せるよう、先にサイト全体(ファイルとデータベース)のバックアップを取ります。方法は次の記事を参考にしてください。
- BackWPupでWordPressを自動バックアップする方法
- UpdraftPlusの設定方法とバックアップ自動化手順
- WordPressのバックアッププラグイン比較
- 戻すときはWordPressをバックアップから復元する方法
2. WordPress本体・テーマ・プラグインを更新する
管理画面の「更新」ページで、すべて最新にします。古いプラグインは、新しいPHPで動かなくなることがあります。
3. 互換性を確認する
- プラグインとテーマ: wordpress.orgの各プラグインの紹介ページや、開発元の案内で、対応するPHPバージョンを確認します
- PHP Compatibility Checker: テーマとプラグインのコードを調べるプラグインですが、開発元が「もう積極的には保守されていない」と警告しています。確認できるWordPressのバージョンも6.4.13までで、コードを実行せずに調べる方式のため、実行時の問題は見つけられません。あくまで参考にとどめてください。WordPress公式のページも、このツールの判定は完全ではないとしています
- テスト環境で先に試す: いちばん確実な方法です。WordPressにステージング環境を作成する方法を参照してください
互換性の問題が見つかったら、開発元に問い合わせるか、同等の機能を持つ別のプラグインに置き換えます。
PHPバージョンを切り替える
レンタルサーバーの場合
切り替えの手順は、サーバー会社ごとに異なります。管理画面(コントロールパネル)で切り替えられるのが一般的です。エックスサーバー・ConoHa WING・ロリポップ・さくらインターネットの手順は、PHPのバージョンを切り替える方法にまとめています。
案内のないサーバー会社を使っている場合は、サポートに問い合わせます。
VPSの場合(Ubuntu + Nginx + PHP-FPM の例)
次の例は、Ubuntu + Nginx + PHP-FPM の構成を前提にしています。環境が違う場合は読み替えてください。
手順1: 新しいバージョンのPHP-FPMと拡張モジュールを入れる
標準のリポジトリで入るバージョンは、Ubuntuのバージョンによって異なります。先に確認します。
apt-cache policy php-fpm
目的のバージョンが入らない場合は、追加のリポジトリが必要です。導入する前に、そのリポジトリの公式の案内を確認してください。 入れる場合の例です(8.3の場合)。
sudo apt update
sudo apt install php8.3-fpm php8.3-mysql php8.3-xml php8.3-curl \
php8.3-gd php8.3-mbstring php8.3-zip php8.3-intl
手順2: Nginxの接続先を新しいPHP-FPMに変える
サイトの設定ファイルで、fastcgi_pass を新しいバージョンのソケットに変更します。
location ~ \.php$ {
fastcgi_pass unix:/run/php/php8.3-fpm.sock;
include fastcgi_params;
fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name;
}
手順3: 設定を確認して反映する
sudo nginx -t && sudo systemctl reload nginx
nginx -t が成功したときだけ反映します。
注意: コマンドラインの
php -vで表示されるのは、コマンドライン用PHPのバージョンです。ウェブサイトが実際に使っているバージョンとは別の場合があります。切り替えたあとは、サイトヘルスの表示で確認してください。
複数のバージョンを同じサーバーで動かしたい場合は、VPSで複数のPHPバージョンを共存させる方法を参照してください。
切り替えたあとの確認
- サイトヘルスで、PHPバージョンが変わっていることを確認する
- トップページ・記事ページ・固定ページを表示して崩れがないか見る
- 管理画面にログインし、投稿の編集・保存ができるか確認する
- お問い合わせフォームや、決済などの機能があれば動作を確認する
- エラーが疑われる場合は、デバッグログを確認する(WordPressのデバッグモードを有効にしてエラーを確認する方法)
デバッグモードは、確認が終わったら本番サイトではオフに戻してください。詳しくは本番環境でのデバッグ設定の注意を参照してください。
エラーが出たとき
| 症状 | 見る記事 |
|---|---|
| 画面が真っ白になった | WordPressで白い画面(WSOD)が表示される場合の解決方法 |
| プラグインの更新後に白い画面になった | プラグイン更新後に白い画面になった場合の対処法 |
| 「Deprecated」の警告が出る | 将来のバージョンで使えなくなる機能を、プラグインやテーマが使っているという警告です。表示だけなら動作は続きますが、該当するプラグインの更新や、代替プラグインへの移行を検討してください |
| サイトヘルスで警告が出る | WordPressのサイトヘルスで警告が出る場合の対処法 |
元に戻す方法
切り替え後にサイトが正常に動かないときは、元のPHPバージョンに戻します。WordPress公式も、以前のPHPバージョンに戻し、そのうえでバックアップから復元する手順を案内しています。
- レンタルサーバー: 管理画面で、以前のPHPバージョンを選び直す
- VPS: Nginxの
fastcgi_passを元のソケットに戻してsudo nginx -t && sudo systemctl reload nginxを実行する。古いPHP-FPMは、問題がないと分かるまでアンインストールしない
それでも直らない場合は、バックアップから復元します(復元手順)。
よくある質問
どのバージョンに上げればよいですか。
WordPress公式の推奨は、PHP 8.3以上です(2026年10月時点)。8.2は2026年12月31日にセキュリティサポートが終わるため、これから上げるなら8.3以上を検討してください。ただし、使っているプラグインやテーマが対応しているかを、先に確認する必要があります。
バージョンを上げるとサイトは速くなりますか。
WordPress公式は、新しいPHPは効率が良く、表示速度や安全性の向上が期待できると説明しています。実際にどれだけ変わるかは、サイトやサーバーの環境で異なります。
切り替えたら管理画面にも入れなくなりました。
まず、この記事の「元に戻す方法」の手順で、PHPバージョンを元に戻してください。